2022年5月も終わりですね。新型コロナウイスはワクチン3回目の接種が広く行き渡り、終息が見えてきました。油断せず基本的な感染拡大防止策は続けていきましょう。今回は大規模修繕工事の周期について考えます。
大規模修繕工事とは、マンションの外側に足場を組む必要がある大掛かりな工事で、長期修繕計画では一般的に10年から15年周期で組まれています。国土交通省の調査では、1回あたり100万円/戸程度かかると言われており、第1回目を実施するタイミングは、第2回目以降の工事スケジュールにも影響を及ぼすため、慎重に検討する必要があります。
第1回目の工事は外壁(タイル)の補修や防水工事が中心になります。タイルの浮きや、水漏れがある場合は、長期修繕計画を前倒し、侵攻後10年未満でも行う必要がある一方、タイルや防水の状態が良い場合は、竣工後20年程度まで引き延ばすことができます。前者の場合は10年周期、後者の場合は20年周期となり、工事費総額は2倍近くも差が出ます。
タイルの浮きや、水漏れがあり、長期修繕計画の前倒しを余儀なくされる場合、その原因は竣工時(引き渡し前)の施工不良に原因があると考えられます。設計監理会社(大規模修繕工事のコンサル会社)の協力を得て、売主に責任を追及しましょう。このような場合、区分所有者の皆さんからお預かりしている修繕積立金で工事費用を賄うと、将来の財政が枯渇してしまいますので注意が必要です。
一方、外壁タイルのや屋上防水の状態が良い場合は、長期修繕計画通りに工事を進める必要はありません。設計監理会社の協力を得て、工事周期の延長を検討しましょう。近年の技術革新で、工事素材の質は飛躍的に向上しており、素材の耐用年数は想像以上に伸びています。長期修繕計画策定時に15年周期と想定していても、実際には20年周期に延ばすことが可能な場合もあります。細かな不具合を日常修繕で積極的に補修することで、大規模修繕工事を先に延ばし、工事総額を大幅に削減することができます。
そのためには、管理会社や設計監理会社に対し、「不要不急の工事を行わず、修繕積立金を充実させる。」という管理組合の基本方針を、日頃から伝えておくことが重要です。
可能な限り大規模修繕工事の周期を長くし、財政を充実させることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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