2020年12月も中旬に入り、今年も残すところあと半月になりました。引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取り組みを強化していきましょう。今回は区分所有者からの要望への対応方法について説明致します。
区分所有者からの要望の多くはマナー(使用細則)違反に関するものです。「隣からタバコの煙が入ってくる」、「夜中に洗濯機の音気になり眠れない」、「共用部にペットの糞尿が放置されている」など。住民同士のトラブルを避けるため、このような問題があると先ず、管理会社を通じて管理組合に苦情が寄せられます。
管理組合としては、このような要望に対しては速やかに対応する必要がありますが、対応方法は極めて難しいです。マナーは個々によって感じ方や寛容性が異なりますので、申し出る方を一方的に信じて対応するとはできません。先ず、管理組合として事実関係を確認することが重要です。事実関係がはっきりするまでは、注意喚起書面を掲示するのが最も効果的です。
このような問題はいつどこでも起こりうる問題なので、管理組合で様々なケースの文書案をストックしておき、要望があれば速やかに掲示できる体制を整えておくと良いです。掲示は長期間貼りっぱなしにしておくのではなく、2週間から1ヵ月を目安に期間限定で行って下さい。
注意喚起の掲示で解決できない場合は、事実関係をきちんと確認の上、管理規約に沿って対応することになります。標準管理規約第66条には「区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条までの規定に基づき必要な措置をとることができる」とされています。多くのマンションではこの条文が入っていると思いますので、掲示で注意喚起をしても改善されない場合は、「共同の利益に反する行為」(判例参照)として毅然と対応しましょう。
具体的には「行為の停止、専有部分の使用禁止、競売請求」(区分所有法57-59条)になります。マナー(使用細則)違反を続けるとこのようなことになる旨、マナー(使用細則)違反をしている本人に伝えることになります。最終的には裁判所の判断を仰ぐ必要がありますが、このような規定を示し警告し、訴訟に発展する前に解決を図る必要があります。
マンションの資産価値を維持するためには、区分所有者からの要望に速やかに対応し、問題解決を図ることが必要になります。
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