2022年7月30日土曜日

監事の役割とは?

2022年7月も終わりですね。新型コロナウイルスはオミクロン株BA5が勢いを増し、新規感染者が急増しております。第7波真っ只中という状況です。重症者数や死者数は低いといわれておりますが、これ以上感染者が増えると、絶対数が増えてきますので、注意が必要です。管理組合としては、引き続き基本的な感染予防策を行っていきましょう。今回は監事の役割について説明致します。

今期初めての理事会は開催されましたでしょうか?3月決算の管理組合では、総会での役員選任を経て新メンバーによる理事会が1~2回開催されていると思います。役員の中には理事長、副理事長、監事などの役職があります。監事はどのような役割を担っているのでしょうか?


監事は総会で行われる「監査報告」の中で、「貸借対照表・収支計算報告書は適正と認めます。理事の業務執行について不正行為や、規約に違反する事実はありません。」と述べます。これは監事の役割である会計監査と業務監査の結果を区分所有者に報告するものになります。

会計監査→決算書(貸借対照表と収支計算書)が適正

業務監査→理事の業務執行が適切

監事は、決算書と理事の業務執行の適否を区分所有者に報告する義務を負っています。決算が適正であるというのは分かりやすいですが、「理事の業務が適切」とはどういうことでしょうか?

理事は区分所有者から預かった管理費と修繕積立金を使用して、日々業務執行を行っています。理事が管理組合のために業務を発注する際、安い金額でできるよう交渉しますが、理事が経営する会社に発注しているような場合は、「理事が自らの利益を優先させているのではないか?」という疑念が生じます。そのような場合、理事と管理組合は利益相反の関係にあることになります。監事が利益相反取引に気づいた場合は、管理組合の財産を保全するため、一旦、取引を停止する必要があります。

取引に至った経緯や、取引額について精査し、精査の結果、特に問題が認められなかった場合でも、区分所有者に疑念を抱かせる行為は慎むよう指導することが求められます。管理組合の財産を保全するため、監事は重要な役割を担っています。

監事の役割を正しく理解し、チェック機能を働かせることで、マンションンの資産価値を守つていきましょう!

2022年7月23日土曜日

管理委託費に見合ったサービスを受けよう

2022年7月も最終週に入ります。新型コロナウイルスは感染者が急増し第7波に突入しております。ワクチンや治療薬が普及したこともあり、重症者数は低く抑えられております。基本的な感染拡大防止策を続けていきましょう。今回は管理委託契約の更新について説明致します。

管理会社は大きなトラブルが無い限り、竣工時から変わっていないことが多いと思います。毎年定時総会で、「管理委託契約締結」議案を承認することで、管理委託契約が更新しております。総会の時に「重要事項説明書」が配布されます。重要事項説明書には管理組合と管理会社が締結している管理委託契約の内容が記載されております。



重要事項説明書に記載されている内容は、基本的に毎年同じですが、一度内容を精査してみましょう。管理会社に委託している業務は以下の4つに大別されます。

事務管理業務(管理担当者に対する報酬)

管理員業務(管理員に対する報酬)

清掃業務(清掃員に対する報酬)

建物・設備業務(各種点検作業員に対する報酬)

ほとんどが管理会社の社員や管理会社の下請け業者に対する人件費で構成されております。マンション共用部の管理には多くの人が関わっていることが分かります。事務管理業務、管理員業務、清掃業務はその仕事ぶりを具体的に目にすることが多いので、対価に見合ったサービスを受けられているかイメージしやすいですが、建物・設備業務にも意外と多くのお金がかかっています。これらは電気、空調、給排水、エレベーター、機械式駐車場などの点検費用が中心になります。各種点検の内容や頻度については、管理会社にヒアリングして精査する必要があります。本当に必要な点検なのか?決められた頻度で実際に行われているのか?改めて確認する必要があります。内容に疑問があれば、管理会社に質問し、不備があれば改めていきましょう。(不要なものは削減)

重要事項説明書は管理委託費の内訳明細になります。区分所有者が注視していることを示すだけでも、管理会社に対する牽制になります。ノーチェックで承認することが無いようにしましょう。

管理委託契約の内容を把握し、対価にに見合ったサービスを受けることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2022年7月16日土曜日

コロナ後の生活様式を意識する

2022年7月も後半に入ります。新型コロナウイルスは第7波が勢いを増しております。基本的な感染拡大防止策を続けていきましょう。今回はコロナ後の生活様式について説明します。

Afterコロナ(コロナ収束後は生活様式が一変する)、Withコロナ(暫くはコロナと共存する生活様式が必要)などと言われてから2年が経とうとしています。これを機に新しい生活様式を取り入れた管理組合がある一方、ほとんど手を付けていない管理組合も多いと思います。コロナを機にマンションの管理が2極化しているので、その点、留意する必要があります。

コロナ対策の背活用式は、管理組合の活動に親和性が高く、新しい生活様式を積極的に取り入れたマンションと、取り入れていないマンションとでは、今後、管理組合の活動に大きな差が出ます。効果的かつ効率的にマンションの管理を行い、資産価値を維持していくためには、このタイミングで新しい生活様式を積極的に取り入れていく必要があります。

集会室に一同に会し会議をするのではなく、各住戸から会議に参加できるようにする取り組みは、新型コロナの感染拡大を防止する目的でスタートしましたが、コロナ禍でインフラ整備を整えたマンションは、コロナ後も効果的かつ効率的に管理組合を運営することができます。

・会議の開催方法を「リアル」から「リモート」へ変更する

・会議資料の配布を「紙」から「電子データ」へ変更する

集会室にリモート会議ができるインフラ(Wi-Fi、ノートパソコン、マイク、スピーカーなど)を整備するとともに、資料の電子データ(PDF)化を進めていく必要があります。リモートでの参加が難しい方もいますので、先ずは、リモート参加とリアル参加の併用からスタートし、有事の際は全員リモートで参加できる体制を今のうちに構築しましょう。

管理組合の予算に「コロナ対策費用」枠を確保し、積極的に進めていく必要があります。

コロナ後を見据えた取り組みを行うことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2022年7月9日土曜日

コロナ後の苦情対策とは

2022年7月も中旬に入っていきます。新型コロナウイルスは重症化リスクが減ったと言われますが、新規感染者は再び増加傾向にあるようです。真夏日が続いており、換気が難しくなっていることが要因の一つと思われます。感染症対策と熱中症対策の両立が求められます。今回はコロナ時代の苦情対策について説明します。

コロナ禍を経て、リモートワークが普及するなど、マンションの生活様式が一変しました。コロナ前は日中マンションに居なかった方が、コロナ以降はマンションの中で在宅勤務をしております。日中におけるマンション内の人口密度は想像以上に高くなっております。

一方、以前からどこのマンションでも生じる3大苦情(タバコ・騒音・ペット)はコロナ以降も同様に生じています。苦情の原因を作る側も、被害を受ける側も人数が増えているので、トラブルになりやすい状況にあります。

コロナ前は勤務先の喫煙室でタバコを吸っていた人が、コロナ以降はマンション内の自室で吸います。窓を開けて吸う場合でも、窓を閉め換気扇の下で吸う場合でも、タバコの煙はバルコニーや廊下など共用部に流れていきます。コロナ前は夜に洗濯していた方も、コロナ以降は日中に洗濯してバルコニーに干します。近隣住戸のタバコの煙が共用部を通じて流入し、洗濯物に付着するトラブルが想定されます。

ペットを散歩させるとき、どうしてもエレベーターやエントランスなど共用部を通ります。コロナ以降は、日中マンション内の人口密度が高くなるため、ペットを連れた状態で多くの住民とすれ違います。動物嫌いの住民と接する機会が増えることによるトラブルが想定されます。

生活音は人口密度に応じて発生するため、日中の在宅率が上がるコロナ以降は、騒音トラブルの増加が想定されます。

人口密度が高いと、ストレスも高くなりますので、予期せず大きなトラブルに発展する可能性があります。このような問題が生じた時は、直接苦情を言うのではなく、理事や、管理会社に相談するところから始めましょう。

相談を受けた理事や管理会社は、コロナ以降特有の事情を周知する文書を作成し、掲示・投函します。トラブルが起こりやすい状況になっていることを、住民に周知することが必要です。

コロナ以降も快適な居住空間を保つことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2022年7月2日土曜日

感染症対策を再確認しよう

2022年も7月に入りました。早いもので今年も後半戦です。新型コロナウイルスは新規感染者数が落ち着きを見せると同時に、重症化する方も減ってきました。最近ではサル痘なる感染症が話題に挙がってきました。新たな感染症がいつ発生するか分かりません。コロナ禍を教訓にいつ発生しても対応できる体制を整えましょう。


感染症が発生した場合、管理組合は、管理会社と協力し、マンション内の集団感染を防いでいく必要があります。先ず、居住者の皆様に以下の内容を周知し注意喚起を促します。

・居住者、スタッフ(フロント・清掃・点検など)の安全確保

・除菌の徹底(インターホン、エレベータのボタン、ゴミ捨て場のドアノブ等)

・スタッフの時差出勤、勤務時間変更(体調不良時の出勤見合わせ等)

・住戸内に立ち入りが必要な点検(消防設備点検・排水管清掃等)の延期

・理事会、総会の開催延期又は、リモートでの実施

マンション内にはコロナ禍で厚生労働省が注意喚起した3つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)が存在(エレベーター、エントランス、ゴミ捨て場等)します。集会室で行われる理事会や総会は、その典型になります。密閉空間にならないよう、広い場所を確保した上で窓を開けてるなど換気にも気を配りましょう。密集場所にならないようリモートで参加できる環境を整え、リモートでの参加を促しましょう。密接場面とならないよう、事前に書面で説明や意見収集を済ませ、当日は最終的な意思確認に限るなど、運営方法を工夫しましょう。

マンションによっては、これらの対策が難しいこともあると思います。国土交通省が公表している標準管理規約では、年1回の疎開開催が義務付けられています(第44条)が、感染症がまん延している状況で、従来通りの方法で総会を強行することを求めるものではありません。総会を管理会社の事務所や理事長の自宅で開催し、区分所有者には議決権行使書又は、委任状(書面)で意思表示頂く方法もあります。

また、感染症が収束するまで、総会を延期しても法令違反とならないとする法務省の見解も出ております。

理事会や総会は、感染拡大防止策をとった上で、「3つの密」を防ぐ形で実施するか、延期することが求められます。

感染症対策を徹底する一方で、区分所有者(居住者)の中に保健所から自宅療養を指示されている方がいる可能性もあるため、区分所有者のプライバシーにも配慮が必要になります。

緊急時に適切な対応ができる体制を整えておくことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...