2026年10月16日金曜日

管理組合と区分所有者が知っておきたい会計管理の基本


2026年10月のも後半に入っていきます。秋雨前線や台風による連日の雨が過ぎたあと、連日秋晴れが続きました。少々汗ばむ日もありますが、概ね過ごしやすい気候になっております。このタイミングで管理組合の活動を前に進めていきましょう。今回はマンションの会計について説明いたします。



マンションの会計は、毎月集めている管理費や駐車場使用料によって支えられています。しかし、その大切なお金が、実際にどのような仕組みで管理されているのかまでは、よく知られていないことも少なくありません。

会計業務は管理会社に委託されているから安心だと考えられがちです。けれども、本当に大切なのは、任せることではなく、任せたうえで管理組合がきちんと確認し続けることです。

今回は、マンション会計の基本的な仕組みと、管理組合や区分所有者が果たすべき役割について整理します。

マンション会計の主な収入は、区分所有者から毎月納めてもらう管理費です。これに加えて、駐車場使用料なども重要な収入になります。一方で、主な支出の一つが、管理会社に支払う管理委託費です。

つまり、マンション会計は、区分所有者から預かったお金を、建物や設備の維持管理に必要な費用へ充てることで成り立っています。

会計業務や出納業務は、管理組合が管理委託契約に基づいて、管理会社へ委託していることが一般的です。国土交通省のマンション標準管理委託契約書でも、管理事務の内容として出納業務が位置づけられています。

但し、管理会社に委託しているからといって、管理組合が会計への関与をやめてよいわけではありません。委託とは、あくまで実務を任せることであり、財産を守る責任まで手放すことではありません。

過去には、管理会社による横領事件などを背景に、管理組合の財産を守るための制度見直しが進められました。国土交通省は、2009年に省令改正を公布し、2010年5月1日から、出納業務における財産の分別管理や、印鑑などの管理方法について厳格化しました。

また、標準管理委託契約書の見直しでも、管理組合財産の保護のために、通帳、印鑑、収納方式などについて詳細な考え方が示されています。

このため、管理会社が管理組合の口座から自社の口座へ、自ら資金を移せるような仕組みは避けるべきです。

もし振込実務を管理会社に任せる場合でも、管理組合は、何のための支出なのか、いくら振り込むのかを事前に把握しておく必要があります。

実務上は、複数の理事が振込金額と内容を確認し、事前に承認する仕組みを整えておくことが重要です。管理会社に実務を委ねていても、管理組合が支出の中身を確認しないまま処理が進む状態は望ましくありません。

管理組合の預金残高は、区分所有者全体の共有財産です。そして、この財産は、マンションの資産価値を維持し、向上させていくうえで欠かせない基盤でもあります。

ずさんな管理によって共有財産を損なうことがあってはなりません。そのためには、管理組合が主体的に会計を確認し、監督する姿勢が必要です。

毎年の定時総会では、決算報告のあとに決算承認の審議が行われます。国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約でも、理事長は毎会計年度の収支決算案を通常総会に報告し、その承認を得なければならないとされています。 

この機会に、区分所有者一人ひとりが不明点を質問し、内容を理解しようとすることが大切です。少しでも分からないことがあれば、そのままにせず、納得できるまで説明を求めることが、結果として適切な管理につながります。

会計業務の内容を正しく把握することによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

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