2021年も10月に入りました。新型コロナウイルス第5派は終息し、第4回目の緊急事態宣言は解除されましたが、第6派が起きないよう引き続き感染拡大防止策を徹底しましょう。今回は管理費の滞納に対する対処法について説明致します。
私たち区分所有者は、毎月の管理費及び修繕積立金を口座引落によって、管理組合に収めています。管理費の滞納は何らかの事情によって引落がかからなかったことを契機に始まることが多いです。引落口座への振替忘れなど、些細なことから始まるのですが、管理費は月額数万円と比較的高額なことから、2ヵ月分、3ヵ月分と溜めてしまうと、支払が難しくなることも珍しくありません。管理組合による月内の早期発見が何より重要です。当月中に発見し督促すれば大事に至る可能性は低くなります。
管理会社との管理委託契約で、通常は管理会社が督促を行う取り決めになっております。(標準管理委託契約別表第1)口座振替日に引落ができなかった区分所有者がいた場合は、口座振替日の翌日には管理組合に報告してもらうよう、予め管理会社の担当者に伝えておくことが重要です。管理委託契約では、「管理会社は支払期日から6か月間督促をする」と定められており、それ以降は管理組合の役員が自ら督促を行う必要があります。管理会社に契約で定められた期間をフルに督促してもらうためには早期発見、早期報告が必須になります。また、管理費債権は5年で時効により消滅するため、管理組合としてはその点についても細心の注意が必要です。
管理会社が督促をしてくれる期間である6か月で必ず解決するためには、管理組合としては、その半分である3ヵ月以内での解決を目標に定めるのが有効です。「滞納開始⇒管理組合へ報告⇒電話による督促⇒訪問による督促⇒書面による督促⇒内容証明郵便による督促」これを3ヵ月以内に実施するのがポイントです。内容証明郵便が届くことで、滞納者の多くは焦って自ら積極的に解決に向け動き出します。3ヵ月以内に内容証明郵便による督促まで持っていくことを予めマニュアル化しておくのが良いです。
多くの場合、このマニュアル通りに督促を進めれば解決できますが、それでも解決できない場合は、背後に大きな問題があることが想定されるため、長期化が懸念されます。管理会社が対応してくれる6ヵ月が過ぎるまで残り3ヵ月。ここで何とか解決の目途を付けることが大大事になります。滞納者に滞納額の1部を支払ってもらうか、支払計画書を提出してもらうことで、支払意思があることを明確にし(承認)、時効が進まないようにします(民法152条1項)。粘り強く丁寧に督促を続け、6ヵ月以内での解決を目指しましょう。
毎月区分所有者から預かっている管理費や修繕積立金は、区分所有者共有の財産です。管理費滞納行為は、共有財産を棄損する(マンションの資産価値を下げる)行為なので、これを放置したり黙認してはいけません。毎月管理費をきちんと納めている区分所有者から、管理組合が責任を問われることになります。
滞納が発生したら、早期に発見、早期対応、早期解決が鉄則です。6ヵ月以内に解決することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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