2025年10月に入りました。早いですね。残暑が厳しいと言われておりましたがここにきて気温は大分落ち着いてきました。しかし、海水温が高い状況は変わらないので、街の排水能力を超える局地的豪雨には引き続き注意が必要です。今回は修繕積立金の設定について説明いたします。
【修繕積立金の積立㎡あたりの単価/月】
平均積立額 205円/㎡(東日本不動産流機構調べ)
必要積立額 241円/㎡(国土交通省調べ)⇦ ガイドライン10ページ参照
単純計算で月額36円/㎡(241円-205円)の不足、70㎡の部屋に換算すると、2,520円/月不足するので、平均的な大規模修繕工事の周期を15年として試算すると、約45万円/戸(2,520円×12か月×15年)不足する計算です。
不足したままの状態で放置すると、大規模修繕工事実施時の区分所有者が一時金として不足額を負担するか、管理組合で借入を行い、将来の積立額を値上げして賄うことになります。
一時金の徴収や借入金の実施が総会で否決されると、十分な修繕工事ができなくなり、マンションの資産価値を押し下げる原因になります。
毎月の積立額が平均より低い場合は、積立不足の可能性が高いです。大規模修繕工事までの長期修繕計画を策定(又は更新)し、工事に必要な金額と、工事までの年月から必要な月々の積立額を試算してください。実際に不足している場合は、毎月徴収する積立額を改定する必要があります。
それでは何故、積立額が大規模修繕工事に必要な金額より低く設定されているのでしょうか?マンション竣工後、最初の積立金を設定するのは、売主(デベロッパー)です。
買主が月々負担する積立額を高く設定すると販売が難しくなるため、売主はマンションの販売を最優先し、積立額を低く設定します。従って、竣工時に設定された積立額では実際に工事で必要となる金額に満たないケースが多くなります。
理事会はできるだけ早い段階で、次回以降の大規模修繕工事で必要となる額を確保できるよう、月々の積立額改定案を総会へ上程することが求められます。区分所有者は総会でそれを速やかに承認可決し、修繕積立金が不足する状況を解消しましょう。これで一時金徴収や、借入を免れることができます。
修繕積立金が不足していると、買い手が付きにくくなり、マンションの資産価値下落の原因となります。
毎月適切な額を積み立てることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!