2026年も10月に入りました。早いもので今年も残すところあと2ヵ月余りとなりました。夏が終わったかと思えば、年末年始がすぐそこまで来ております。管理組合における懸案事項や、積み残し案件はこのタイミングで解決に向けて少しでも前に進めておきましょう。今回は、契約不適合(瑕疵)を発見した際の対応法について説明いたします。
マンションでは、竣工後から第1回目の大規模修繕工事までの間に、共用部分を中心として何らかの不具合が見つかることがあります。その際、管理組合が早い段階で状況を確認し、売主や施工会社に適切に対応を求めることができるかどうかによって、区分所有者が負担する修繕費用に大きな差が生じる場合があるため、注意が必要です。
売主等に補修や責任を求める際の主な根拠としては、分譲時に定められるアフターサービス基準や、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が挙げられます。品確法では、新築住宅のうち、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、売主等に10年間の責任が課されています。
また、アフターサービス基準では、構造躯体は10年、設備や仕上げなどは部位ごとに2年から5年程度の対応期間が定められていることが多く見られます。但し、不具合は必ずしもその期間内に発見できるとは限りません。そのため、対応期間を過ぎたからといって、直ちに売主への責任追及を検討できなくなるとは限りません。
不具合の内容や発生原因、これまでの補修経過などによっては、管理組合として売主に補修や費用負担を求める余地がある場合もあります。もっとも、対応期間経過後は、当初と同じ条件で請求が認められるとは限らず、実際には補修費用の一部負担を含めた協議となることも少なくありません。
このような交渉を進める上では、管理会社の協力が重要になることがあります。但し、管理会社の立場や売主との関係性によって、対応の姿勢や支援の範囲に違いが見られる場合があるため、その点には留意が必要です。
たとえば、管理会社には、売主と資本関係を有する「売主グループ会社系の管理会社」と、売主と資本関係を持たない「独立系の管理会社」があります。
「売主グループ会社系の管理会社」であれば、管理組合としては、売主への対応方針や情報共有のあり方について、より丁寧に確認しながら進めることが大切です。したがって、管理組合としては、売主だけに目を向けるのではなく、管理会社がどのような対応をしていたのかも確認することが重要です。とくに、共用部分の不具合について、管理会社が必要な報告や助言を適切に行っていたかどうかは、大切な確認ポイントになります。
マンションの管理委託契約は、一般に準委任契約としての性格を持つとされ、標準的な管理委託契約書でも、管理会社は善良な管理者の注意をもって管理事務を行う(民法644条)ものとされています。そのため、管理会社が把握し得た不具合情報について、通常期待される報告や対応を怠っていた事情がある場合には、管理組合として管理会社の責任を検討する余地が生じることがあります。
但し、これは一律に決まるものではなく、実際には管理委託契約の内容、委託業務の範囲、点検の実施状況、不具合の性質などを踏まえて個別に判断されます。国土交通省の標準管理委託契約書は、契約締結時の指針となるひな型であり、実際の業務範囲は個別契約で確認する必要があります。
一方で、「独立系の管理会社」は、売主グループ内の利害関係を直接意識せずに対応しやすい面があり、管理組合の立場に沿って支援しやすい場合があります。もっとも、実際の対応は、管理会社の経験、担当者の力量、管理委託契約上の業務範囲などによって異なります。
このため、独立系の管理会社と管理委託契約を締結する際には、契約不適合への対応方針について、あらかじめ確認しておくことが重要です。不具合が見つかった場合に、管理組合の立場に沿って、事実関係の整理、売主への説明要求、必要に応じた専門家との連携まで含めて対応する姿勢があるかどうかは、大切な確認ポイントになります。
仮に、保証期間の経過を理由に、初期段階から対応に消極的な姿勢が見られる場合には、管理組合として期待する支援が受けにくい可能性があります。そのため、管理会社の選定や契約更新の場面では、日常管理の体制だけでなく、不具合発生時の対応姿勢や、顧問弁護士等の専門家と連携できる体制があるかどうかも確認しておくことが望まれます。
契約不適合(瑕疵)への対応について、管理会社の属性や、対応姿勢を十分に見極めた上で、売主への適切な請求と必要な協議を積み重ねることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!









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