2024年11月も下旬に入ります。今年も残すところあと僅かです。管理組合には様々な問題が山積しておりますが、今年のうちに解決できる案件はできる限り解決させましょう。今回は総会決議における合意形成について説明いたします。
前回、「理事会の権限は区分所有者からの信頼にある」ことを説明致しました。これを踏まえ、総会で合意形成を図るためにはどうすればよいでしょうか?総会では様々な問題が話し合われます。決算承認・予算承認・役員選任など定例の議案は満場一致で承認さえることも多いですが、区分所有者の利害が絡む議案は、総会が紛糾することも多いので対策が必要です。
例えば、管理規約の変更や、機械式駐車場の更新など、区分所有者の生活様式や積立金の値上げに関わる議案は丁寧に対応する必要があります。総会に出席する区分所有者は「物言う反対派(ノイジー・マイノリティ)」と「静かな賛成派(サイレント・マジョリティ)」に大別されます。
前者は多くの場合少数派(全体の1~3割程度)ですが、大きな声で延々と自説を主張し、議事進行を妨げます。後者は多数派(全体の7~9割程度)ですが、総会で自分の意見を述べることはなく、委任状や議決権行使書で静かに権利を行使する人が殆どです。
総会に出席する「物言う反対派」の主張に引っ張られ、多くの区分所有者が反対しているかのような誤った感覚に陥ることも珍しくありません。
理事会は、マンションの資産価値を維持するため、長期に渡り議論してきた結果を総会に上程しますので、「静かな賛成派」の協力を得て、「物言う反対派」の妨害を阻止し、議事運営を円滑に進めて行く必要があります。
「静かな賛成派」からの協力を得るためためには、日頃から理事会の活動をオープンにしておくことが必要です。区分所有者には理事会の傍聴を認め、広報活動を通じて理事会で決定したことを小まめに報告することなどが考えられます。
「物言う反対派」の妨害を阻止するためには、日頃から区分所有者に対しアンケートを実施し、区分所有者の意向を把握しておくことが必要です。
「物言う反対派」の主張が少数意見であると分かっていれば、総会の場で大声で発言されたとしても、それに動揺したり惑わされることなく、「静かな賛成派」の意向を背景に自信を持って却下することができます。
日頃から理事会活動をオープンにし、「静かな賛成派」の支持を得ることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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