2026年1月31日土曜日

共用部の管理について


 2026年1月も最終日です。明日からはいよいよ2月に入ります。理事会での協議を活性化させ、管理組合の業務を前に進めていきましょう。今回は共用部の管理責任について説明いたします。



区分所有者とは「区分所有権を有するもの」(区分所有法第2条)と定義されており、マンション内の区画(住戸や店舗)を所有する者を意味します。

所有しているのは自分の専有部(住戸区画)の他、エントランス、エレベータ、廊下、バルコニー、集会室、管理員室、非常階段、宅配ボックスなどの共用部も含まれます。(共用部の持分比率は、専有部の面積比率)

一般的に「マンションを買った」というと、専有部のみをイメージしがちですが、実際は共用部を含んでいることを忘れてはいけません。

専有部の維持管理にかかる費用はもっぱらその区分を所有する者が担いますが、共用部の維持管理(清掃・点検・修繕)にも相応のお金がかかっています。

私たち区分所有者は、毎月管理組合に数万円もの管理費を納めています。

共用部の維持管理にかかるお金は、管理組合が毎月区分所有者から預かっている管理費の中から支払われています。

区分所有者は、共用部の管理のために毎月管理組合に管理費を納めているのです。

区分所有者から預かった管理費の使い道は、大枠を管理組合総会で決定した上で、管理組合理事会が具体的に決めて、管理運営を行っています。

区分所有者は専有部には関心が強い反面、共用部にはほとんど関心がありません。管理も他人(理事)に任せきりで、ほとんど関与していないのが現実です。

しかし、先述の通り、共用部の維持管理費用は区分所有者が負担しております。

区分所有者には、共用部を維持管理する責任があります。「共用部も含め所有している」という意識を持って、何にどの程度の金額が使われているのか、関心を持つようにしましょう。

無駄を排し、効果的かつ効率的に管理を行うことが重要です。清掃、点検、修繕などは、必ず相見積もりを取得し、最もコストパフォーマンスが良い業者に発注することが鉄則です。

「共用部も含めて所有している」という意識を持って、主体的に管理に関与することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2026年1月24日土曜日

管理規約と使用細則

2026年1月も最終週に入ります。お正月も終わり、全国的に寒波が来ておりますが、如何お過ごしでしょうか。管理組合の活動を進めて行く上で、健康が第一であることは言うまでもありません。体調を整えて管理組合の活動を進めていきましょう。今回はマンション管理のルールブックである管理規約と使用細則について説明いたします。

マンションには年齢や職業が異なる様々な背景を持った区分所有者がいます。彼らの利害を調整する根拠となるのが、管理規約(使用細則)になります。何か問題が起きた時はまず、管理規約(使用細則)を確認して、それに沿った形で対処することになります。いわば、マンションのルールブックといえます。


マナー(ペット・騒音・タバコの煙)や、管理費滞納などの問題が生じたときはもとより、緊急時も管理規約に基づいて対応することになります。管理規約の冊子は分かりやすい場所に保管し、常に確認できる状態にしておきましょう。


一般的にマンション竣工にあたり、デベロッパーが管理規約を定めたうえでマンションを販売します。管理規約の冊子は、部屋が売主であるデベロッパーから、買主である区分所有者に引き渡されたときに配布されることが多いと思います。

しかし、内容についてはデベロッパーが全て勝手に決めているわけではありません。ペットの飼育可否など、販売に直結する部分についは、地域の事情を踏まえ、販売しやすい形にしますが、その他ほとんどの部分は、国土交通省が公表している「標準管理規約」がベースに作成しています。

また、私たち区分所有者はデベロッパーが定めた原始規約に未来永劫拘束されるわけではありません。社会情勢の変化によって、人々の生活様式や価値観は変わってきます。管理規約(使用細則)も時代とともに変えていく必要があります。

例えば、ペット飼育可能として販売したマンションであっても、飼育する人のマナーが悪すぎれば、総会決議によって飼育不可に変更となる可能性はあります。逆に、ペット飼育不可のマンションでも社会情勢の変化に応じて、ルール詳細を使用細則に定めた上、飼育可能とすることもできます。

管理規約は全区分所有者の議決権の3/4以上の賛成で、使用細則は過半数の賛成でそれぞれ変更することができます。

区分所有者の社会様式や価値観の変化に応じて管理規約を柔軟に変更することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2026年1月17日土曜日

理事会の運営方法を工夫する

2026年1月も後半に入ります。今年最初の理事会は開催されましたでしょうか?各マンションとも良いスタートを切ることができるよう全力で取り組んでいきましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。


理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一堂に会して行われます。役員は区分所有者が順番で就任しますので、それぞれの方の年齢や職業が違い、ライフスタイルもバラバラです。役員になったものの、土日が出勤である方や、介護をされている方、小さい子供がいる方など、其々事情を抱えた方が、一堂に会し、長時間議論するのは難しい場合があります。

そのような状況で、理事会で効果的かつ効率的に合意形成を行うためには、工夫が必要です。前期から引き継がれた形式を踏襲する必要はなく、今期の役員が出席しやすいような日時に開催しましょう。

土日に理事会を開催するケースも多いと思いますが、場合によっては平日の夜間に設定することも検討してみてください。

また、コロナを経験し、ZoomなどWeb会議システムが普及しておりますので、介護や育児をされていてどうしても手が離せない方にはオンラインで参加頂けるようにするのも良いです。オンラインであれば、出張中の方や、非居住の区分所有者も容易に参加できます。

効果的かつ効率的に合意形成を図るためには、管理会社の協力が不可欠です。会議の場で初めて議案を知るようでは、議案の背景を把握するのが精一杯で、有効な解決策を議論するには至りません。

管理会社には少なくとも1週間前までには、参加者に資料を配布してもらうようお願いして下さい。参加者が事前に資料に目を通した上で会議に参加すれば、会議の場ではポイントのみを協議すれば足りますので、短時間で効率的に合意形成を図ることが可能になります。

必要に応じて、事前の解説や根回しまで済ませておくとより効果的な議論を導くことができます。この点は管理会社の力量にもよりますが、協力頂けるよう依頼してみて下さい。

例年、欠席者もいる中で2~3時間かけて議論していた内容を、運営方法を工夫することで、全員参加の下、30分程度で合意形成を図ることができるようになります。事前準備が大事です。

理事会で効果的かつ、効率的に合意形成を図ることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2026年1月12日月曜日

総会決議を賛成多数で可決させる方法(合意形成)

2026年1月も中旬に入ります。今年最初の理事会が予定されているマンションも多いと思います。12月決算の管理組合では、そろそろ定時総会の準備をする時期でもあります。今回は総会における合意形成について説明いたします。理事会が1年間かけて真剣に協議し総会に上程した議案については、満場一致とはいかなくても、気持ち良く可決されたいものです。



総会では様々な問題が話し合われます。決算承認・予算承認・役員選任など定例の議案は満場一致で承認さえることも多いですが、区分所有者の利害が絡む議案は、総会が紛糾することも多いので対策が必要です。

例えば、管理規約の変更や、機械式駐車場の更新など、区分所有者の生活様式や積立金の値上げに関わる議案は丁寧に対応する必要があります。総会に出席する区分所有者は「物言う反対派(ノイジー・マイノリティ)」と「静かな賛成派(サイレント・マジョリティ)」に大別されます。

前者は多くの場合、少数派(全体の1~3割程度)ですが、大きな声で延々と自説を主張し、議事進行を妨げます。後者は多数派(全体の7~9割程度)ですが、総会で自分の意見を述べることはなく、委任状や議決権行使書で静かに権利を行使する人が殆どです。

総会に出席する「物言う反対派」の主張に引っ張られ、多くの区分所有者が反対しているかのような誤った感覚に陥ることも珍しくありません。

理事会は、マンションの資産価値を維持するため、長期に渡り議論してきた結果を総会に上程しますので、「静かな賛成派」の協力を得て、「物言う反対派」の妨害を阻止し、議事運営を円滑に進めて行く必要があります。

「静かな賛成派」からの協力を得るためためには、日頃から理事会の活動をオープンにしておくことが必要です。区分所有者には理事会の傍聴を認め、広報活動を通じて理事会で決定したことを小まめに報告することなどが考えられます。

「物言う反対派」の妨害を阻止するためには、日頃から区分所有者に対しアンケートを実施し、区分所有者の意向を把握しておくことが必要です。

「物言う反対派」の主張が少数意見であると分かっていれば、総会の場で大声で発言されたとしても、それに動揺したり惑わされることなく、「静かな賛成派」の意向を背景に自信を持って却下することができます。

日頃から理事会活動をオープンにし、「静かな賛成派」の支持を得ることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2026年1月3日土曜日

2026年の管理組合の課題

新年あけましておめでとうございます。2026年も皆さんにとって良い年でありますよう祈念いたします。



2025年10月17日に国土交通省によってマンション標準管理規約が改正されました。これは、2026年4月1日に施行される改正区分所有法に対応するものなので、皆さんの管理組合でも次の定時総会には、法令(区分所有法)等に準拠する形で、管理規約改正議案を、上程する必要があります。

改正の主なポイント

今回の改正では、主に以下の点が変更されました。

  • 総会決議要件の見直し: 特別決議でも出席者の多数決を可能とし、定足数を「過半数」とするなど柔軟化されました。
  • 所有者不明・所在不明対策: 所在不明区分所有者を総会決議から除外できる手続きや、専有部分管理制度の活用規定が新設されました。
  • 管理組合運営の透明化と強化: 国内管理人制度や理事長による損害賠償請求の代理行使、防災・防火管理に関する規定などが整備されました。
  • 修繕積立金の使途明確化: 再生・改良工事などの支出にも充当可能となり、実態に即した運用が可能となりました。
今回の改正は、建物の老朽化や区分所有者の高齢化といった「二つの老い」やグローバル化を背景に、マンションの再生だけでなく、通常の管理における合意形成の困難さへの対応を目的としています。

標準管理規約は法令(区分所有法)に準拠する形で改定されておりますので、各マンションの管理規約もこれに合わせる形で改定すれば問題ありません。

管理規約を実情に合う形で小まめに改定することで、マンションの資産価値を守っていきましょう。

2025年12月28日日曜日

理事の権限を理解しよう

2025年12月もあと5日です。年の瀬ですね。皆さま如何お過ごしでしょうか?昨日が仕事納めの方も多くいらしゃると存じます。一方、大みそかまでお仕事という方もいらっしゃると存じます。一年間おつかれさまでした。2026年も良い年にして参りましょう。今回は理事の権限について説明いたします。

理事は、理事会で管理会社から多くの判断を迫られます。理事会が2ヵ月に1回のペースで開催されると、2ヵ月間に溜まった諸問題について、まとめて判断をすることになります。区分所有者からの苦情や、管理費滞納、日常修繕への対応など多岐に渡ります。

基本的には、総会で承認された予算の範囲で実施することになりますが、マンション内で生じる問題の多くは、其々個別の事情があり、判断が難しこともあります。これを公平性を考慮しながら、解決していくため、理事には大きな裁量が与えられております。




判断が難しい、責任を取りたくないなどの理由で、判断を先送りしてしまう傾向もありますが、判断を遅らせている間に状況は悪化し、問題が大きくなります。マンションの資産価値にも影響が出ますので、そのような対応は好ましくありません。適時に判断することです。

理事は、総会で選任されておりますので、基本的には自信を持って判断することで問題ありません。理事の権限の基盤は区分所有者からの信頼にあります。どうしても困った場合は、「区分所有者の信頼に応えられるか?」という観点で判断しましょう。

区分所有者は理事が管理組合のお金を使って「私腹を肥やしているのではないか?」という疑念を持っています。理事が自らの利益のためではなく、管理組合の為に行動していることを明らかにすることで、区分所有者の疑念を解消すれば全く問題ありません。

理事が判断したことについて、区分所有者に真摯に報告すれば、問題が起こることはありません。理事会の後、主要な議案について報告書を作成しましょう。内容は議事録から抜粋する程度で問題ありません。

区分所有者からの信頼を基盤に、適時適切に判断を行うことによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年12月20日土曜日

管理会社と良好な関係を築こう

2025年12月も最終週に入ります。皆さん如何お過ごしでしょうか。今週は仕事納めという方も多いと思います。年末年始の時間に余裕のあるタイミングで、管理組合の積み残し案件を整理して、良い形で年明けを迎えられるよう進めていきましょう。今回は管理組合の活動をする上でキーポイントとなる「管理会社との関係性」について説明いたします。





マンション内では日々様々な問題が発生しています。どんな問題が生じているか把握し、ひとつずつ解決していく必要があります。但し、管理組合の役員である理事が直接実務を行うわけではありません。ほとんどのことは、管理委託契約に基づき管理会社が実施します。

管理会社は管理組合理事会の決定に基づき管理実務を行います。理事が理事会で管理会社に対し適切な指示を出すことが必要になります。「適切な指示」は何を基準に出せばよいのでしょうか?

マンション管理組合の目的は、「マンションの資産価値の維持向上」にありますので、「マンションの資産価値を維持・向上させるためにはどうすればよいか?」という観点から指示を出す必要があります。

管理会社の担当者は複数のマンションの管理を兼務で担当しています。マンションの規模にもよりますが、7棟から10棟程度兼務していると言われております。1週間のうち自分のマンションの業務に割けるのは1日あるかないかです。

このような状況の下、管理会社は自ら積極的に問題解決に動くことはありません。問題を解決するためには、理事会が積極的にアプローチする必要があります。

マンション内で生じている問題を把握し、解決していくためには、管理会社の担当者とのコミュニケーションが重要になります。

日々、電話やメールで密接に連絡を取り合い、現在マンション内で起こっていることを話し合い、マンションの資産価値を維持・向上させるためにはどうすればよいか?について共通認識を持つことが重要です。

2か月に1回程度程度開催される理事会で、理事が管理会社に適切な指示を出すためには、日頃から、管理会社に対して管理組合の意向を伝え、管理会社からアドバイスをもらうなど、適切に下準備を進めておく必要があります。

管理会社とのコミュニケーションを密にし、良好な関係性を築いていくことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

共用部の管理について

 2026年1月も最終日です。明日からはいよいよ2月に入ります。理事会での協議を活性化させ、管理組合の業務を前に進めていきましょう。今回は共用部の管理責任について説明いたします。 区分所有者とは「区分所有権を有するもの」(区分所有法第2条)と定義されており、マンション内の区画(住...