2022年2月26日土曜日

所有者として主体的に行動しよう

2022年2月も終わりになります。新型コロナウイルスはオミクロン株による第6波がなかなか収まりません。新規感染者は少しずつ減ってきておりますが、自宅療養者の数は依然として高い水準を維持しております。引き続き感染拡大防止策に努めて参りましょう。今月はマンションの資産価値に影響を与える項目についてみてきました。私たちはどうすれば資産価値を維持向上させることができるのでしょうか?復習していきましょう!

①管理会社の担当者の能力(日常のメンテナンス)

➁長期修繕計画と修繕積立金の充実(メンテナンスの実行を担保)

③大規模修繕工事の適切な実施と設計監理会社の能力(長期のメンテナンス)

このうち、もっとも高額で継続的にコストがかかるのが、管理会社への業務委託費になります。管理会社の働きはマンションの資産価値の維持向上に大きく影響を与えます。管理会社が対価に見合った働きができなかったり、管理会社の担当者の能力が対価に見合わない場合、マンションの資産価値は大幅に下落します。このような状態に陥った場合、私たちはどうすればよいのでしょうか?

最終的には、マンションの所有者である区分所有者の責任です。理事な区分所有者の代表者としての責任を負っています。区分所有者や理事が自分のこととして、当事者意識をもって主体的に行動しなければ、マンションの資産価値を維持することはできません。

監理会社の担当者に気持ちよく対価に見合った仕事をして貰えるよう努力する必要があります。担当者も人間ですから良い仕事をしたときは、躊躇なく褒めましょう。時にはちょっとしたプレゼント(もちろん自腹ですが)で感謝の意を伝えるのもよいでしょう。

理事が最大限努力しても難しい場合は、管理会社と交渉し、担当を対価に見合った仕事ができる人に代えてもらいましょう。

区分所有者、理事が「所有者」として主体的に行動することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2022年2月19日土曜日

大規模修繕工事に優秀な設計管理会社を選任する

 2022年2月も終盤に入ります。オミクロン株による新型コロナウイルス新規感染者は相変わらず増えております。これ以上の行動制限を受けないよう感染拡大防止に十分気を配りましょう。今回は大規模修繕工事と設計管理会社について説明致します。

大規模修繕工事は、多くのマンションで竣工後10年から15年周期で実施されます。1回の工事費用は1戸あたりおよそ100万円、100戸のマンションで1億円程度かかる計算になります。このように大きなお金が動く工事なので、効率的かつ効果的に実施するため、設計監理会社(コンサルタント)と契約するのが一般的です。

設計監理会社は、工事の前に建物の状態を診断し、工事の設計を行い、施工業者の選定をサポートします。工事中は適切な工事が行われるよう、施工業者を監督し、工事終了後は、長期修繕計画を更新致します。

工事を効果的かつ効率的に工事が実施するためには、設計監理会社の能力が重要になります。従って、管理組合や修繕委員会としては、どの会社に設計監理を依頼するかがポイントになります。設計管理費用と過去の実績を参考に、対価に見合ったサービスを受けられるような会社に依頼します。修繕委員会からの推薦を受け、理事会で承認し総会に上程します。最終的には総会決議によって設計監理会社を選任することになります。

設計監理会社の業務は以下通りです。

・管理組合の立場で、建物事前診断と工事設計をする

・管理組合の立場で、施工業者の選定をサポートする

・管理組合の立場で、施工業者の仕事ぶりをチェック

設計監理費用は、これらの業務に対する対価として、マンション管理費から支出します。設計監理会社を選定するにあたっては、複数の業者から見積書とプレゼンを受け、コンペを実施し、能力を見極める必要があります。

特に重要なのは、事前診断になります。事前診断の結果によって、工事開始の時期と工事周期が決まります。「不要不急の工事をしない」という管理組合の意向を踏まえ、適切にレポートできるかが問われます。また、竣工時からの不具合(隠れた瑕疵)が発見された場合、買主(区分所有者)の立場で、売主に対しする補償交渉をサポートしてもらえるのかも重要なポイントになります。プレゼンを受ける際、「事前診断」や「隠れた瑕疵」に対する向き合い方を確認しておくことが重要になります。

対価に見合った設計監理を受け、大規模修繕工事を成功させることによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2022年2月12日土曜日

長期修繕計画を更新し修繕積立金を充実させる

2022年2月も中旬に入っていきます。北京オリンピックが開催されている中、国内ではオミクロン株による新型コロナウイルス第6波がピークとなり、ようやく峠が見えてきました。重症化例は少ないと言われますが、濃厚接触者の行動制限により、社会経済が正常に機能できなくなっています。管理組合として引き続き感染防止策を継続しましょう。今回はマンションの資産価値を維持する上で重要なポイント第2弾として、長期修繕計画と修繕積立金について説明します。

区分所有者が毎月納めている修繕積立金は、長期修繕計画に基づいて決められております。国土交通省のガイドライン(9-10ページの事例)によると、241円/㎡(70㎡の場合16,870円/月)となります。皆様が毎月負担されている金額に比べて如何でしょうか?

ガイドラインより大幅に少ない場合は、積立金不足の可能性がありますので、注意が必要です。管理会社と一緒に、長期修繕計画を精査して、必要な項目が漏れなく織り込まれているか、想定工事単価が相場に見合っているかよく確認しましょう。実際に直近数年に実地された日常修繕工事が、長期修繕計画に適切な金額で織り込まれていたか?大規模修繕工事は何年周期で予定されているか?など。

マンションの資産価値を維持するためには、必要な工事を適正な金額で速やかに実施するとともに、不要不急の工事を可能な限り後ろ倒しにすることが求められます。施工業者の言いなりで、長期修繕計画で予定されている工事をすべて実施すると、積立金はすぐに枯渇してしまいます。理事会には、すぐに実施が必要な工事と、先送り可能な工事を適切に峻別し、無駄な支出を極力抑えることが求められます。

国土交通省のガイドライン(29,34ページ)でも長期修繕計画は5年毎に見直すことが奨励されています。近年では科学技術の発達により、素材の耐用年数が伸びているため、大規模修繕工事の周期を伸ばすことができます。多くの場合、竣工時に計画された周期(10~15年)より5年ほど伸ばし、15年~20年周期にできます。建物診断を受け外壁タイルに異常がなければ、長期修繕計画を見直し、足場を要する大がかりでコストのかかる工事を先延ばし、修繕積立金の充実を図っていきましょう。

足場を要する工事の周期を15年から20年に延ばすことで、60年に4回予定されていた工事を3回に減らすことができます。1回の大規模修繕工事に要する1戸あたりのコストは100万円程度かかると言われているので、1戸あたり60年で100万円のコスト削減になります。

長期修繕計画を定期的に見直し、不要不急の工事を先送りすることで、修繕積立金の充実を図り、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2022年2月5日土曜日

管理会社に優秀な社員を担当につけてもらおう

2022年も2月に入りました。オミクロン株による新型コロナウイルスの新規感染者拡大が続いております。幸い重症化のリスクは低いようですが、多くの軽症者、無症状者、濃厚接触者が重い行動制限を受けております。管理組合の活動でクラスターが発生し、行動制限を受けることがないよう、基本的な感染拡大策を徹底していきましょう!今回から3回に渡り、「マンションの資産価値を維持するためのポイント」について考えていきます。

マンションの資産価値の維持・向上に大きな影響を与えるのは以下の3点になります。

1.管理会社⇒「当マンションの担当者の能力」

2.長期修繕計画⇒「修繕積立金の充実度」

3.大規模修繕工事⇒「設計監理会社の能力」

今回は、このうち最も重要な管理会社からあてがわれる担当者の能力について説明致します。

マンションでは住民トラブル、日常修繕、管理費滞納、事故や災害など、日々様々な問題が発生致します。これに直接対応するのが、管理会社の担当者になります。次々と発生する問題を適時適切に処理することができなければ、マンションの資産価値はどんどん低下していきます。

管理会社社員の能力は個人間で大きな差があります。「管理業務主任者」や「マンション管理士」といった肩書を名刺に載せている方も多く見受けられますが、実務を遂行する上で、資格の有無はほとんど関係ありません。管理組合の立場で経験に基づき、適切かつスピーディーに業務をこなしていく力が必要となります。

理事になったら先ず、管理会社の担当者から携帯電話の番号を教えてもらいましょう。大事な時に連絡がつかないようでは担当者として意味がありません。そして担当者に対し、「今期実施予定の修繕項目とその予算額」や、「当マンションでの代表的な住民トラブル」について質問を投げかけてみましょう。(担当者であれば当然把握しているべき内容です。)

このような問題に対し、滞りなく回答が返ってくれば、仕事に対する情熱と、一定の能力が期待できます。一方、このような典型的かつ重要なテーマに対し、回答が滞るようであれば、今後適切な対応が期待できませんので、管理会社に担当者の交代を要求しましょう。

管理会社から能力の高い担当者をつけてもらうことは、マンションの資産価値を維持・向上させる上で極めて重要なことです。逆に、能力の低い担当者をあてがわれて、そのままにしていると、対価である管理委託費に見合ったサービスを享受することができないため、区分所有者からお預かりしている管理費を無駄遣いしていることになります。これでは理事としての職責を果たしているとは言えません。管理会社に対し毅然とした態度で担当者の交代を要求しましょう。(担当者が交代する場合も後任者の能力を良く見極めて下さい。)

管理会社の担当者に対し、対価に見合った働きをしてもらうことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...