2020年8月29日土曜日

機械式駐車場

 

2020年8月も最終週になりました。新型コロナウイルスは第2波が少しずつ収まって参りましたが、厳しい残暑は続いております。引き続き感染拡大防止と熱中症に注意してください。今回は「機械式駐車場」について説明致します。駐車場には自走式(平置き)と機会式に大別され、マンションは十分は駐車場用の敷地を確保することが難しいため、機械式を採用することが多くなります。機械式駐車場には「多段方式・二段方式」と「垂直循環方式・エレベーター方式」に大別され、主に、前者は屋外、後者は屋内(タワーパーキング)に設置されます。(国土交通省作成の資料「機械式立体駐車場を巡る最近の動き」参照)

機械式駐車場は複数の細かな部品を組み合わせて作られているため、定期的なメンテナンスが必要となる他、竣工後10年を経過すると故障が頻発しその都度修理代がかかります。また、30年を目安に機械式駐車場全体を新しいものに更新する必要があります。竣工から更新までの30年間の費用(メンテナンス、修理、更新等)の総額は、1区画あたり数百万円、50~60区画の場合、合計で数億円かかると言われております。

月々の駐車場収入はマンション一般会計(管理費会計)の収入とし、駐車場更新のための費用は特別会計(積立金会計)からの支出としているケースも多く、機械式駐車場だけの収支を把握することが難しい場合もあります。マンションには車を所有し駐車場契約をしている区分所有者がいる一方、車を所有せず駐車場契約をしていない区分所有者もいます。両者の利益を考慮するためには、機械式駐車場の収支管理表(竣工から更新までの30年間分)が必要になりますので、無い場合は取り急ぎ管理会社に作成を依頼して下さい。(駐車場収支の見える化)

60台収納のタワーパーキングの場合下記のような計算例が想定されます。

【収入】約3億円<18,000/月×12ヵ月×30年×80%(稼働率)×60台>

【支出】約3億円<定期メンテナンス・都度修理代1億円、更新費用2億円>

このように収支バランスがとれていれば、駐車場契約者と非契約者の利益バランスが取れているので特に問題はありませんが、稼働率が下がったり、修理代が高騰すると、収支が赤字になるため、駐車場を維持するための費用を駐車場を利用していない区分所有者にも負担させることになり、機械式駐車場を維持することが難しくなります。

マンションの資産価値を維持するためには、早期に機械式駐車場の収支を見える化し、駐車場収支がマイナスにならないように運営することが必要になります。

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