2021年11月20日土曜日

施工業者の選定に競争原理を働かせる

2021年11月も下旬に入っていきます。今年ものころ僅かです。新型コロナウイルスの新規感染者が低水準に留まる中、第6波に備えた対策を強化していきましょう!今回は大規模修繕工事の施工業者選定について説明致します。

マンション管理費から修繕費用を支出する場合は、相見積を取って施工業者を決めるのが原則です。大規模修繕工事は億単位のお金が動くため、施工業者を選定するにあたっては、適正にコンペを行い、最もコストパフォーマンスの良い業者に工事を依頼することが求められます。

大規模修繕工事では巨額のお金が動くため、関係する業者(管理会社・設計監理会社・施工業者)の間で「談合」が行われ、「リベート」が支払われることが多いと言われております。施工業者の選定に影響力を持つ設計監理会社がリベートを受け取ったり、設計監理会社の選定に影響力を持つ管理会社がリベートを受け取ることが考えられます。

「リベート」といっても、区分所有者にはあまり馴染がない言葉かもしれません。しかし、「リベート」の原資は、修繕積立金であり、それを負担しているのは、区分所有者であることは言うまでもありません。自らが「リベート」を拠出しているかもしれないことを強く意識し対策を施す必要があります。「リベート」を防げば、その分修繕積立金の拠出額は減ります。

業者選定を管理会社や設計監理会社に任せてはいけません。管理会社や設計監理会社は自らに都合の良い「見積参加条件」を設け、自らが首謀する「談合」に参加しない業者を巧みに排除している可能性があります。

「談合」に参加しない業者を1社でもコンペに参加させることができれば、「談合」は成立しません。管理会社や設計監理会社に業者選定の大枠を任せる場合でも、決して丸投げはせず、彼らが設けた「見積参加条件」を満たさない業者の中から数社をコンペに参加させることが必要です。また、管理会社や設計監理会社に「リベートを一切受け取らない旨、万一リベートを受け取ったことが発覚した場合は違約金を支払う旨」宣言させることも有効です。

大規模修繕工事の業者選定にあたり、競争原理を有効に働かせることで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

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