マンション管理会社は、分譲時に分譲業者が決めた決定したマンション管理業者とそのまま継続して契約しているケースが多いですが、国土交通省が公表しているマンション総合調査(平成20年、平成25年、平成30年)によると、ここ10年の間に管理会社を変更したマンションが徐々に増えており、現在では5件に1件の割合で管理会社を変更している(以下参照)にあります。
これは、変更の受け皿となる独立系の管理会社が増えてきたことも要因と思われますが、一方で、分譲時に分譲業者が決めた管理会社から「管理委託費に見合うサービスを受けられていない」と感じるマンションが相当数あることを示しているとも言えます。しかし管理会社を変更すれば必ずしも問題が解決するわけではありません。特に管理委託費を下げることを目的に管理会社を変更する場合、今までのサービス水準を維持できなくなり、逆に資産価値を下げてしまう可能性があるので注意が必要です。一番重要なことは、区分所有者が望むサービスの内容・水準を明確にし、それに見合った金額で受託できる管理会社を選ぶことです。
「管理委託費に見合うサービスを受けられていないのでは?」と感じたら先ず、毎月の支払額(管理費+修繕積立金)を近隣マンションの平均値と比べてみましょう。割高であれば管理委託費が割高な可能性があるので値下交渉を、割安であればサービスの質・量を上げる交渉をします。交渉を続けると同時に、現在管理会社に委託しているサービスの内容を「自分たちのマンションにとって必要か否か」という観点で精査し、不要なものをカット、不十分なものは追加する形で見直し、来期からの委託契約を自分たちのマンションに合う内容に変更するという方法もあります。
どうしても現在の管理会社と折り合いがつかない場合は、自分たちのマンションが必要をするサービスの内容(項目・質・量)を明示して、数社から見積書を取得する方法で管理会社の変更に舵を切るもの一案です。
マンションの資産価値を効率的に維持するためには、管理会社から継続的に「管理委託費に見合ったサービスの提供を受けること」が必要となります。
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