2024年4月27日土曜日

大規模修繕工事に優秀な設計監理会社を選任する。

2024年4月も最終週に入ります。早いものでもうゴールデンウイークですね。コロナが感染法上の第2類から第5類に変更となって早1年が経ちます。これを機に管理組合の活動を積極的に進めていきましょう今回は大規模修繕工事と設計監理会社について説明します。



大規模修繕工事は、多くのマンションで竣工後10年から15年周期で実施されます。1回の工事費用は1戸あたりおよそ100万円、100戸のマンションで1億円程度かかる計算になります。

このように大きなお金が動く工事なので、効果的かつ効率的に実施するため、設計監理会社(コンサルタント)と契約するのが一般的です。

設計監理会社は、工事の前に建物の状態を診断し、工事の設計を行い、施工業者の選定サポートをします。工事中は適切な工事が行われるよう、施工業者を監督し、工事終了後は、長期修繕計画を更新致します。

工事を効果的かつ効率的に実施するためには、設計監理会社の能力が重要になります。従って、管理組合や修繕委員会としては、どの会社に設計監理を依頼するかがポイントになります。

設計監理費用と過去の実績を参考に、対価に見合ったサービスを受けられるような会社に依頼します。修繕委員会からの推薦を受け、理事会で承認し、総会に上程します。最終的には総会決議によって設計監理会社を選任することになります。

設計監理会社の業務は以下の通りです。
・管理組合の立場で、建物事前診断と工事設計をする
・管理組合の立場で、施工業者の選定をサポートする
・管理組合の立場で、施工業者の仕事ぶりをチェック

設計監理費用は、これらの業務に対する対価として、マンション管理費から支出します。設計監理会社を選定するにあたっては、複数の業者から見積書の提出とプレゼンを受け、コンペを実施し、能力と対価(コストパフォーマンス)を見極める必要があります。

特に重要なのは、事前診断になります。事前診断の結果によって、工事開始の時期と工事周期が決まります。

「不要不急の工事をしない」という管理組合の意向を踏まえ、適切にレポートできるかが問われます。また、竣工時からの不具合(契約不適合)が発見された場合、買主(区分所有者)の立場で、売主に対する補償交渉をサポートしてもらえるかも重要なポイントになります。

プレゼンを受ける際、「事前診断」や「契約不適合」に対する向き合い方を確認しておくことが重要になります。

対価に見合った設計監理を受け、大規模修繕工事を成功させることによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年4月20日土曜日

長期修繕計画を更新して修繕積立金を充実させよう!

2024年4月も下旬に入って行きます。過ごしやすい季節になってきました。これを機に管理組合を活性化させていきましょう。マンション内で普段行き来する場所は限られていますが、理事会でマンション内を巡回し不具合が無いか確認しましょう。今回はマンションの資産価値を維持する上で重要なポイントの2つ目である、「長期修繕計画」と「修繕積立金」について説明します。



区分所有者が毎月納めている修繕積立金は、長期修繕計画に基づいて決められております。国土交通省のガイドライン(9,10ページ)によると、241円/㎡(70㎡の場合16,870円/月)となります。皆様が毎月負担されている金額に比べ如何でしょうか?


ガイドラインより大幅に少ない場合は、積立不足の可能性がありますので、注意が必要です。管理会社と一緒に、長期修繕計画を精査して、必要な項目が漏れなく織り込まれているか、想定工事単価が相場に見合っているかよく確認しましょう。(実際に直近数年に実施された日常修繕工事が、長期修繕計画に適切な金額で織り込まれていたか?大規模修繕工事は何年周期で予定されているか?など。)

マンションの資産価値を維持するためには、必要な工事を適正な金額で速やかに実施するとともに、不要不急の工事を可能な限り後ろ倒しにすることが求められます。施工業者の言いなりで、長期修繕計画で予定されている工事をすべて実施すると、積立金はすぐに枯渇してしまいます。理事会には、すぐに実施が必要な工事と、先送り可能な工事を適切に峻別し、無駄な支出を極力抑えることが求められます。

国土交通省のガイドライン(29,34ページ)でも長期修繕計画は5年毎に見直すことが奨励されています。近年では科学技術の進歩により、資材の耐用年数が伸びているため、大規模修繕工事の周期を延ばすことができます。多くの場合、竣工時に計画された周期(10~15年)より5年ほど延ばし、15~20年周期にすることが可能です。建物診断を受け、外壁タイルに異常が無ければ、長期修繕計画を見直し、足場を必要とする大掛かりでコストのかかる工事を先延ばし、修繕積立金の充実を図っていきましょう。

足場を必要とする工事の周期を15~20年に延ばすことで、60年に4回予定されていた工事を3回に減らすことができます。1回の大規模修繕工事に要する1戸あたりのコストは100万円程度かかると言われておりますので、60年/戸で100万円のコスト削減となります。

長期修繕計画を定期的に見直し、不要不急の工事を先送りすることで、修繕積立金の充実を図り、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年4月13日土曜日

管理会社に優秀な担当者をつけてもらおう!

2024年4月も中旬に入ります。気候が不安点で停滞していた桜前線ですが、開花するとあっという間ですね。管理組合の活動を積極的に進めていきましょう。

今回から3回に渡り、「マンションの資産価値を維持」するためのポイントについて説明していきます。

マンションの資産価値の維持・向上に大きく影響を与えるのは以下の3点になります。
1.管理会社⇒「当マンションの担当者の能力」
2.長期修繕計画⇒「修繕積立金の充実度」
3.大規模修繕工事⇒「設計監理会社の能力」

今回は、このうち最も重要な管理会社からあてがわれる担当者の能力について説明します。



マンションでは住民トラブル、日常修繕、管理費滞納、事故や災害など、日々様々な問題が発生致します。これに直接対応するのが、管理会社の担当者になります。次々発生する問題を適時適切に処理することができなければ、マンションの資産価値はどんどん低下していきます。

管理会社社員の能力は個人間で大きな差があります。「管理業務主任者」や「マンション管理士」と言った肩書を名刺に載せているかたも多く見受けられますが、実務を遂行する上で、資格の有無は殆ど関係ありません。管理組合の立場で経験に基づき、適切かつスピーディーに業務をこなしていく力が必要となります。

理事になったら、先ず、管理会社の担当者から携帯電話の番号を教えてもらいましょう。大事な時に連絡がつかないようでは、担当者として意味がありません。そして担当者に対し、「今期実施予定の修繕項目とその予算額」や、「当マンションでの代表的な住民トラブル」について質問を投げかけてみましょう。(担当者であれば当然把握しているべき内容です。)

このような問題に対し、滞りなく回答が返ってくれば、仕事に対する情熱と、一定の能力が期待できます。一方、このような典型的かつ重要なテーマに対し、回答が滞るようであれば、今後適切な対応は期待できませんので、管理会社に担当者の交代を要求しましょう。

管理会社から能力の高い担当者をつけてもらうことは、マンションの資産価値を維持・向上させる上で極めて重要なことです。

逆に、能力の低い担当者をあてがわれて、そのままにしていると、対価である管理委託費に見合ったサービスを享受することができないため、区分所有者からお預かりしてる管理費を無駄遣いしていることになります。

これでは理事としての職責を果たしているとは言えません。管理会社に対し毅然とした態度で担当者の交代を要求しましょう。(担当者が交代する場合も後任者の能力を良く見極めて下さい。)


管理会社の担当者に対し、対価に見合った働きをしてもらうことで、マンションの資産価値を守つていきましょう!

2024年4月6日土曜日

Afterコロナの管理組合運営方法

2024年も4月に入りました。暫く寒い日が続いておりましたが、ようやく春らしい季節になってきました。皆さま如何お過ごしでしょうか?今回はAfterコロナにおける管理組合の運営方法について考えます。



2023年でWithコロナが終り、2024年はAfterコロナに完全移行する年になります。Withコロナの施策はAfterコロナ施策に応用できます。いつ新たな感染症が出ても慌てることがないよう、攻めの姿勢で取り組んでいきましょう!

Withコロナの施策⇒「3密」を防ぐため、リモート会議を普及させていく

Afterコロナの施策⇒「人口減少」「高齢化」に伴う役員の成り手不足への対応

Afterコロナで、マンションの資産価値を維持していくためには、外部(遠隔地を含む)に居住する区分所有者が管理組合の活動に参加できるかがポイントになります。

管理組合は全ての区分所有者で構成されますので、居住・非居住に関わらず等しく管理組合に関与する義務があります。しかし、非居住の区分所有者が理事・監事として管理組合に関与するためには、リモートで会議ができる環境を整える必要があります。

このように、Withコロナの施策は、Afterコロナの施策に直結しています。Afterコロナを見据え、リモート会議導入に向けた「対策」と「投資」を積極的に行っていきましょう!

対策⇒管理規約使用細則など法的な面で環境を整備(リモート会議を明文化する)

投資⇒ビデオカメラ、マイク、スピーカー、モニター、WIFIなど

Afterコロナの施策を加速することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...