管理組合と自治会はともに毎年を決め、会員からお金(管理費・自治会費)を徴収して運営する点が類似しておりますが、両者は目的及び構成員の対象や加入義務が異なるため、お金の徴収方法でトラブルになるケースがありました。そこで、国土交通省は2016年に
マンション標準管理規約を「管理費と、自治会費を明確に区分」する形に改正(同コメント27条関係②参照)しました。
管理組合はマンションの資産価値を維持を目的とし、区分所有者全員で構成(強制加入)されるのに対し、自治会は地域コミュニティを主目的とし、居住者で構成される(任意加入)点が大きく異なります。自治会費をマンション管理費に含めて徴収しているマンションも多々ありますが、自治会費は住戸毎に必ず発生するものではないため、(居住者が自治会に加入していない住戸や、空き家の住戸には自治会費は発生しない)住戸毎に一律で徴収するとトラブルが生じる可能性があります。(
判例もあります。)
しかし、自治会の役員がマンション内を一軒一軒回って自治会費を回収するのは不効率であり実務上も困難であるため、標準管理規約では管理組合が自治会費を代理徴収することについて否定はしておりません(
改正概要参照)。管理組合が自治会費を代理徴収する場合は、住戸一律の徴収ではなく、実際に自治会員が居住している住戸のみの徴収に留めることが必要となります。(代理徴収を行う場合は管理費と自治会費を明確に区分する。)
マンションの資産価値を維持していくためには、自治会(地域コミュニティ)と協力関係を保ち、良好な関係を築いていく一方、財布は別々に管理することが求められます。
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