2021年4月24日土曜日

管理会社を変更を検討したくなったら

 2021年4月も最終週に入りました。新型コロナウイルス第4派が急拡大し、3回目の緊急事態宣言が発出されました。変異株は感染力強く、重症化すると言われております。管理組合はこれから総会開催の時期に入りますので、マンション内クラスターにならないよう、感染拡大防止策を強化して参りましょう。

今回は管理会社の変更について説明致します。区分所有者が管理会社に満足できないと管理会社の変更を検討することになります。実際に変更するか否かに関らず、いちど検討してみるとよいと思います。一番のポイントは「対価に見合ったサービスを受けているか否か」になります。管理会社との契約は、通常、国土交通省が公表している標準管理委託契約書に準拠してしているので、実際のところ契約上のサービス内容に大きな差はないと考えられます。

先ず、管理費を確認しましょう。毎月支払っている管理費の大部分は管理委託費として管理会社に支払われています。管理費が他のマンションと比べて高いか、安いかをチェックします。東日本不動産流通機構が公表している首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金によると、平均で189円/㎡(1戸あたり12,211円)となっております。毎月引落される金額には修繕積立金も含まれておりますので、内訳も確認してください。


次に、サービスの質を確認します。サービスの質は担当者の能力と態度で決まります。管理会社が管理組合(理事会)から指示された内容を忠実に対応できれば、管理組合の満足度は高まります。どこの管理会社にも優秀な管理マンは必ず存在するので、担当者に満足がいかなければ、管理会社の交代を検討する前に、優秀な担当者に変更してもらいましょう。

管理費が平均並みで、担当者に大きな不満がないのであれば、管理会社を変更する意味はあありません。管理会社の担当者は管理業務主任者や、マンション管理士といったマンション管理に関する国家資格を持っている人も多いです。もちろん、資格があるから仕事ができる訳ではありませんが、管理組合(理事会)が彼らの潜在能力を引き出し、ハンドリングすることも重要です。これができなければ、仮に管理会社を変更しても同じ結果になります。

管理組合(理事会)は、毎月管理会社に高いお金を支払っているのですから、管理会社の仕事ぶりに関心を示しましょう。委託者からの視線を感じれば、自ずときちんと仕事をするものです。担当者と適切にコミュニケーションを取ることで、不満の多くは改善されます。

対価に見合ったサービスを受けることで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

2021年4月17日土曜日

管理会社との情報格差を理解する

2021年4月も後半に入ってきます。新型コロナウイルスは第4波に入り、まん延防止等重点措置(まんぼう)が適用されております。感染者が再び増えておりますので、管理組合として十分対策をとっていきましょう。今回は管理会社との情報格差について説明致します。

・管理会社⇒マンション管理のプロ集団(受託者)

・管理組合⇒マンション管理の素人集団(委託者)

管理会社の社員の中には、管理業務主任者やマンション管理士といったマンション管理に関係する国家資格を持っている人もいます。国家資格を持たない人でも長年に渡り複数のマンションの管理をする上で得た知識や経験があります。管理会社にはマンション管理のノウハウが蓄積されているという意味で、マンション管理のプロといえます。

一方、管理組合を構成するのはマンションの(区分)所有者であり、必ずしもマンション管理の知識があるわけではありません。どこにでもいる普通の人です。関係業界に勤めている人もいるでしょうが、業界のしがらみもあり、自分が所有するマンションを管理するために力を発揮することが難しいことが多いようです。その点、マンション管理の素人といえます。

プロと素人の間には大きな「情報格差」(知識や経験の差)があります。管理会社は「情報格差」を利用し、手抜きをしようとします。手抜きをしても素人である管理組合にはバレないと考えているからです。管理組合は素人であるため、毎月高額のお金を支払い、マンション管理業務を委託しているので対価に見合ったサービスを受ける権利があります。管理会社に騙されてはいけません。

管理組合は「情報格差」があることを正しく認識し、それを踏まえて管理会社に対峙する必要があります。「情報格差」を埋めるために管理委託費をお支払いしていることを管理会社に伝えましょう。「情報格差」の悪用は決して許さないという姿勢を見せることで、管理会社を牽制し、対価に見合ったサービスを引き出すことが重要です。

管理会社の牽制方法

・管理会社の担当者と最低でも月2回は、電話やメール等で連絡を取り合う

・理事会の1週間前にレジュメを提出させ、一通り目を通してから出席する

これを意識して行うだけでも管理会社に与える印象は大分変ります。管理組合は管理会社になめられてはいけません。管理会社の仕事に関心を持ち、管理会社に丸投げしないことが重要でになります。

「情報格差」の存在を正しく認識した上で、管理会社と対峙することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!


2021年4月10日土曜日

出納業務の内容を正しく把握する

 

20201年4月も中旬に入ります。変異ウイルスによる第4波が始まり、複数の都府県でまん延防止等重点措置(まんぼう)が適用されることが決まりました。総会準備の大事な時期ですが引き続き感染拡大防止に努めていきましょう。今回はマンションの出納業務について説明致します。

マンションの会計は区分所有者からお預かりしている管理費が元手になりますが、具体的にどのように管理されているのかはあまり知られていないのが実情です。出納業務は管理組合が管理委託契約により管理会社に委託している事務管理業務の一環として行われています。(標準管理委託契約書参照)

過去、管理会社の横領事件によって、管理組合の財産が毀損する事件があり、銀行口座の管理方法を厳格化する法改正が2010年に行われました。管理組合としてもマンションの出納業務を管理会社に一任するのではなく、委託している出納業務を自ら主体的に監督する必要があります。

マンション会計のうち、主な収入は区分所有者から毎月徴収している管理費や、駐車場利用者から徴収している駐車場使用料になります。一方、主な支出は管理会社に対する管理委託費になります。管理会社が管理組合の口座から自らの口座にお金を移動させる行為は、不正が起きても発見することが難しいため、避けなければなりません。仮に振込実務を管理会社に任せる場合でも、管理組合が振込の内容を把握する必要があります。具体的には複数の理事が振込額とその内容を理解した上で事前に承認する仕組みを作ることが求められます。

管理組合の預金残高は区分所有者共通の財産であり、マンションの資産価値を維持向上する上で不可欠なものになります。管理が杜撰で共有財産を毀損させることがあってはなりません。区分所有者一人一人が関心を持ち、少しでも分からないことがあれば、管理会社に納得がいくまで説明を求める姿勢が重要です。その積み重ねが管理会社に対する牽制となり、適切な管理に繋がります。

3月決算の管理組合はこれから1~2ヵ月の間に総会が開かれます。1年間の決算報告の後、決算承認決議がありますので、この機会に不明点を管理会社に質問して内容把握に努めましょう。

出納業務の内容を正しく把握することによってマンションの資産価値を守って行きましょう!

2021年4月3日土曜日

防災設備の特徴を把握し適切に維持管理する

 

2021年4月に入りました。3月決算の管理組合にとってはそろそろ総会の準備が始まります。新型コロナウイルス第4派を防ぐ為にも管理組合として感染拡大防止に努めて参りましょう。今回は防災設備について説明致します。

主な防災設備

・消防設備(スプリンクラー、ガス検知器、煙感知器)

・避難はしご

・非常用発電機

・免震装置(免震ゴム、オイルダンパー)

消防設備点検は、通常年2回行われます。管理会社に委託された検査員が各戸を巡回して煙感知器や、ガス検知器が正常に機能するかテストを行います。点検には各住戸へ立ち入る必要があるため、在宅している必要があります。コロナ禍で在宅率は高いものの、検査員を入れるのが不安という方もいらっしゃるかと思います。マスク着用、こまめな消毒など感染対策を徹底した上で点検を受けて頂く環境を整えて下さい。有事に消防設備が適切に稼働しないと周囲の住戸に損害が及び大変なことになります。点検を受けなかったことが原因で火災が拡大した場合、火元住戸が損害賠償責任を負う可能性もあります。今回どうしても点検を受けられない方い対しては、次回は必ず受けて頂けて頂くよう、啓蒙活動を強化する必要があります。

避難はしごは、バルコニーに設定されており、高層階から下層階まで安全に避難できる設備です。有事に備え、避難はしごの設置場所と使用方法を確認しておく必要があります。避難はしごの設置場所を区分所有者・住民に周知するとともに、使用方法を説明する機会を作って下さい。防災訓練の際、避難はしごの使用方法を説明し実際に体験してもらうことも一案です。コロナ禍では集合型の訓練に代え、動画で使用方法を説明する方法も有効です。

非常用発電機は、オイルを燃料に電力を作る装置です。年1回はオイルに劣化がないことや、実際に稼働することを確認する必要があります。メーカー推奨の耐用年数を過ぎても直ちに交換する必要はありませんが、有事に備え稼働テストは必ず行うようにしてください。

免震装置は、高層マンションに設置されています。竣工時に適切に設置されていれば、耐用年数は建物本体に準じるため劣化等の心配はありません。但し、東洋ゴム製免震ゴムや、カヤバ製のオイルダンパーは、メーカーの検査データ偽装が問題になりましたので、東洋ゴムやカヤバの製品が使われていないかチェックする必要があります。

主な防災設備の特徴を把握し適切に維持管理することでマンションの資産価値を守っていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...