2021年9月4日土曜日

不要不急の大規模修繕を避ける

2021年9月に入りました。東京で開催されているパラリンピックも明日で閉幕します。一方、新型コロナウイルスはワクチンの接種が思うように進まない中、新規感染者、重症者の増加による病床圧迫で、自宅療養者も急激に増えております。管理組合としても引き続き感染拡大防止策に取り組んでいきましょう。今回はマンションの財政と大規模修繕の周期について説明致します。

マンションの大規模修繕工事は、長期修繕計画に基づいて10-15年に1回行うのが一般的です。みなさんのマンションは如何でしょうか?先ず、長期修繕計画書の有無を確認してください。長期修繕計画は竣工後5年以内を目途に作成されますが、もし、無ければ作成が必要です。

長期修繕計画上、竣工後15年目に大規模修繕工事を行うことになっているマンションでは、竣工後12年目くらいに、大規模修繕委員会(理事会の諮問機関)を立ち上げ、大規模修繕工事の準備を進めていきます。

設計監理会社(コンサルタント)を決め、事前調査を行います。この事前調査の結果によって大規模修繕工事の内容を具体的に決めていきます。(劣化状況に応じた工事を実施)

ここで重要なのは、事前調査後は長期修繕計画ではなく、事前調査の結果に基づいて工事内容を決めることにあります。調査の結果大きな劣化が見られない場合は、長期修繕計画に従って無理に工事を進める必要はありません。

長期修繕計画上では竣工後15年目に大規模修繕計画を行うことになっている場合でも、竣工後13年目くらいに実施した事前調査の結果、外壁タイルや屋上防水の状態が良ければ、大規模修繕工事を3~5年程度延長することは可能です。

100戸のマンションが1回大規模修繕工事をおこなうと1億円程度かかると言われます。1戸あたりおよそ100万円です。15年周期の場合、60年で4回の大規模修繕工事が必要ですが、20年周期にすれば3回の工事で済みます。不要不急の工事を避けるとでマンションの財政にも良い影響がでます。

設計監理会社(コンサタント)選びは非常に重要です。事前調査の内容が仮に良くても正直に報告せず、長期修繕計画通りに不要不急の工事を促す業者もたくさんありますので、設計監理会社選定にあたっては、工事周期について管理組合の考え方を伝え、予め理解を得ておく必要があります。

不要不急の工事を避け、マンションの財産を保全することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

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