2025年12月13日土曜日

管理組合の年間スケジュール

2025年12月も後半に入ります。今年もあと残り僅かです。積み残し案件はありませんでしょうか?これを機に管理組合の年間スケジュールについて確認しておきましょう。

12月決算のマンションではこれから年明け以降に定時総会があります。総会の後、新メンバーによる理事会を開催し、翌年1月までの間、1~2か月に1回の頻度(年6回~8回程度)で理事会が開催されます。

マンションでは日々様々な問題が生じます。前回の理事会終了後に生じた苦情(騒音・タバコ・ペット)や劣化に伴う設備不具合への対応をまとめて協議して、注意喚起文の掲示や、日常修繕の実施などを決めていきます。



※管理組合の年間スケジュール(12月決算)
2月 定時総会で、決算・予算が承認され、役員が選任される
3月 第1回定例理事会で、前任者からの引継ぎを受け、役職を互選で決める
5月 第2回定例理事会で、防災訓練などを企画し、有事や災害に備える
7月 第3回定例理事会で、夏祭りなどを企画し、区分所有者の交流を深める
9月 第4回定例理事会で、自薦他薦で次期役員候補者を募る
11月 第5回定例理事会で、クリスマス会など交流を深めるイベントを企画する
1月 第6回(総会前最後の)理事会で、決算案・予算案・次期役員案を決める 

苦情や不具合は定期的に発生しますので、上記のようなスケジュールを組んで、理事会を定期的に開催していく必要があります。

特に、竣工後10年以上経つマンションでは、劣化に伴う不具合が高い頻度で発生しますので、その点留意が必要です。

また、近年では気候温暖化に伴う水害(局地的な大雨による浸水被害など)が全国的に発生しているため、自然災害への備えや対応も重要になっております。

適切な頻度で理事会を開催し、絶えず生じる諸問題に対し、適切に対応することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年12月6日土曜日

理事の役割を理解しよう。

2025年も12月に入りました。師走に突入しましたが、皆さま如何お過ごしでしょうか?マンション毎に課題は異なりますが、どこの管理組合にも懸案事項はあると思います。今年のうちに、解決の目途をつけておきましょう。今回は理事の役割について説明いたします。




理事は「総会での決定事項に基づき業務執行を行う」役割を担っていますが、実際に現場で仕事をするのは、管理会社になります。

それを踏まえると理事の業務執行の内容は、同じく総会で選任された監事のチェックを受けながら、「管理会社に適切な指示を行う」ことになります。

理事の役割は、管理会社を通じて業務執行をすることになります。理事がマンション管理業務(事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物設備業務など)を適切に執行するためには、管理会社との関係性が大変重要になります。

管理会社の担当者(フロント担当)は、複数のマンションの管理組合を担当しています。

管理組合と関係性が薄く、疎遠になると、自分たちのマンションに対して時間を割いてもらうのは難しくなります。

すべて管理会社任せにして放っておくと、他のマンションの業務を優先され、自分たちのマンションの業務が後回しになり、気付いたら前回の理事会以降、何の進捗も無かったということも考えられます。

理事の一番の役割は、管理会社の担当者と良好な関係を築くことにあります。

良好な関係を築いた上で、管理会社の担当者から適切なアドバイスを受けるとともに、適切に指示を出すことで、マンション管理業務が円滑に進んでいくことになります。

理事には管理会社から対価に見合ったサービスを引き出すことが求められています。しかし、管理会社の担当者も人間です。苦情をぶつけるだけでは愛想を尽かされてしまいます。

良い仕事をしてもらったときは感謝の意を伝え、時にはちょっとした贈り物(もちろん理事個人の自腹ですが)をしてみると良いと思います。次第に自分たちのマンションの優先順位が上がってきます。

理事の役割を正しく理解し、管理会社に気持ち良く仕事をしてもらうことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年11月29日土曜日

監事の役割を理解しよう。

2025年11月も残すところ今日を入れてあと2日。いよいよ師走ですね。早いものです。管理組合では区分所有者及び、居住者のために多くの案件を取り扱っています。積み残し案件は、できる限り今年のうちに解決の道筋をつけていきましょう。今回は管理組合役員の「監事」について説明いたします。

監事」は「理事」と同様、管理組合の役員であり、総会で選任されます。しかし、理事とは役割が異なりますので、その点認識が必要です。





監事は総会で行われる「監査報告」の中で、「貸借対照表・収支計算報告書は適正と認めます。理事の業務執行について不正行為や、規約に違反する事実はありません。」と述べます。これは監事の役割である「会計監査」と「業務監査」の結果を区分所有者に報告するものになります。

会計監査→決算書(貸借対照表と収支計算書)が適正

業務監査→理事の業務執行が適切

監事は、決算書と理事の業務執行の適否を区分所有者に報告する義務を負っています。決算が適正であるというのは分かりやすいですが、「理事の業務が適切」とはどういうことでしょうか?

理事は区分所有者から預かった管理費と修繕積立金を使用して、日々業務執行を行っています。理事が管理組合のために業務を発注する際、安い金額でできるよう交渉しますが、理事が経営する会社に発注しているような場合は、「理事が自らの利益を優先させているのではないか?」という疑念が生じます。

そのような場合、理事と管理組合は利益相反の関係にあることになります。監事が利益相反取引に気づいた場合は、管理組合の財産を保全するため、一旦、取引を停止する必要があります。

取引に至った経緯や、取引額について精査し、精査の結果、特に問題が認められなかった場合でも、区分所有者に疑念を抱かせる行為は慎むよう指導することが求められます。管理組合の財産を保全するため、監事は重要な役割を担っています。

監事の役割を正しく理解し、チェック機能を働かせることで、マンションンの資産価値を守つていきましょう!


2025年11月22日土曜日

管理会社から対価に見合ったサービスを受ける

2025年11月も最終週に入ります。年末年始もすぐそこです。クリスマス、正月はあっというまに過ぎ去ってしまいます。管理組合で課題の積み残しがあるマンションは、今年中に解決できるよう取り組んでいきましょう。今回は管理会社から受けるサービスについて説明いたします。

管理会社は大きなトラブルが無い限り、竣工時から変わっていないことが多いと思います。毎年定時総会で、「管理委託契約締結」議案を承認することで、管理委託契約が更新しております。総会の時に「重要事項説明書」が配布されます。重要事項説明書には管理組合と管理会社が締結している管理委託契約の内容が記載されております。




重要事項説明書に記載されている内容は、基本的に毎年同じですが、一度内容を精査してみましょう。管理会社に委託している業務は以下の4つに大別されます。

事務管理業務(管理担当者に対する報酬)

管理員業務(管理員に対する報酬)

清掃業務(清掃員に対する報酬)

建物・設備業務(各種点検作業員に対する報酬)

ほとんどが管理会社の社員や管理会社の下請け業者に対する人件費で構成されております。マンション共用部の管理には多くの人が関わっていることが分かります。事務管理業務、管理員業務、清掃業務はその仕事ぶりを具体的に目にすることが多いので、対価に見合ったサービスを受けられているかイメージしやすいですが、建物・設備業務にも意外と多くのお金がかかっています。昨今の賃上げや物価高の影響を受け管理委託費も値上げの傾向にあります。

これらは電気、空調、給排水、エレベーター、機械式駐車場などの点検費用が中心になります。各種点検の内容や頻度については、管理会社にヒアリングして精査する必要があります。

本当に必要な点検なのか?決められた頻度で実際に行われているのか?改めて確認する必要があります。内容に疑問があれば、管理会社に質問し、不備があれば改めていきましょう。(不要なものは削減)

重要事項説明書は管理委託費の内訳明細になります。区分所有者が注視していることを示すだけでも、管理会社に対する牽制になります。ノーチェックで承認することが無いようにしましょう。

管理委託契約の内容を把握し、対価にに見合ったサービスを受けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年11月15日土曜日

新しい生活様式を取り入れる

2025年11月も後半に入ります。早いもので今年も残り僅かとなりました。管理組合では通常多くの案件を抱えております。未解決案件については極力年内に目途が立つよう取り組んでまいりましょう。今回はコロナ後の新しい生活様式について説明いたします。

新型コロナが普通の感染症になってから、早くも2年半が経過します。コロナを機に新しい生活様式を取り入れた管理組合がある一方、ほとんど手を付けていない管理組合も多いと思います。コロナを機にマンションの管理が2極化している状況です。



コロナ対策の生活用式は、管理組合の活動に親和性が高く、新しい生活様式を積極的に取り入れたマンションと、取り入れていないマンションとでは、今後、管理組合の活動に大きな差が出ます。

効果的かつ効率的にマンションの管理を行い、資産価値を維持していくためには、このタイミングで新しい生活様式を積極的に取り入れていく必要があります。

集会室に一同に会し会議をするのではなく、各住戸から会議に参加できるようにする取り組みは、新型コロナの感染拡大を防止する目的でスタートしましたが、コロナ禍でインフラ整備を整えたマンションは、コロナが過ぎ去った後も、効果的かつ効率的に管理組合を運営することができています。

・会議の開催方法を「リアル」から「リモート」へ変更する

・会議資料の配布を「紙」から「電子データ」へ変更する

集会室にリモート会議ができるインフラ(Wi-Fi、ノートパソコン、マイク、スピーカーなど)を整備するとともに、資料の電子データ(PDF)化を進めていく必要があります。

リモートでの参加が難しい方もいますので、先ずは、リモート参加とリアル参加の併用からスタートし、有事の際は全員リモートで参加できる体制を構築しましょう。

管理組合の予算に「Afterコロナ費用」(新生活様式対応)枠を確保し、積極的に進めていく必要があります。

Afterコロナの取り組みを行うことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年11月8日土曜日

Afterコロナのマンションの苦情について

2025年11月も中旬に入ります。早いもので街はクリスマス仕様になっております。年末年始もすぐそこですね。管理組合で今年発生した問題は、可能な限り今年のうちに解決できるよう進めて参りましょう。今回はコロナ後に管理組合に寄せられる区分所有者からの苦情について説明たします。

コロナ禍を経て、リモートワークが普及するなど、マンションの生活様式が一変しました。コロナ前は日中マンションに居なかった方の多くが、マンションの中で在宅勤務をしております。日中におけるマンション内の人口密度は皆さんが考えている以上に高い状態となっております。



一方、以前からどこのマンションでも生じる3大苦情(タバコ・騒音・ペット)はコロナ以降も同様に生じています。苦情の原因を作る側も、被害を受ける側も人数が増えているので、トラブルになりやすい状況にあります。

コロナ前は勤務先の喫煙室でタバコを吸っていた人が、Afterコロナはマンション内の自室で吸います。窓を開けて吸う場合でも、窓を閉め換気扇の下で吸う場合でも、タバコの煙はバルコニーや廊下など共用部に流れていきます。

コロナ前は夜に洗濯していた方も、Afterコロナは日中に洗濯してバルコニーに干します。近隣住戸のタバコの煙が共用部を通じて流入し、洗濯物に付着するトラブルが想定されます。

ペットを散歩させるとき、どうしてもエレベーターやエントランスなど共用部を通ります。Afterコロナは、日中マンション内の人口密度が高くなるため、ペットを連れた状態で多くの住民とすれ違います。動物嫌いの住民と接する機会が増えることによるトラブルが想定されます。

生活音は人口密度に応じて発生するため、日中の在宅率が上がるAfterコロナは、騒音トラブルの増加が想定されます。

人口密度が高いと、ストレスも高くなりますので、予期せず大きなトラブルに発展する可能性があります。このような問題が生じた時は、直接苦情を言うのではなく、理事や、管理会社に相談するところから始めましょう。

相談を受けた理事や管理会社は、Afterコロナ特有の事情を周知する文書を作成し、掲示・投函します。トラブルが起こりやすい状況になっていることを、住民に周知することが必要です。

Afterコロナも快適な居住空間を保つことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年11月1日土曜日

マンションの感染症対策

2025年も11月に入りました。早いもので今年も残すところあと1ヵ月余りです。皆さんのマンションでは積み残し案件はありませんか?多くのマンションでは課題山積だと思います。年内に少しでも解決できるよう全力を尽くしましょう。今回はマンションの感染症対策について説明いたします。




新型コロナウイルスが終息し2年半が経過しました。最近は多くの人がマスクを外して外出するようになりました。世界的にも一巡し、感染しても軽症のケースが多く、コロナを恐れる必要はほぼ無くなったといっても過言ではないようです。

しかし、コロナの他にも感染症はあります。コロナ禍での経験を教訓とし、いつどのような感染症が発生しても対応できるよう、管理組合として備えを万全にしておく必要があります。

感染症が発生した場合、管理組合は、管理会社と協力し、マンション内の集団感染を防いでいく必要があります。先ず、居住者の皆様に以下の内容を周知し注意喚起を促します。

・居住者、スタッフ(フロント・清掃・点検など)の安全確保

・除菌の徹底(インターホン、エレベータのボタン、ゴミ捨て場のドアノブ等)

・スタッフの時差出勤、勤務時間変更(体調不良時の出勤見合わせ等)

・住戸内に立ち入りが必要な点検(消防設備点検・排水管清掃等)の延期

・理事会、総会の開催延期又は、リモートでの実施

マンション内にはコロナ禍で厚生労働省が注意喚起した3つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)が存在(エレベーター、エントランス、ゴミ捨て場等)します。集会室で行われる理事会や総会は、その典型になります。密閉空間にならないよう、広い場所を確保した上で窓を開けてるなど換気にも気を配りましょう。

密集場所にならないようリモートで参加できる環境を整え、リモートでの参加を促しましょう。密接場面とならないよう、事前に書面で説明や意見収集を済ませ、当日は最終的な意思確認に限るなど、運営方法を工夫しましょう。

マンションによっては、これらの対策が難しいこともあると思います。国土交通省が公表している標準管理規約では、年1回の開催が義務付けられています(第42条)が、感染症がまん延している状況で、従来通りの方法で総会を強行することを求めるものではありません。総会を管理会社の事務所や理事長の自宅で開催し、区分所有者には議決権行使書又は、委任状(書面)で意思表示頂く方法もあります。

また、感染症が終息するまで、総会を延期しても法令違反とならないとする法務省の見解も出ております。

理事会や総会は、感染拡大防止策を取った上で、「3つの密」を防ぐ形で実施するか、延期することが求められます。

感染症対策を徹底する一方で、区分所有者(居住者)の中に保健所から自宅療養を指示されている方がいる可能性もあるため、区分所有者のプライバシーにも配慮が必要になります。

緊急時に適切な対応ができる体制を整えておくことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

管理組合の年間スケジュール

2025年12月も後半に入ります。今年もあと残り僅かです。積み残し案件はありませんでしょうか?これを機に管理組合の年間スケジュールについて確認しておきましょう。 12月決算のマンションではこれから年明け以降に定時総会があります。総会の後、新メンバーによる理事会を開催し、翌年1月ま...