2022年11月も中旬に入ります。新型コロナウイルスは第8波の入り口にあります。今シーズンはインフルエンザとの同時流行も想定されているので、感染症対策は十分に行う必要があります。今回は騒音苦情への対策について説明します。
騒音は、ペットのマナーやたばこの煙問題と並んで、マンションの3大苦情の1つとされております。集合住宅には「騒音の発生元を特定するのが難しい」という特徴があり、管理組合でも取り扱いが難しいテーマになります。
マンションで発生する音は「空気伝搬音」と「固体伝搬音」に分かれます。
・空気伝搬音⇒ペットの鳴き声、話し声、管弦楽器、室外からの騒音、スピーカーからの音
・固体伝搬音⇒歩行音、ドアを閉める音、換気扇の音、打楽器・スピーカーからの重低音
空気伝搬音は「音」、個体伝搬音は「振動」のイメージです。空気伝搬音は上下両隣など隣室から聞こえる程度ですが、固体伝搬音は建物の構造(床・天井・壁・梁・配管など)を伝って想像以上に遠くまで音が伝わります。配管が糸電話の役割を担い、遠くの住戸から音が伝わることがあります。上下両隣が騒音の原因と思い込むことで、トラブルになることもあります。
先ずは、「マンションの構造による音の伝わり方」を居住者の皆さまに理解頂く必要があります。苦情が管理組合に持ち込まれた場合、いきなり騒音元と思われる住戸に注意するのではなく、区分所有者、居住者全員に対し、音の伝わり方を周知するところから始めましょう。
管理組合が、マンション内での音の伝わり方をクローズアップし、居住者の皆さまに関心を持って頂くことで、「お互い気を付けよう!」という機運ができ、この段階で解決することも考えられます。
これで解決しない場合は、居住者全員に対し注意喚起をしましょう。音の伝わり方に関心がある状況で、注意喚起を受けることで、ようやく気付くというケースもあります。
これでも解決できなければ、やむを得ず、対象住戸の周辺に絞って注意を促す形にしましょう。この段階ではマンション全体で音に対する意識が高まっているので、自覚がある方にはプレッシャーになるはずです。何度か注意を促すうちに、自発的に収まる可能性が高いです。
ここまで手順を踏んでも改善が見られない場合は、「共同の利益に反する行為」(標準管理規約第66条)として厳格に対応する必要があります。
多少時間がかかりますが、効果的かつ効率的に解決させるためには、手順を踏んで進めていくことが必要です。
騒音の苦情に適切に対応し、快適な住環境を整えることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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