2023年1月28日土曜日

玄関扉のカギ交換について


2023年1月も終わりですね。新型コロナウイルス第8波はようやく収まってきましたが、インフルエンザに流行の兆しが見えます。基本的な感染症対策をとって、Withコロナを実践していきましょう。今回はマンション玄関扉の鍵についてご説明致します。



居住者から玄関扉のスペアキーについて相談を受けたり、賃貸オーナーである区分所有者から賃借人の入れ替わりの際、鍵穴(錠)の交換について相談を受けることがあると思います。玄関扉は共用部に接しているため、扉本体は共用部ですが、錠と内部塗装は専有部になります。(標準管理規約第7条)鍵穴を交換したり、スペアキーを作る場合は区分所有者の責任と費用で行う必要があります。

賃借人からスペアキーについての相談があった場合は、まず、区分所有者である賃貸人に相談し承諾をもらうようにお伝え下さい。区分所有者である賃貸オーナーから錠の交換について相談があった場合は、管理規約を提示し、錠は専有部であることを説明し、自らの責任と費用で実施頂くようお伝え下さい。一方、扉本体は共用部であるため、錠を増設するなど扉本体に手を加えることはできません。(スマートロックのように、扉本体を変更せず、扉の内側に貼り付ける程度のものであれば、許容範囲と思われます。)

マンションの玄関扉のカギは、エントランスのオートロックのカギを兼ねていることが一般的です。錠は専有部であっても、オートロックは共用部になりますので、管理組合としてはセキュリティにも気を配る必要があります。区分所有者から相談があった場合は、正規メーカー(GOALMIWAClavisなど)の正規代理店を紹介し、必ず純正品を作成してもらうようにして下さい。メーカーはマンションごとに情報を管理し、スペアキーの依頼があったあ場合は本人確認を厳格に行うなど、セキュリティ対策を万全に行っているので、マンションのセキュリティは保たれます。

マンション玄関扉のカギについて、責任の所在を管理規約で確認の上、セキュリティ対策を十分行うことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2023年1月21日土曜日

個人情報保護法を理解しよう!


2023年1月も下旬に入っていきます。新型コロナウイルス第8波の勢いは衰えません。高齢者を中心に死者数も増えております。一人一人が基本的な感染症対策を行った上で、Withコロナを実践していきましょう。今回はマンションの個人情報保護法について説明致します。



2015年に個人情報保護法が改正され、2017年5月30日からマンションも同法の対象になりました。個人情報とは生存する個人を特定できる情報のことを指します。マンションでは居住者名簿や、各種議事録などが該当致します。

管理組合では通常の管理を行う上で、個人情報を頻繁に取り扱います。災害時の緊急連絡、消防設備点検・排水管清掃での各戸訪問、駐車場の申し込み、賃貸住戸の管理、管理費滞納時の督促などほぼ全ての業務で個人情報を取り扱います。個人情報なしでは管理組合の業務は成り立ちません。

個人情報保護法18条では、個人情報を取得した場合、その利用目的を本人に通知するか公表することが求められております。しかし、個人情報を頻繁に扱う管理組合において、個人情報を取得する都度、本人に通知することは、非常に煩雑で現実的ではありませんので、あらかじめ利用目的を公表しておく必要があります。

公表例
当マンション管理組合は届出により取得した個人情報は以下の目的で利用し、届出者の承諾無に第三者に開示することはありません。
・理事会議事録の祖父、総会招集・議事録の送付、その他管理組合の連絡
・災害時の緊急連絡
但し、次の場合は除きます。(本人の同意がある場合、警察など官公署からの要請の場合、法律の適用を受ける場合)

このようにルールを定め、あらかじめ公表しておくことによって、ほぼ全ての管理組合の業務を従前通りに行うことができます。同法への抵触リスクを都度考慮するなどの煩わしさは無くなります。

また、管理組合としては、個人情報の保管方法に注意する必要があります。(紙資料は鍵付きの場所に保管、データーはパスワードを付して保管、不要になった情報は都度廃棄・消去するなど)

管理組合で取り扱う個人情報は「利用目的の開示」「保管方法の注意」を徹底すれば、特に恐れることはありません。

個人情報保護法を正しく理解し、適切に対応することで、マンションの資産価値を守つていきましょう!

2023年1月14日土曜日

エレベーターのメンテナンスコストを考えよう!

2023年1月も半分が経過しました。昨年から懸念されていた、新型コロナウイルス第8波とインフルエンザの同時流行が始まったようです。基本的な感染症対策を続けていきましょう。今回は、エレベーターのメンテナンス費用について説明致します。

エレベーターはほとんどのマンションに設置されています。事故防止のため、メンテナンスは頻繁に行われています。マンション管理費の中で、エレベーターのメンテナンスコストは相当部分を占めています。管理組合としては、安全の確保を第一にしつつ、コストを抑える施策を検討する必要があります。

我が国のエレベーター市場は、三菱、日立、東芝の3社で全体の80%を占めており、これにオースチンとフジテックを加えた5社で独占しております。これらの「メーカー系」列のメンテナンス業者は他のメーカーのメンテナンスを受注することはなく、メンテナンス市場は競争原理が働きにくい状況にあります。エレベーター1基あたり5万円/月程度で高止まりしています。

競争原理を働かせるためには、エレベーターメンテナンスを専業としている「独立系」業者への発注を視野に入れる必要があります。「独立系」業者の経験と実績は「メーカー系」業者と遜色がなく、「独立系」が「メーカー系」に比べ安全性に問題があるということはありません。

「メーカー系」から「独立系」に変更することで、コストは30%程度削減できると言われています。(独立系のメンテナンス費用は、エレベーター1基あたり3.5万円/月程度です。)

エレベーターメンテナンスの契約形態には、「フルメンテナンス契約」と「POG(パーツ、オイル、グリース)契約」があります。前者は部品交換を伴う修理代を含む契約であるのに対し、後者は保守点検に必要な消耗品代のみ含む契約になります。竣工後間もないマンションでは、エレベーターの故障はほどんど生じないため、POG契約で十分であると言われております。

「メーカー系」業者と「フルメンテナンス契約」を結ぶ場合と、「独立系」業者と「POG契約」を結ぶ場合では、メンテナンスコストに大きな差が出ます。「メーカー系」業者は競争原理が働かないことが問題です。竣工以来「メーカー系」業者と契約している場合は、一度「独立系」業者から見積を取得し、比較することをお勧めします。自分たちのマンションが必要とするサービスを良く見極めることが重要です。

コストに見合ったエレベーターメンテナンスサービスを受けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2023年1月7日土曜日

2023年の課題

2023年1月に入りました。新年あけましておめでとうございます。今年もマンションの資産価値を維持するための動画を全力で作成して参ります。管理組合チャンネルをよろしくお願い致します。今回は2023年の展望について説明致します。

昨今のキーワードとして、マンション管理適正評価制度第三者管理方式の2つが挙げられます。

マンション管理適正評価制度とは、マンション管理業協会が2022年4月からスタートした評価制度です。開始直後は多くのマンション管理組合が様子見の状態でしたが、半年余りが経過し、少しずつ登録申請するマンションが増えてきました。マンションの管理状態や、管理組合の運営の状態を星5つから星0までの6段階で評価するものですが、星2つ以下は事実上ありませんので、実態としては星5つから星3つの3段階評価と言えます。評価は、管理体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断関係、生活関連の5項目です。これらの殆どは、管理組合が管理会社に対し委託している業務であり、評価には管理会社名も明記されます。管理組合が評価を受けるという建前になっていますが、実際は、管理会社のランキングという側面が強いのです。管理を受託しているマンションの星5つ獲得数や獲得率は、管理会社として重要な指標になります。管理会社は「管理組合が申請するのであれば協力しますよ」というスタンスですが、評価が低ければ管理会社の評価が問われますので、本制度を主導している一部の大手管理会社を除き、殆どの管理会社は戦々恐々としているのが実情です。「申請するからには、星5つを取りたい」と思うのは、私たち管理組合だけでなく、むしろ管理会社の方がその動機が強いです。マンションの資産価値の維持向上は管理組合と管理会社が同じ方向を向き、協力して初めて実現します。管理組合と管理会社が目標を明確にし、管理会社を本気にさせる上で、本評価制度はとても有効だと考えます。管理組合としては、管理会社に本気で業務に取り組んでもらうための動機付けとし、マンションの資産価値を維持・向上させるために、積極的に本制度を活用すべきであると考えます。

第三者管理方式とは、管理組合の運営を専門家(管理会社やマンション管理士など)に委ねることです。現在多くのマンションでは区分所有者が輪番で理事を担い、自ら管理組合を運営する「理事会方式」を採用していますが、昨今、区分所有者の高齢化や投資用マンションの増加で、理事のなり手不足という問題が健在化したことで、「第三者管理方式」が選択肢として挙がるようになってきました。2022年から一部の管理会社が、新築マンションや管理不全が深刻なマンションに対し「第三者管理方式」での管理を積極的に売り出しています。リゾートマンションや投資用マンションでは既に普及していますが、一般のファミリー向けのマンションへの早期普及は難しいと考えています。その理由は、管理コストが高いことにあります。第三者管理方式は専門家に対価を支払って管理を委ねるため、区分所有者が理事となり自ら管理する場合に比べコストが掛かります。更に、区分所有者は修繕を行うにあたって、相見積もりを取得したり、コンペを実施して、最も経済的合理性が高い業者に発注しますが、第三者は提携業者に発注するため、経済的合理性は大幅に損なわれます。効果的かつ効率的に管理組合を運営するためには、「理事会方式」であることが必須と考えております。また、第三者方式を採用した場合でも、区分所有者の責任が免れるわけではありません。高コストによる不利益は全て、管理費及び修繕積立金の値上げという形で、区分所有者が被ることになります。マンションの資産価値を維持・向上させるためには、従前通り、「理事会方式」を採用すべきであると考えます。

「理事会方式」を採用しつつ、「マンション管理適正評価制度」を有効活用し、管理会社と目標を一にすることで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...