2020年7月4日土曜日

理事の権限

2020年も7月に入りました。管理組合理事会に参加すると、管理会社からいくつもの議案が出され、理事が決断を迫られることが多くあります。例えば「共用部の壁が破損しています。日常修繕として対応したいのですが、よろしいでしょうか?どこの業者に発注しましょうか?」と管理会社から問われた場合どう対応すればよいでしょうか。共用部の日常修繕は区分所有者の皆様から集めたお金を元手に行いますので、他の区分所有者の意向を気にして判断を躊躇することがあると思います。

理事は総会で区分所有者から選任されています。総会は理事に向こう1年間の業務執行を委ねているのですから、選任された事実を根拠に自信を持って業務執行(管理会社への指示)を行って頂いて構いません。むしろ、区分所有者の個別的意見を気にして判断を避けたり、遅らせる行為は、全区分所有者の利益に反し好ましくありません。

しかし、総会から選任されたからといって、無制限に権限を付与された訳ではありません。総会で承認された予算の範囲内で適切に業務執行をしなければなりません。一番注意しなければならないのは、「利益相反取引の疑いがある行為を慎むこと」です。理事は自身が経営する工務店に全体共用部の日常修繕工事を発注する行為がそれにあたります。金額の大小や技術の如何に関わらず、「管理組合から理事へお金が流れる構図」は他の区分所有者から疑いをもたれる余地があるため極力避けねばなりません。

理事の権限は区分所有者からの信用や信頼に支えられています。区分所有者から疑念を持たれる行為を避けつつ、理事の行為(理事会での決議内容)を区分所有者へ報告することが大事です。この2つを順守した上で、自身を持って判断を下して頂ければと思います。

マンションの資産価値を維持するためには、理事が区分所有者からの信用をベースに、自信を持って権限を行使する必要があります。

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