2024年6月も最終週にはいります。梅雨時期ということもあり、天候が不安点な日が続きます。地球温暖化の影響により、台風、線状降水帯、ゲリラ豪雨はいつ起きても不思議ではありません。これらの猛烈な雨は地方公共団体が設定する量を大幅に超えてきますので、管理組合の責任において対策が必要になります。今回は機械式駐車場について説明いたします。
機械式駐車場とは、限られたスペースに多くの車を駐車できるようにするための構造物です。可動式の構造物であるため、エレベーターと同様に「使用するにあたり、常にメンテナンスが必要である」という特徴があります。点検や部品の交換、本体の更新に多額のコストが必要です。これらのコストは主に駐車場利用者から徴収する駐車場使用料で賄われています。
1990年代は車を保有する家庭が多く、自治体が付置義務(駐車場数の下限)を定めていたこともあり、分譲マンションには積極的に設置されておりました。2000年代に入ると、高齢化や若者の車離れが進み、車を保有しない家庭が増え、駐車場の契約者数が減ってきました。
クルマの保有台数が減ったことにより、機械式駐車場に空きが増え、駐車場収入は減少する傾向にあります。一方で機械式駐車場のメンテナンスコストは空き区画も含め断続的に発生します。機械式駐車場メーカーやメンテナンス業者が淘汰されていることから、メンテナンスコストは増加の傾向が見られます。また、業者の統廃合により、今までと同じサービスが受けられないという問題も出てきています。
駐車場収入の減少と、メンテナンスコストの増加で、管理組合の収支が圧迫されている状況が見られるようになりました。空き区画とメンテナンスコストの問題を考えると、今後は、機械式駐車場の一部又は、全部を解体し、平置き駐車場への変更も視野に入れる必要があります。
管理組合としては、駐車場の稼働率に注目して、駐車場収入とメンテナンスコストのバランスを確認する必要があります。駐車場収入が赤字になると一般会計から補填することになり、マンションの資産価値を押し下げてしまいます。メンテナンスコストを確保するためには、最低何台の契約が必要なのかを計算し、契約数がそれを下回った段階で、機械式駐車場の減築を検討しましょう。
稼働率に応じて機械式駐車場を減築することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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