2021年2月20日土曜日

監事の役割を正しく理解する

 

2021年2月も後半に入ります。一日も早く感染が終息するよう怠りなく対策を続けましょう。今月は管理組合の構成と関係性をテーマにしておりますが、今回は監事の役割について説明致します。マンションの監事の業務にはあまり馴染みがないと思います。一言でいうと、「マンションの業務監査と会計監査」ということになりますが、そもそも監査とは何でしょうか?

監事は理事と同様、マンションの役員ですが、理事長、副理事長、会計担当理事、広報担当理事、風紀担当理事などのようにマンションの管理を行うための具体的な役割はありません。監事は理事会に出席し理事の仕事ぶりをチェックするという役割を担っています。理事が適切に仕事をしているかチェックすることによって、間接的にマンションの管理に携わっています。

年一回開催される総会で、監事は業務監査と会計監査の結果を区分所有者に報告します。

(監査報告書)

業務監査 「理事の業務執行について不正や規約に違反する事実はありません。」

会計監査 「貸借対照表、収支決算報告書は適正と認めます。」

理事は管理会社に指示し、区分所有者から預かったお金を使って日常管理を行う権限と責任があります。理事が権限を適切に行使すれば、マンションの資産価値を維持向上させることができますが、適切に行使しなければ、マンションの資産価値を維持することはできません。監事は、理事が区分所有者から与えられた権限を適切に行使しているかチェックし、区分所有者に報告することで、間接的にマンションの資産価値維持向上に寄与していると言えます。

チェックのポイントは、理事の業務執行がマンションの資産価値を維持向上に資するかどうかです。監事には理事がマンションの利益を犠牲にして自己の利益を追求しているような場合は、それを止める責任があります。理事が自ら経営する工務店にマンションの修繕工事を発注するなど、理事と管理組合の間で利益相反の疑いのある取引(標準管理規約37条の2)については特に注意が必要です。

監事の役割を理解し、正しく機能させることによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

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