2025年4月5日土曜日

個人情報の保護について


2025年も4月に入りました。新年度がスタートいたしました。いままで滞っていた案件も多々あると存じます。これを機に前に進めていきましょう!今回はマンションの個人情報の保護について説明いたします。



2015年に個人情報保護法が改正され、2017年5月30日からマンションも同法の対象になりました。個人情報とは生存する個人を特定できる情報のことを指します。マンションでは居住者名簿や、各種議事録などが該当致します。

管理組合では通常の管理を行う上で、個人情報を頻繁に取り扱います。災害時の緊急連絡、消防設備点検・排水管清掃での各戸訪問、駐車場の申し込み、賃貸住戸の管理、管理費滞納時の督促などほぼ全ての業務で個人情報を取り扱います。個人情報なしでは管理組合の業務は成り立ちません。

個人情報保護法18条では、個人情報を取得した場合、その利用目的を本人に通知するか公表することが求められております。しかし、個人情報を頻繁に扱う管理組合において、個人情報を取得する都度、本人に通知することは、非常に煩雑で現実的ではありませんので、あらかじめ利用目的を公表しておく必要があります。

公表例
当マンション管理組合は届出により取得した個人情報は以下の目的で利用し、届出者の承諾無しに第三者に開示することはありません。
・理事会議事録の送付、総会招集・議事録の送付、その他管理組合の連絡
・災害時の緊急連絡
但し、次の場合は除きます。(本人の同意がある場合、警察など官公署からの要請の場合、法律の適用を受ける場合)

このようにルールを定め、あらかじめ公表しておくことによって、ほぼ全ての管理組合の業務を従前通りに行うことができます。同法への抵触リスクを都度考慮するなどの煩わしさは無くなります。

また、管理組合としては、個人情報の保管方法に注意する必要があります。(紙資料は鍵付きの場所に保管、データーはパスワードを付して保管、不要になった情報は都度廃棄・消去するなど)

管理組合で取り扱う個人情報は「利用目的の開示」「保管方法の注意」を徹底すれば、特に恐れることはありません。

個人情報保護法を正しく理解し、適切に対応することで、マンションの資産価値を守つていきましょう!

2025年3月29日土曜日

エレベーターのメンテナンスコスト


2025年3月も終わりです。いよいよ新年度ですね。希望に胸を膨らませ新しい環境に進まれる方も多いと存じます。管理組合の活動も心機一転積極的に前に進めていきましょう!今回はエレベーターのメンテナンスコストについて説明いたします。



エレベーターはほとんどのマンションに設置されています。事故防止のため、メンテナンスは頻繁に行われています。マンション管理費の中で、エレベーターのメンテナンスコストは相当部分を占めています。管理組合としては、安全の確保を第一にしつつ、コストを抑える施策を検討する必要があります。

我が国のエレベーター市場は、三菱、日立、東芝の3社で全体の80%を占めており、これにオースチンとフジテックを加えた5社で独占しております。これらの「メーカー系」列のメンテナンス業者は他のメーカーのメンテナンスを受注することはなく、メンテナンス市場は競争原理が働きにくい状況にあります。エレベーター1基あたり5万円/月程度で高止まりしています。

競争原理を働かせるためには、エレベーターメンテナンスを専業としている「独立系」業者への発注を視野に入れる必要があります。「独立系」業者の経験と実績は「メーカー系」業者と遜色がなく、「独立系」が「メーカー系」に比べ安全性に問題があるということはありません。

「メーカー系」から「独立系」に変更することで、コストは30%程度削減できると言われています。(独立系のメンテナンス費用は、エレベーター1基あたり3.5万円/月程度です。)

エレベーターメンテナンスの契約形態には、「フルメンテナンス契約」と「POG(パーツ、オイル、グリース)契約」があります。前者は部品交換を伴う修理代を含む契約であるのに対し、後者は保守点検に必要な消耗品代のみ含む契約になります。竣工後間もないマンションでは、エレベーターの故障はほどんど生じないため、POG契約で十分であると言われております。

「メーカー系」業者と「フルメンテナンス契約」を結ぶ場合と、「独立系」業者と「POG契約」を結ぶ場合では、メンテナンスコストに大きな差が出ます。「メーカー系」業者は競争原理が働かないことが問題です。

竣工以来「メーカー系」業者と契約している場合は、一度「独立系」業者から見積を取得し、比較することをお勧めします。自分たちのマンションが必要とするサービスを良く見極めることが重要です。

コストに見合ったエレベーターメンテナンスサービスを受けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年3月22日土曜日

専有部と共用部の境界について


2025年3月も最終週に入ります。いよいよ今期も終わりですね。入学・入社のタイミングになります。気持ちを新たに管理組合の活動を進めていきましょう。今回は専有部と共用部の境界について説明いたします。



専有部と共用部の境界は、管理や修繕における責任の所在や、費用負担の観点で非常に重要になります。各マンションによって考え方は異なりますが、概ね、国土交通省が公表しているマンション標準管理規約に準拠して決めていることが多いです。先ずは、管理規約でどのように決められているか確認しましょう。

マンション標準管理規約第7条(専有部分の範囲)
2前項の専有部分を他から区別する構造物の帰属については、次のとおりとする。
一 天井、床及び壁は、躯体部分の除く部分を専有部分とする。
二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。
三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。
※マンション専有・共用区分図の例(国土交通省「マンション標準指針」69ページ)



バルコニー、窓ガラス、玄関扉は共用部に帰属することになります。従って、管理や修繕における費用負担は、管理組合となるのが一般的です。バルコニーの防水工事や、玄関扉の交換工事は、通常、長期修繕計画に含まれており、管理組合の積立金で行います。

一方、これらは管理規約で専用使用権が付いているため、窓ガラスや網戸の破損については、日常管理の位置づけで、専用使用権を有する区分所有者の責任と費用で行うことになります。

専有部と共用部の境目及び、許容部に付された専用使用権を正しく理解し、管理組合と区分所有者が其々の責任と負担で、適切に管理を行うことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年3月15日土曜日

複合用途型の注意点

2025年3月も後半に入ります。そろそろ桜の季節ですね。雨の季節までもう少しです。今年も全国で局地的な豪雨が予想されております。内水氾濫に不安のあるマンションでは、自治体が公表しているハザードマップを参考に、今のうちから治水対策を進めていきましょう。今回は複合用途型(マンションと商業施設)区分所有建物における注意点について説明いたします。



全体共用部の管理費・修繕積立金の負担割合は、専有部分の床面積の割合(区分所有法第14条1項)をベースに管理規約で定められています。マンションと商業施設の負担割合は普段あまり意識されないかもしれませんが、大きなお金が動く大規模修繕工事のタイミングで、問題が浮き彫りになることがあります。

大規模修繕工事の見積書を取得したところ、見積額が積立額を大きく超過しており、その原因が、商業施設の通路(全体共用部)にアーケードのような形で設置されている庇(ひさし)であることが判明しました。

商業施設の顧客を雨から守るための庇ですが、全体共用部に設置されている以上、規約で特段の定めがない限り、専有面積の割合でマンション区分所有者も負担することになります。

マンション区分所有者の立場からすると、商業施設のための設備であるにも関わらず、マンション管理費(又は、修繕積立金)から修繕費を支出することには抵抗があります。

一方、商業施設区分所有者の立場からすると、集客のために重要な設備であるにも関わらず、修繕を行うためには、マンション区分所有者の同意が必要なことに疑問を感じます。

費用の負担割合は、原則専有部分の床面積の割合(同法14条1項)になりますが、形状、面積、位置関係、使用目的及び、利用状況並びに、区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者の利害の衡平が図られるよう(同30条3項)、管理規約で定める(同30条1項)ことができます。

この問題は、庇が商業施設の顧客のための設備であるにも関わらず、管理規約に区分所有者の衡平が図られるような規定を設けていない点で、管理規約の不備が原因と考えられます。

マンションと商業施設は目的が異なるため、区分所有者間の利害は基本的に一致しません。

区分所有者の利害の衡平が図られるような規約を設けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年3月8日土曜日

施工業者の選定に競争原理を働かせる


2025年3月も中旬に入ります。気候も安定しそろそろ桜の季節になります。皆さま如何お過ごしでしょうか?管理組合はどこも懸案事項が山積しております。豪雨の季節が来る前に少しでも諸案件を前に進めましょう。今回は大規模修繕工事の業者選定について説明いたします。




マンション管理費や修繕積立金から修繕費用を支出する場合は、相見積もりを取って施工業者を決めるのが原則です。大規模修繕工事は億単位のお金が動くため、施工業者を選定するにあたっては、適性にコンペを行い、最もコストパフォーマンスの良い業者に依頼することが求められます。


大規模修繕工事では巨額のお金が動くため、関係する業者(管理会社・設計監理会社・施工業者)の間で「談合」が行われ、「リベート」が支払われることが多いと言われております。施工業者の選定に影響力を持つ設計監理会社が、リベートを受け取ったり、設計監理会社の選定に影響力を持つ管理会社がリベートを受け取ることが考えられます。

「リベート」といっても、区分所有者にはあまり馴染みがない言葉かもしれません。しかし、「リベート」の原資は、修繕積立金であり、それを負担しているのは、区分所有者であることは言うまでもありません。自らが「リベート」を拠出しているかもしれないことを強く意識し、対策を施す必要があります。「リベート」を防げば、その分修繕積立金の拠出額は減ります。

業者選定を管理会社や設計監理会社に丸投げしてはいけません。管理会社や設計監理会社は自らに都合の良い「見積参加条件」を設け、自らが首謀する「談合」に参加しない業者を巧みに排除している可能性があります。

「談合」に参加しない業者を1社でもコンペに参加させることができれば、「談合」は成立しません。仮に、管理会社や設計監理会社に業者選定の大枠を任せる場合でも、決して丸投げはせず、彼らが設けた「見積参加条件」を満たさない業者の中から数社をコンペに参加させることが必要です。

また、管理会社や設計監理会社に「リベートを一切受け取らない旨、万一リベートを受け取ったことが発覚した場合は、違約金を支払う旨」宣言させることも有効です。

大規模修繕工事の業者選定にあたり、競争原理を有効に働かせることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年3月1日土曜日

ペット飼育のルールを理解しよう


2025年も3月に入りました。寒波がおさまってくると今度は局地的な豪雨の季節です。あと数ヶ月ありますので、今では全国どこでも起こりうる「内水氾濫」に備え、対策をしましょう。今回はペットの飼育ルールについて説明いたします。

近年、室内でペットを飼育する方が増えてきたこともあり、マンションにおけるペット飼育のルールも少しずつ変わってきています。2018年国土交通省のマンション総合調査(163ページ参照)によると、ペットの飼育を容認するマンションが49.3%あるのに対し、ペットの飼育を禁止するマンションが40.3%となっております。

2000年を境にペットの飼育を容認する方が多くなりました。今ではマンションでペットを飼育することはスタンダートになっております。

このような社会情勢の変化を受け、現在では使用細則で飼育のルールを明確に定めた上で、ペットの飼育を容認するのが、マンションの資産価値にも良い影響があると考えられています。

使用細則で定めるルールの例
・飼育条件⇒犬・猫・観賞用の小鳥・魚類など、種類と1戸あたりの飼育数上限を定める。
・遵守事項⇒飼育場所は専有部分のみとし、専有部分を出るときは専用の容器に入れる。
・届出義務⇒「ペット飼育承認申請書」を管理組合に提出し、理事会の承認を得る。
・罰則規定⇒他の居住者に迷惑をかける場合は、警告・指示・勧告・承認取消を行う。

このようにルールを明確に定めることで、ペットを飼いたい人と、動物が苦手な方が、其々安心して居住することが可能になります。

ペットが苦手な方にも配慮した飼育ルールを使用細則に定め、飼育者に適切に順守頂くことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2025年2月23日日曜日

インターネット掲示板を有効活用する

2025年2月も最終週に入ります。寒い日が続いておりますが、春はすぐそこまできています。今年に入ってから2回目の理事会を迎える管理組合も多いと思います。懸案事項は解決に向け積極的い進めていきましょう。今回はインターネット掲示版について説明いたします。




マンションには多くの周知や告知の文書があります。これらは紙に印刷され、エレベーター内や、エントランスに掲示されたり、各戸に投函されたりします。掲示は細かな部分まで把握することが難しい一方、各戸投函はその都度コストと労力がかかります。これを補完するコミュニケーションツールが、インターネット掲示板です。紙による掲示や投函を廃止することは難しいですが、紙と併用することで、効果的かつ効率的な周知や報告をすることができます。

インターネット掲示板の主な機能
掲示板⇒区分所有者や居住者が適時に詳細を確認でき、紙と印刷コストを削減できる。
意見箱⇒区分所有者や居住者から管理組合や管理会社へ質問しやすくなる。(意見収集機能)
書庫⇒管理規約、議事録、長期修繕計画書などを紙で保管する必要がなくなる。
スケジュール⇒年間行事や大規模修繕工事の流れをいつでも確認することができる。

「必要な時に、必要な情報を確認することができる」点がインターネット掲示板のメリットです。また、WEBサイト上でのやり取りになるので、利用者(区分所有者・居住者)が電話番号やメールアドレスなどの個人情報を開示する必要が無い点で、プライバシーやセキュリティ保護の観点からもメリットがあります。

インターネット掲示板は、マンション管理適正化推進センター(国土交通大臣指定)が運営する「マンションみらいネット」(年間使用料2万円)や、ニュースビット社が運営する「マンボー」(使用料無料)などがあります。

プライバシーやセキュリティに配慮しつつ、効果的かつ効率的な情報伝達手段を確保することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

個人情報の保護について

2025年も4月に入りました。新年度がスタートいたしました。いままで滞っていた案件も多々あると存じます。これを機に前に進めていきましょう! 今回はマンションの個人情報の保護について説明いたします。 2015年に個人情報保護法が改正され、2017年5月30日からマンションも同法の対...