2021年3月13日土曜日

機械式駐車場の稼働率を注視する

2021年3月も中旬に入ります。新型コロナウイルス第3波が下げ止まっている状況ですが、第4波を起こさないよう感染拡大防止策を徹底していきましょう。前回は時事問題としてWEB会議システムについてお伝えしました。今回は各地で色々な問題が起きている機械式駐車場について説明します。

機械式駐車場とは、限られたスペースに多くの車を駐車できるようにするための構造物です。可動式の構造物であるため、エレベーター同様、使用するにあたっては、常にメンテナンスが必要であるという特徴があります。点検や部品の交換、本体の更新に多額のコストが必要です。これらのコストは、主に駐車場利用者から徴収する駐車場使用料で賄っております。

1990年代は車を保有する家庭が多く、自治体が附置義務(駐車場数の下限)を定めていたこともあり、分譲マンションには積極的に設置されておりました。2000年代に入ると、高齢化や若者の車離れが進み、車を保有しない家庭が増え、駐車場の契約数が減ってきました。

車の保有台数が減ったことにより、機械式駐車場に空きが増え、駐車場収入の減少する傾向にあります。一方で機械式駐車場のメンテナンスコストは空区画の分も含めて継続して掛かります。機械式駐車場メーカーやメンテナンス業者が淘汰されていることから、メンテナンスコストは増加の傾向が見られます。(また、業者の統廃合により今までと同じサービスが受けられないという問題も出てきております。)

駐車場収入の減少とメンテナンスコストの増加で、管理組合の収支が圧迫されている状況が見られるようになりました。空区画とメンテナンスコストの問題を考えると、今後は、機械式駐車場の一部又は全部を解体し、平置きの駐車場に変更も視野に入れる必要があります。

管理組合としては、駐車場の稼働率に注視し、駐車場収入とメンテナンスコストのバランスを確認する必要があります。駐車場収支が赤字になると一般会計から補填することになり、マンションの資産価値を押し下げてしまいます。メンテナンスコストを確保するためには、最低何台の契約が必要なのかを計算し、契約数がそれを下回った段階で、機械式駐車場の減築を検討しましょう。

稼働率に応じて機械式駐車場を減築することで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

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