2026年5月29日金曜日

管理組合の個人情報保護

2026年5月も最終週に入ります。雨が降る日も増えてきましたね。いよいよ梅雨入りが間近ですが皆さんのマンションでは浸水対策は十分でしょうか?地球温暖化に伴う海水温上昇の影響で全国どこでも局地的豪雨の恐れがあります。止水板や土嚢を準備してマンション内への浸水を防ぐ備えをすすめましょう。今回は個人情報保護について説明いたします。



2015年に個人情報保護法が改正され、2017年5月30日からマンションも同法の対象になりました。個人情報とは生存する個人を特定できる情報のことを指します。マンションでは居住者名簿や、各種議事録などが該当します。

管理組合では通常の管理を行う上で、個人情報を頻繁に取り扱います。災害時の緊急連絡、消防設備点検・排水管清掃での各戸訪問、駐車場の申し込み、賃貸住戸の管理、管理費滞納時の督促などほぼ全ての業務で個人情報を取り扱います。個人情報なしでは管理組合の業務は成り立ちません。


個人情報保護法18条では、個人情報を取得した場合、その利用目的を本人に通知するか公表することが求められております。しかし、個人情報を頻繁に扱う管理組合において、個人情報を取得する都度、本人に通知することは、非常に煩雑で現実的ではありませんので、あらかじめ利用目的を公表しておく必要があります。

公表例
当マンション管理組合は届出により取得した個人情報は以下の目的で利用し、届出者の承諾無しに第三者に開示することはありません。
・理事会議事録の送付、総会招集・議事録の送付、その他管理組合の連絡
・災害時の緊急連絡
但し、次の場合は除きます。(本人の同意がある場合、警察など官公署からの要請の場合、法律の適用を受ける場合)

このようにルールを定め、あらかじめ公表しておくことによって、ほぼ全ての管理組合の業務を従前通りに行うことができます。同法への抵触リスクを都度考慮するなどの煩わしさは無くなります。

また、管理組合としては、個人情報の保管方法に注意する必要があります。(紙資料は鍵付きの場所に保管、データーはパスワードを付して保管、不要になった情報は都度廃棄・消去するなど)

管理組合で取り扱う個人情報は「利用目的の開示」「保管方法の注意」を徹底すれば、特に恐れることはありません。

個人情報保護法を正しく理解し、適切に対応することで、マンションの資産価値を守つていきましょう!

2026年5月22日金曜日

エレベーターの維持管理費用

2026年5月も下旬に入ります。ゲリラ豪雨が全国各地で発生しておりますが、まだ多くの場所では過ごしやすい気候となっております。このタイミングで山積している管理組合の懸案事項を少しでも多く解決に向け進めていきましょう。今回はエレベーターの維持管理コストについて説明いたします。



エレベーターはほとんどのマンションに設置されています。事故防止のため、メンテナンスは頻繁に行われています。

マンション管理費の中で、エレベーターのメンテナンスコストは相当部分を占めています。管理組合としては、安全の確保を第一にしつつ、コストを抑える施策を検討する必要があります。

我が国のエレベーター市場は、三菱、日立、東芝の3社で全体の80%を占めており、これにオースチンとフジテックを加えた5社で独占しております。

これらの「メーカー系」列のメンテナンス業者は他のメーカーのメンテナンスを受注することはなく、メンテナンス市場は競争原理が働きにくい状況にあります。エレベーター1基あたり5~7万円/月程度で高止まりしています。

競争原理を働かせるためには、エレベーターメンテナンスを専業としている「独立系」業者への発注を視野に入れる必要があります。「独立系」業者の経験と実績は「メーカー系」業者と遜色がなく、「独立系」が「メーカー系」に比べ安全性に問題があるということはありません。

「メーカー系」から「独立系」に変更することで、コストは30%程度削減できると言われています。(独立系のメンテナンス費用は、エレベーター1基あたり4万円~/月程度です。)

エレベーターメンテナンスの契約形態には、「フルメンテナンス契約」と「POG(パーツ、オイル、グリース)契約」があります。

前者は部品交換を伴う修理代を含む契約であるのに対し、後者は保守点検に必要な消耗品代のみ含む契約になります。竣工後間もないマンションでは、エレベーターの故障はほどんど生じないため、POG契約で十分であると言われております。

「メーカー系」業者と「フルメンテナンス契約」を結ぶ場合と、「独立系」業者と「POG契約」を結ぶ場合では、メンテナンスコストに大きな差が出ます。「メーカー系」業者は競争原理が働かないことが問題です。

竣工以来「メーカー系」業者と契約している場合は、一度「独立系」業者から見積を取得し、比較することをお勧めします。自分たちのマンションが必要とするサービスを良く見極めることが重要です。

コストに見合ったエレベーターメンテナンスサービスを受けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2026年5月15日金曜日

専有部と共用部の境目を理解しよう

2026年5月も中旬に入ります。ゴールデンウイークも終わり、新年度における業務が本格化して参ります。気候も良いので、マンション管理組合でもこのタイミングで懸案事項を解決に向け少しずつ前に進めていきましょう。今回は、専有部と共用部の境目について説明いたします。



専有部と共用部の境界は、管理や修繕における責任の所在や、費用負担の観点で非常に重要になります。各マンションによって考え方は異なりますが、概ね、国土交通省が公表しているマンション標準管理規約に準拠して決めていることが多いです。先ずは、管理規約でどのように決められているか確認しましょう。

マンション標準管理規約第7条(専有部分の範囲)
2前項の専有部分を他から区別する構造物の帰属については、次のとおりとする。
一 天井、床及び壁は、躯体部分の除く部分を専有部分とする。
二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。
三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。
※マンション専有・共用区分図の例(国土交通省「マンション標準指針」69ページ)



バルコニー、窓ガラス、玄関扉は共用部に帰属することになります。従って、管理や修繕における費用負担は、管理組合となるのが一般的です。バルコニーの防水工事や、玄関扉の交換工事は、通常、長期修繕計画に含まれており、管理組合の積立金で行います。

一方、これらは管理規約で専用使用権が付いているため、窓ガラスや網戸の破損については、日常管理の位置づけで、専用使用権を有する区分所有者の責任と費用で行うことになります。

専有部と共用部の境目及び、共用部部に付された専用使用権を正しく理解し、管理組合と区分所有者が其々の責任と負担で、適切に管理を行うことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2026年5月7日木曜日

複合用途型の特徴と対策について

2026年も5月に入りました。大型連休に入りましたが皆さま如何お過ごしでしょうか?管理組合には課題が山積しております。連休中に思案を巡らし、連休明けの理事会に備えましょう。今回は複合用途型(マンションと商業施設)区分所有建物の特徴と対応策について説明いたします。



全体共用部の管理費・修繕積立金の負担割合は、専有部分の床面積の割合(区分所有法第14条1項)をベースに管理規約で定められています。マンションと商業施設の負担割合は普段あまり意識されないかもしれませんが、大きなお金が動く大規模修繕工事のタイミングで、問題が浮き彫りになることがあります。

大規模修繕工事の見積書を取得したところ、見積額が積立額を大きく超過しており、その原因が、商業施設の通路(全体共用部)にアーケードのような形で設置されている庇(ひさし)であることが判明しました。

商業施設の顧客を雨から守るための庇ですが、全体共用部に設置されている以上、規約で特段の定めがない限り、専有面積の割合でマンション区分所有者も負担することになります。

マンション区分所有者の立場からすると、商業施設のための設備であるにも関わらず、マンション管理費(又は、修繕積立金)から修繕費を支出することには抵抗があります。

一方、商業施設区分所有者の立場からすると、集客のために重要な設備であるにも関わらず、修繕を行うためには、マンション区分所有者の同意が必要なことに疑問を感じます。

費用の負担割合は、原則専有部分の床面積の割合(同法14条1項)になりますが、形状、面積、位置関係、使用目的及び、利用状況並びに、区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者の利害の衡平が図られるよう(同30条3項)、管理規約で定める(同30条1項)ことができます。

この問題は、庇が商業施設の顧客のための設備であるにも関わらず、管理規約に区分所有者の衡平が図られるような規定を設けていない点で、管理規約の不備が原因と考えられます。

マンションと商業施設は目的が異なるため、区分所有者間の利害は基本的に一致しません。

区分所有者の利害の衡平が図られるような規約を設けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

居住者からの苦情への対応

2026年6月も中旬に入ります。梅雨の晴れ間もありますが、各地で雷と局地的豪雨が発生しております。地方自治体が公表しているハザードマップを確認し、浸水の可能性が高い地域では、浸水対策を施しましょう。今回は居住者から管理組合へ苦情の申し立てがあった場合、理事会としての対応方法につい...