2021年も5月に入りました。新型コロナウイルスは第4波が勢いを増し、3回目の緊急事態宣言に入っております。管理組合は総会の時期になりますので、感染拡大防止策を徹底して臨みましょう。
今回は大規模修繕工事の周期について考えます。大規模修繕工事とは、マンションの外側に足場を組む必要がある大掛かりな工事で、長期修繕計画で一般的に10年から15年周期組まれています。国土交通省の調査では、大規模修繕工事1回あたり、100万円/戸程度かかると言われており、第1回目の工事をいつ行うかは、第2回目以降の工事スケジュールにも影響を及ぼすため、慎重に検討する必要があります。
第1回目の工事は外壁(タイル)の補修や、防水工事が中心になります。タイルの浮きや、水漏れがある場合は、長期修繕計画を前倒し、竣工後10年未満でも行う必要がある一方、タイルや防水の状態が良い場合は、竣工後20年程度まで引き延ばすことができます。前者の場合は10年周期、後者の場合は20年周期となり、工事費総額は2倍近くも差が出ます。
タイルの浮きや、水漏れがあり、長期修繕計画を前倒しを余儀なくされる場合は、その原因は引き渡し前の施工不良に原因があると考えられます。設計監理会社(大規模修繕のコンサル会社)の協力を得て、売主に責任を追及しましょう。このような場合に区分所有者の皆さんからお預かりしている修繕積立金で工事費用を賄うと、将来の財政が枯渇してしましますので注意が必要です。
一方、タイルの浮きや防水の状態が良い場合は、長期修繕計画通りに工事を進めるはありません。設計管理会社(大規模修繕のコンサル会社)の協力を得て、工事周期の延長を検討しましょう。近年の技術革新により工事素材の質が向上しており、素材の耐用年数は想像以上に伸びています。長期修繕計画策定時は15年周期と想定していたものの、実際には20年周期に伸ばすことが可能な場合もあります。細かな不具合を日常修繕で積極的に補修することで、大規模修繕工事を先に延ばし、工事費総額を大幅に削減することができます。
そのためには、管理会社や設計監理会社に対し、「不要不急の工事を行わず、修繕積立金を充実させる」という管理組合の基本的な考え方を日頃から伝えておくことが重要です。
可能な限り大規模修繕工事の周期を長くし財政を充実させることでマンションの資産価値を守ってい行きましょう!
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