2024年3月30日土曜日

管理組合の目的をあらためて確認しよう!

2024年3月もあと1日となりました。いよいよ4月ですね。5月にかけて過ごしやすい季節になりますので、この機会に管理組合を活性化させていきましょう。今回は管理組合の目的をあらためて確認していきます。


管理組合の目的⇒「マンションの資産価値の維持・向上」

管理組合が意思決定を行う上での判断基準は正に、「マンションの資産価値の維持・向上に資するか?」になります。

マンションの区分所有者は、所有するマンションの資産価値を維持・向上させる目的で、毎月決して安くない額の管理費を、管理組合に納付しています。管理組合は区分所有者から集めた管理費の大部分を、管理会社に対する業務委託費に充てています。

このことから、管理会社に対価に見合った働きをしてもらうことが、マンションの資産価値を維持向上させる上で、最も重要なことだと言えます。

管理会社が、私たちが支払っている管理委託費に見合った働きをしない(又はできない)場合、マンションの資産価値は下落します。

区分所有者から委託を受けた理事は、区分所有者に代わって、管理会社の働きを監視する義務があります。管理会社が対価に見合った働きをしない場合は、理事が管理会社を適切に指導監督しなければなりません。

但し、対価以上のサービスを要求してはいけません。昨今では管理会社が採算重視に舵を切ったため、適正な利益を得ることができないマンションから撤退する例が相次いでいます。対価以上の要求をするマンションの管理を引き受ける管理会社は無いので、その点は注意が必要です。

マンションの資産価値を維持・向上させる上でのキーマンは、管理会社の担当者(一般的にはフロント担当と呼ばれています)になります。管理会社を儲けさせても、損をさせてもうまくいきません。

理事は担当者と密に連絡を取り合い、信頼関係を構築していく中で、管理会社から「対価に見合った働き」を引き出すことが重要になります。

管理組合の目的を正しく理解し、管理会社から対価に見合った働きを引き出すことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年3月23日土曜日

外部オーナーへの対応

2024年3月も最終週に入ります。そろそろ桜の開花ですね。寒い日が続きましたが、少しずつ春を感じることができるようになりました。感染症対策を万全にして管理組合の活動に取り組みましょう。今回は非居住の区分所有者(外部オーナー)への対応について説明します。

区分所有者には居住や非居住(賃貸)に限らず、所有者として同等の権利と義務があります。

・賃借人に区分を貸して賃料を得る権利

・管理費及び、修繕積立金を納める義務

・理事又は監事を輪番で引き受ける義務

賃料を得る権利と管理費を支払う義務は広く知られていると思いますが、理事や監事など管理組合の役員は、実際に居住している人が対象であると考えている人も少なくないと思います。

しかし、外部に住んでいることを理由にこの義務が免除されることはありません。(標準管理規約第35条2項)特に遠方に住んでいる人は「総会や理事会に出席するおが難しいので止むを得ない」と思われていることも多いです。

昨今では、Afterコロナの施策で、リモート会議を整備している管理組合も多くあります。非居住であってもリモートで理事会に出席することは可能です。



また、非居住者に役員就任義務を免除すると、居住している区分所有者の負担が重くなり、公平を逸することになります。

また、代人料を納めることで、役員就任義務を免除しているマンションもありますが、役員のなり手がいなくなった場合の解決方法を失うことになるため、注意が必要です。

非居住の区分所有者にも義務を果たしてもらうためには、決して「音信不通にしないこと」です。連絡が取れなくなると、役員の就任を要請できなくなるだけではなく、管理費滞納や、災害時への対応も十分に行うことができなくなり、資産価値の維持向上に疑義が生じます。

全ての区分所有者に対し、携帯番号+α(自宅・職場・実家)など複数の連絡先を届けることを義務化しましょう。

非居住者を含め全ての区分所有者に義務を果たしてもらうことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年3月16日土曜日

居住者からの苦情について

2024年3月も下旬に入って行きます。待ちに待った桜の開花や、スギ花粉飛来の低減ももう少しです。管理組合の活動を積極的に進めることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!今回は居住者からの苦情に対する対処方法について説明いたします。



居住者からの苦情の多くは、マナー(使用細則)違反に関するものです。「夜中に洗濯機の音が気になり眠れない」「隣室のタバコの煙の臭いが洗濯物に付着する」「共用部にペットの糞尿が放置されている」など。住民同士の直接のトラブルを避けるため、このような問題があると、管理会社を通じて管理組合に苦情が寄せられることが多いです。

管理組合としては、このような問題が寄せられた場合、速やかに対応する必要がありますが、マナーの問題は個々によって感じ方や、寛容性が異なるので、対応方法は難しいです。一方の当事者の言い分を鵜呑みにすることはできませんので、管理組合として事実関係を確認する必要があります。確認が取れるまでは、一般的な注意喚起に留めるのが妥当です。


事実関係が確認できた後は、管理規約に基づいて対応する必要があります。標準管理規約第66条では、「区分所有者の共同の利益に反する行為」をした場合はペナルティーが科せられるとになっています。多くのマンションでは標準管理規約に沿ってこの条項が入っていると思いますので、迷惑行為については、「共同の利益に反する行為」として毅然とした対応が求められます。

具体的には、「行為の停止、専有部分の使用禁止、競売請求」(区分所有法57-59条)が挙げられます。マナー違反をしている本人に、同条項を示して警告することが有効になります。それでも効果が無い場合、最終的には裁判所の判断になりますが、法的根拠をきちんと示して対応することで、多くの場合は訴訟に発展する前に自発的に収まります。

居住者からの要望に対し、適切に対応することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年3月9日土曜日

コロナ禍で培った感染症対策について

2024年3月も中旬に入っていきます。いよいよ本格的な春に突入します。気候温暖化の影響もあり、例年通り今月中に桜の開花が見られると思います。今回は、3年に渡るコロナ禍で培った感染症対策について説明いたします。



マンションの資産価値を維持する上で、マンション内クラスターは防ぐ必要があります。感染者のみならず、濃厚接触者の増加や、風評被害の広がりが懸念されます。その結果、マンション管理に疑義が生じるため、マンションの資産価値の観点でマイナスに働くと思われます。

居住者の皆様にワクチン接種を推奨し、入館時のマスク着用や、アルコール消毒など基本的な感染症対策を徹底することが重要です。(過度な対策は不要ですが、基本的な対策は必要)

次に、3密(密閉空間・密集場所・密接場面)の典型となる、総会・理事会・専門委員会での対策についてです。マンション内の会場が狭い場合は、外部の広い会場を借りて実施しましょう。会場入り口や窓を開放し、換気を十分に行って下さい。その上で、会場入り口での検温とアルコール消毒を徹底します。万一、37.5℃以上の熱が検出された場合は、出席を見送ってもらいます。マスク着用は当然義務化とします。

最後に、理事会はZoomGoogleMeetや、MicrosoftTeamsなどのWeb会議システムによるリモート参加を、総会は後日YouTobeで動画をを市長する形式での参加を其々認め、同じ空間に一同に会する形での参加を減らす努力をしましょう。

会議をonline(Web上)で実施するためには、多少の設備投資や準備が必要になりますが、Afterコロナにおいても、参加方法や参加機会が増えるという点でメリットがあるため、積極的に導入を図って下さい。これを機にonline(Web上)でリモート参加する際のルールを管理規約や使用細則で決めておくと安心です。

感染症対策に十分配慮しながら、管理組合の活動を活性化させることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年3月2日土曜日

玄関扉のカギの不具合について(対処法)

2024年も3月に入りました。早いものであっという間に春ですね。年度末が3月という方も多くいらっしゃると思います。やり残したことは集中的に対応し今期中に仕上げていきましょう。今回はマンションの玄関扉のカギについて説明いたします。



居住者から玄関扉のスペアキーについて相談を受けたり、賃貸オーナーである区分所有者から賃借人の入れ替わりの際、鍵穴(錠)の交換について相談を受けることがあると思います。また、竣工後15年程度経過すると、部品の劣化でカギの周りが悪くなり、鍵穴の交換が必要になる場合があります。

玄関扉は共用部に接しているため、扉本体は共用部ですが、錠と内部塗装は専有部になります。(標準管理規約第7条)鍵穴を交換したり、スペアキーを作る場合は区分所有者の責任と費用で行う必要があります。

賃借人からスペアキーについての相談があった場合は、まず、区分所有者である賃貸人に相談し承諾をもらうようにお伝え下さい。区分所有者である賃貸オーナーから錠の交換について相談があった場合は、管理規約を提示し、錠は専有部であることを説明し、自らの責任と費用で実施頂くようお伝え下さい。

一方、扉本体は共用部であるため、錠を増設するなど扉本体に手を加えることはできません。(スマートロックのように、扉本体を変更せず、扉の内側に貼り付ける程度のものであれば、許容範囲と思われます。)

マンションの玄関扉のカギは、エントランスのオートロックのカギを兼ねていることが一般的です。錠は専有部であっても、オートロックは共用部になりますので、管理組合としてはセキュリティにも気を配る必要があります。

区分所有者から相談があった場合は、正規メーカー(GOALMIWAClavisなど)の正規代理店を紹介し、必ず純正品を作成してもらうようにして下さい。

メーカーはマンションごとに情報を管理し、スペアキーの依頼があったあ場合は本人確認を厳格に行うなど、セキュリティ対策を万全に行っているので、マンションのセキュリティは保たれます。

マンション玄関扉のカギについて、責任の所在を管理規約で確認の上、セキュリティ対策を十分行うことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年3月1日金曜日

個人情報保護を考慮しましょう。

2024年2月も最終週に入ります。皆さま如何お過ごしでしょうか?寒さも和らいできました。インフルエンザや、新型コロナなどの感染症のまん延も峠を越えて来ると存じます。積み残しの案件があれば積極的に進めていきましょう。今回はマンションの個人情報の保護について説明いたします。



2015年に個人情報保護法が改正され、2017年5月30日からマンションも同法の対象になりました。個人情報とは生存する個人を特定できる情報のことを指します。マンションでは居住者名簿や、各種議事録などが該当致します。

管理組合では通常の管理を行う上で、個人情報を頻繁に取り扱います。災害時の緊急連絡、消防設備点検・排水管清掃での各戸訪問、駐車場の申し込み、賃貸住戸の管理、管理費滞納時の督促などほぼ全ての業務で個人情報を取り扱います。個人情報なしでは管理組合の業務は成り立ちません。

個人情報保護法18条では、個人情報を取得した場合、その利用目的を本人に通知するか公表することが求められております。しかし、個人情報を頻繁に扱う管理組合において、個人情報を取得する都度、本人に通知することは、非常に煩雑で現実的ではありませんので、あらかじめ利用目的を公表しておく必要があります。

公表例
当マンション管理組合は届出により取得した個人情報は以下の目的で利用し、届出者の承諾無しに第三者に開示することはありません。
・理事会議事録の送付、総会招集・議事録の送付、その他管理組合の連絡
・災害時の緊急連絡
但し、次の場合は除きます。(本人の同意がある場合、警察など官公署からの要請の場合、法律の適用を受ける場合)

このようにルールを定め、あらかじめ公表しておくことによって、ほぼ全ての管理組合の業務を従前通りに行うことができます。同法への抵触リスクを都度考慮するなどの煩わしさは無くなります。

また、管理組合としては、個人情報の保管方法に注意する必要があります。(紙資料は鍵付きの場所に保管、データーはパスワードを付して保管、不要になった情報は都度廃棄・消去するなど)

管理組合で取り扱う個人情報は「利用目的の開示」「保管方法の注意」を徹底すれば、特に恐れることはありません。

個人情報保護法を正しく理解し、適切に対応することで、マンションの資産価値を守つていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...