2020年3月15日日曜日

修繕積立金の設定・見直し

修繕積立金は竣工時に売主(デベロッパー)が決めており、買主が購入する際は既に月額負担額が決まっているのが一般的です。修繕積立金は10年から15年周期で実施される大規模修繕工事に充てる重要なお金ですが、当初の設定額は根拠が曖昧で低すぎるという現実があります。デベロッパーの立場からすると、10数年後の大規模修繕工事には関心が無い一方、短期間で全戸完売させることが使命であるため、売りやすくするために修繕積金の金額を実際に必要な金額より大幅に低く設定しているという事情があります。

国土交通省が公表しているマンション総合調査からは、2010年頃から12,000円/月程度で安定している一方、完成年次別の内訳では、2010年以降に完成した新築物件に限っては8,820円/月と異常に低いことが分かります。

修繕積立金を低い水準のまま放置すると、大規模修繕工事を行うにあたって、修繕積立金では足りず、臨時で区分所有者から数十万円/戸を徴収したり、管理組合が借入をして賄う必要があります。そのような事態にならないよう、購入後直ちに修繕積立金が適切に設定されているか検証し不足があれば管理組合の責任で修繕積立金の月額負担額を適正な金額に変更しましょう。必要額の見積を管理組合の役員が行うことは難しいので、管理会社に相談し(必要に応じてコンサルタントを入れて)進めていくのが一般的です。

修繕積立金が不足していると、買い手が付きにくくなる(又は、希望額での売却が難しくなる)ため、マンションの資産価値は下がります。5年毎を目安(少なくとも大規模修繕工事のタイミング)に定期的に見直しを行い適正な水準を維持することが必要です。

マンションの資産価値を維持するためには、竣工引渡後直ちに修繕積立金の設定額を検証するとともに、以降定期的に見直しを行うことが必要となります。

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