2024年5月25日土曜日

監事の役割について

2024年5月も最終週に入ります。夏至が近づくにつれて日が長くなりましたね。活動時間が伸びている今こそ管理組合の活動を活性化させるチャンスです。今回は監事の役割について説明いたします。



監事は理事と同様に総会で選任される管理組合の役員ですが、理事長、副理事長、会計担当理事、広報担当理事などのように、マンションの管理を執行する上での役割はありません。監事は理事会に出席して理事の仕事ぶりをチェックする役割を担います。理事が適切に業務執行を行っているかチェックすることで、間接的にマンションの管理に携わることになります。

毎年開催の総会で、監事は「業務監査」と「会計監査」を行い、監査報告書を作成して、その結果を区分所有者に報告します。

業務監査「理事の業務執行について、不正や規約に違反する事実はありません。」
会計監査「貸借対照表、収支報告書は適正と認めます。」

理事は管理会社に指示を出し、区分所有者から預かったお金を適切に使用して、日常管理を実施する権限と責任があります。理事が適切に権限を行使すれば、マンションの資産価値を維持向上させることができますが、適切に行使しなければ、マンションの資産価値を維持することはできません。監事は、理事が区分所有者から与えられた権限を適切に行使しているかチェックし、区分所有者に報告することで、間接的にマンションの資産価値維持向上に寄与しています。

チェックのポイントは、理事の業務執行が「マンションの資産価値維向上に資するかどうか?」です。監事は、理事がマンションの利益を犠牲にして、自己の利益を追求しているような場合、それを阻止する権限と責任があります。理事が自ら軽々する工務店にマンションの修繕工事を発注するなど、理事と管理組合の間で利益相反の疑いのある取引(標準管理規約37条の2)については、特に注意が必要です。

監事の役割を理解し、正しく機能させることによって、マンションの資産価値を維持していきましょう!

2024年5月18日土曜日

管理組合の目的を理解して理事を選任

2024年5月も下旬に入ります。そろそろ管理組合を本格的に稼働させるに適した過ごしやすい季節に入ります。これを機に懸案事項を解消すべく管理組合の活動を活性化させましょう!今回は管理組合を構成する「理事」の選任について説明いたします。



理事は監事と同様、管理組合総会で選任されます。理事は監事から業務執行についてチェックを受ける一方、管理会社に対し適切に指示を出す立場にあります。理事は総会で承認された予算の範囲内で業務執行する権利と義務があります。

理事の権利は区分所有者からの信頼に支えられておりますので、区分所有者からの信頼を損なう(管理組合の利益を犠牲にして、自己の利益を追求する)行為をしてはいけません。

理事になったら、管理組合の目的を再認識しましょう。管理組合の目的は、本チャンネルのメインテーマでもある「マンションの資産価値の維持・向上」にあります。

マンションの資産価値を維持するためには、理事にはそれに相応し人た就く必要があります。理事にはマンションを自らの大事な資産と捉え、その価値を維持するために、主体的に行動することが求められます。

管理組合の目的を正しく理解している区分所有者は多くはありませんが、資産価値について興味を持っている区分所有者は少なからずいます。

理事は、自薦、他薦によってそのような意識を持っている人の中から選任することが重要です。理事を輪番制にしている管理組合もあると思いますが、輪番表に固執する必要はありません。輪番を機械的に適用しているマンションンに良い管理を期待することは難しいです。

国土交通省の調査によると、報酬制度のあるマンションは全体の23.1%、報酬の平均は3,900円/月になります。(2018年マンション総合調査)しかし、管理組合の目的を正しく理解しているマンションでは報酬制度は存在しません。なぜなら、マンションの資産価値が維持されることが何よりの報酬になるからです。

適切な管理ができているマンションは、購入時と同額程度の金額で売却できるのに対し、適切な管理ができていないマンションには、購入時の半額にしても買い手は付きません。月額3,900円の報酬など貰わなくても、十分元が取れるほど大きなお金が動きます。

また、報酬の原資は区分所有者から預かっているマンション管理費です。マンション管理費は資産価値を維持するために徴収しているものなので、そこから報酬を支出すると、資産価値の低下につながります。

管理組合の目的を正しく理解し、目的達成に向け、主体的に行動できる人を理事にしましょう。適任者がいなければ、自ら理事に立候補することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2024年5月11日土曜日

管理組合の構成と役割を理解する。

2024年5月も中旬に入っていきます。ゴールデンウイーク明けの管理組合の活動は如何でしょうか?積み残し案件のあるマンションでは積極的に管理組合の活動を進めていきましょう。

前回まではマンションの資産価値に影響を与える3つの要素について説明致しました。そのうち一番影響があるのは「管理会社の担当者」ですが、最終的には「区分所有者」の当事者意識や心構えが重要であることを説明致しました。

今回からは理事、監事、管理会社など管理組合を構成する役職とそれぞれの役割について説明していきます。





先ずは、下の図をご覧頂き全体像を把握していきましょう!


理事、監事、管理会社は管理組合総会で選任されます。選任するのは区分所有者です。「理事」は区分所有者を代表して、管理業務の執行を行います。執行するといっても、実際にフロント業務や清掃、設備点検を行うのは、同じく総会で選任された「管理会社」になります。理事の業務執行とは、管理会社に対し、適切に指示を行うことになります。マンションの資産価値を維持する上で、理事の業務執行(管理会社に対する適切な指示)はとても重要です。

「監事」は区分所有者を代表して理事の業務執行をチェック(業務監査)します。理事の行動が理事個人のためではなく、マンションの資産価値をいじするためであることを、第三者の視点からチェックします。

理事が、マンションのために、管理会社に対し、適切な指示を出すことで、マンションの資産価値を維持することができます。

理事から管理会社への指示、監事から理事へのチェック機能を有効に機能させることで、マンションの資産価値を維持していきましょう!

2024年5月4日土曜日

所有者として意識を持って主体的に行動しよう!

2024年も5月に入りました。あっという間にゴールデンウイークも終わりますね。連休明け、管理組合の活動で良いスタートが切れるよう、準備を進めていきましょう。

今月は、主にマンションの資産価値に影響を与える項目をみてきました。私たちはどのようにすれば、マンションの資産価値を維持・向上させることができるのでしょうか?改めて復習していきます。


①管理会社の担当者の能力(日常のメンテナンス)

➁長期修繕計画と修繕積立金の充実(メンテナンスの実行を担保)

③大規模修繕工事の適切な実施と設計監理会社の能力(長期のメンテナンス)

このうち、もっとも高額で継続的にコストがかかるのが、管理会社への業務委託費になります。管理会社の働きはマンションの資産価値の維持向上に大きく影響を与えます。管理会社が対価に見合った働きができなかったり、管理会社の担当者の能力が対価に見合わない場合、マンションの資産価値は大幅に下落します。このような状態に陥った場合、私たちはどうすればよいのでしょうか?

最終的には、マンションの所有者の責任です。理事は区分所有者の代表者としての責任を負っています。区分所有者や理事が自分のこととして、当事者意識をもって主体的に行動しなければ、マンションの資産価値を維持することはできません。

管理会社の担当者に気持ち良く対価に見合った仕事をしてもらえるよう、最大限努力する必要があります。担当者も人間ですから、良い仕事をした時は、躊躇なく褒めましょう。時にはちょっとしたプレゼント(もちろん自腹ですが)を渡して、感謝の気持ちを伝えるのも良いでしょう。

理事が最大限努力を重ねても難し場合は、管理会社と交渉し、担当を対価に見合った仕事ができる人に代えてもらいましょう。

区分所有者、理事が「所有者」として主体的に行動することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...