2020年10月24日土曜日

大規模修繕工事(施工業者の選定)

 

2020年10月もあと1週間。新型コロナウイルスに加え、インフルエンザの流行期に入りますので、感染症対策を万全にした上で、管理組合活動を続けて参りましょう。今回は大規模修繕工事における、施工業者の選定方法について説明致します。

日常修繕であっても、業者を選ぶ際は相見積もり(複数の業者から見積書を取得してマンションにとって最もコストパフォーマンスが良い業者を選ぶ)をするのが基本です。大規模修繕工事の場合は、億単位のお金が動くため、区分所有者からお金を預かる管理組合としては、適正な金額で実施できるよう、施工業者の選定は適正な競争(コンペ)を経て行う必要があります。

大規模修繕工事には巨額お金が絡むので、関係業者(管理会社、設計監理会社、施工業者)の間で、「談合」が行われ「リベート」が支払われることが多いと言われております。施工業者の選定に影響力を持つ設計監理会社に対し施工業者が「リベート」を支払ったり、設計監理会社の選定に影響力を持つ管理会社に対し設計監理会社が「リベート」を支払う可能性は大いにあります。

「リベート」の原資が私たちマンション管理組合が区分所有者から預かっている管理費や修繕積立金であることは言うまでもありません。

施行業者選定の方法を設計監理会社に丸投げしてはいけません。設計監理会社は自らに都合の良い「見積参加条件」を設けることで、自らが首謀する「談合」に賛同しない業者を排除している可能性があります。

「談合」に賛同しない業者を1社でも見積に参加させることができれば、「談合」は成立しません。設計監理会社に選定の大枠を任せる場合でも、設計監理会社が外した業者のうち数社を追加で見積に参加させるなど、管理組合として「談合」を牽制する努力は必要です。また、設計監理会社に「リベートは一切受け取らない」旨の誓約書を提出させることも牽制になります。

マンションの資産価値を維持するためには、大規模修繕工事の施工業者を選定するにあたり、適正に競争原理を働かせる必要があります。

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