2022年2月も中旬に入っていきます。北京オリンピックが開催されている中、国内ではオミクロン株による新型コロナウイルス第6波がピークとなり、ようやく峠が見えてきました。重症化例は少ないと言われますが、濃厚接触者の行動制限により、社会経済が正常に機能できなくなっています。管理組合として引き続き感染防止策を継続しましょう。今回はマンションの資産価値を維持する上で重要なポイント第2弾として、長期修繕計画と修繕積立金について説明します。
区分所有者が毎月納めている修繕積立金は、長期修繕計画に基づいて決められております。国土交通省のガイドライン(9-10ページの事例)によると、241円/㎡(70㎡の場合16,870円/月)となります。皆様が毎月負担されている金額に比べて如何でしょうか?
ガイドラインより大幅に少ない場合は、積立金不足の可能性がありますので、注意が必要です。管理会社と一緒に、長期修繕計画を精査して、必要な項目が漏れなく織り込まれているか、想定工事単価が相場に見合っているかよく確認しましょう。実際に直近数年に実地された日常修繕工事が、長期修繕計画に適切な金額で織り込まれていたか?大規模修繕工事は何年周期で予定されているか?など。
マンションの資産価値を維持するためには、必要な工事を適正な金額で速やかに実施するとともに、不要不急の工事を可能な限り後ろ倒しにすることが求められます。施工業者の言いなりで、長期修繕計画で予定されている工事をすべて実施すると、積立金はすぐに枯渇してしまいます。理事会には、すぐに実施が必要な工事と、先送り可能な工事を適切に峻別し、無駄な支出を極力抑えることが求められます。
国土交通省のガイドライン(29,34ページ)でも長期修繕計画は5年毎に見直すことが奨励されています。近年では科学技術の発達により、素材の耐用年数が伸びているため、大規模修繕工事の周期を伸ばすことができます。多くの場合、竣工時に計画された周期(10~15年)より5年ほど伸ばし、15年~20年周期にできます。建物診断を受け外壁タイルに異常がなければ、長期修繕計画を見直し、足場を要する大がかりでコストのかかる工事を先延ばし、修繕積立金の充実を図っていきましょう。
足場を要する工事の周期を15年から20年に延ばすことで、60年に4回予定されていた工事を3回に減らすことができます。1回の大規模修繕工事に要する1戸あたりのコストは100万円程度かかると言われているので、1戸あたり60年で100万円のコスト削減になります。
長期修繕計画を定期的に見直し、不要不急の工事を先送りすることで、修繕積立金の充実を図り、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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