2021年2月も中旬に入っていきます。引き続き感染拡大防止を心掛けて参りましょう。今月は管理組合の構成と関係性についてをテーマにしております。管理組合の業務執行を担う「理事」について説明致します。
理事は、管理会社や監事と同じく総会決議で選任されます。管理組合では、監事から職務執行についてチェックを受ける一方、管理会社に対して適切な指示を出す役割を担っています。理事は総会で決めれた予算の中で、管理業務を執行する権限を持っています。執行権は総会を構成する全区分所有者の信頼がベースにありますので、区分所有者の信頼を損なうような(管理組合の利益を犠牲にして、自己の利益を追求する)行為は慎まねばなりません。
理事は区分所有者が順番で就任する輪番制度や、報酬制度がありますが、先ずは管理業務を執行する上で、管理組合の活動目的を正しく理解する必要があります。管理組合の活動は本チャンネルのテーマでもある「マンションの資産価値の維持・向上させること」にあります。
マンションの資産価値を維持させるためには、理事にはそれに相応しい人が就く必要があります。マンションを自分の大事な資産を考え、その価値を維持するために主体的に行動する人でなければなりません。マンション管理組合の目的を正しく理解している区分所有者は多くはありませんが、マンションの資産価値の維持・向上に関心を持っている人も少なからずおります。総会としては、自薦、他薦によってそのような人の中から選任することが大事です。輪番に固執する必要がありません。輪番表を機械的に適用しているようで良い管理は期待できません。
国土交通省の調査によると、報酬制度があるマンションは全体の23.1%、報酬の平均は3,900円/月になります。(2018年マンション総合調査)目的を正しく理解している管理組合では報酬制度は存在しません。自ら所有するマンションの資産価値の維持向上が何よりの報酬だからです。適切な管理がなされているマンションは購入時とさほど変わらない金額で売却できますが、適切な管理がなされていないマンションは半値でも売れません。月額報酬とは比べ物にならなない大きな額が動きます。理事就任受諾の動機が月額3,900円の報酬では心もとありません。また報酬の原資はマンションの資産価値を維持向上するために区分所有者から預かっているお金になりますので、報酬を支出することは管理組合の目的に逆行することにもなります。
管理組合の目的を正しく理解し、目的達成のために主体的に行動できる人を理事に選任することでマンションの資産価値を守って行きましょう!適任者がいない場合は立候補しましょう。