2023年1月7日土曜日

2023年の課題

2023年1月に入りました。新年あけましておめでとうございます。今年もマンションの資産価値を維持するための動画を全力で作成して参ります。管理組合チャンネルをよろしくお願い致します。今回は2023年の展望について説明致します。

昨今のキーワードとして、マンション管理適正評価制度第三者管理方式の2つが挙げられます。

マンション管理適正評価制度とは、マンション管理業協会が2022年4月からスタートした評価制度です。開始直後は多くのマンション管理組合が様子見の状態でしたが、半年余りが経過し、少しずつ登録申請するマンションが増えてきました。マンションの管理状態や、管理組合の運営の状態を星5つから星0までの6段階で評価するものですが、星2つ以下は事実上ありませんので、実態としては星5つから星3つの3段階評価と言えます。評価は、管理体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断関係、生活関連の5項目です。これらの殆どは、管理組合が管理会社に対し委託している業務であり、評価には管理会社名も明記されます。管理組合が評価を受けるという建前になっていますが、実際は、管理会社のランキングという側面が強いのです。管理を受託しているマンションの星5つ獲得数や獲得率は、管理会社として重要な指標になります。管理会社は「管理組合が申請するのであれば協力しますよ」というスタンスですが、評価が低ければ管理会社の評価が問われますので、本制度を主導している一部の大手管理会社を除き、殆どの管理会社は戦々恐々としているのが実情です。「申請するからには、星5つを取りたい」と思うのは、私たち管理組合だけでなく、むしろ管理会社の方がその動機が強いです。マンションの資産価値の維持向上は管理組合と管理会社が同じ方向を向き、協力して初めて実現します。管理組合と管理会社が目標を明確にし、管理会社を本気にさせる上で、本評価制度はとても有効だと考えます。管理組合としては、管理会社に本気で業務に取り組んでもらうための動機付けとし、マンションの資産価値を維持・向上させるために、積極的に本制度を活用すべきであると考えます。

第三者管理方式とは、管理組合の運営を専門家(管理会社やマンション管理士など)に委ねることです。現在多くのマンションでは区分所有者が輪番で理事を担い、自ら管理組合を運営する「理事会方式」を採用していますが、昨今、区分所有者の高齢化や投資用マンションの増加で、理事のなり手不足という問題が健在化したことで、「第三者管理方式」が選択肢として挙がるようになってきました。2022年から一部の管理会社が、新築マンションや管理不全が深刻なマンションに対し「第三者管理方式」での管理を積極的に売り出しています。リゾートマンションや投資用マンションでは既に普及していますが、一般のファミリー向けのマンションへの早期普及は難しいと考えています。その理由は、管理コストが高いことにあります。第三者管理方式は専門家に対価を支払って管理を委ねるため、区分所有者が理事となり自ら管理する場合に比べコストが掛かります。更に、区分所有者は修繕を行うにあたって、相見積もりを取得したり、コンペを実施して、最も経済的合理性が高い業者に発注しますが、第三者は提携業者に発注するため、経済的合理性は大幅に損なわれます。効果的かつ効率的に管理組合を運営するためには、「理事会方式」であることが必須と考えております。また、第三者方式を採用した場合でも、区分所有者の責任が免れるわけではありません。高コストによる不利益は全て、管理費及び修繕積立金の値上げという形で、区分所有者が被ることになります。マンションの資産価値を維持・向上させるためには、従前通り、「理事会方式」を採用すべきであると考えます。

「理事会方式」を採用しつつ、「マンション管理適正評価制度」を有効活用し、管理会社と目標を一にすることで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

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