2020年11月中旬に入り新型コロナウイルスの新規感染者が急激に増えて参りました。第3波はどれほどの規模になるか現時点では分かりませんが、感染拡大防止策を行っ上で管理組合の活動を行って行きましょう。今回はエレベータのメンテナンス費用について説明致します。
エレベータは殆どのマンションについています。70~100戸を超えると2基設置されていることが多いです。居住者の安心と安全を確保するために日々のメンテナンスは欠かせません。管理組合としては、安全を確保した上で、メンテナンス費用を抑える施策を考える必要があります。
我が国のエレベータ市場は三菱・日立・東芝の3社で80%以上を占めており、これにオーチス・フジテックを加えた5社でほぼ独占している状況です。これらの「メーカー系」メンテナンス会社は他社製エレベータのメンテナンスを事実上行っておらず、メンテナンスサービスについては競争原理が働きにくい状況があります。メンテナンス費用は1基あたり月額5万円程度掛かっており高止まりしております。
競争原理を働かせるためには、メンテナンスを専業とした「独立系」メンテナンス会社への変更を視野に入れる必要があります。経験や実績は「メーカー系」と同等であり安全性に問題があることはありません。メンテナンス費用は1基あたり月額3.5万円程度に抑えることができます。(メーカー系に対し少なくとも30%程度抑えることが可能)
エレベータメンテナンスの契約形態には「フルメンテナンス契約」と「POG(パーツ・オイル・グリース)契約」があります。前者は点検時の消耗品費に加え、修理代や部品代も含む契約であるのに対し、後者は消耗品のみを含む契約になります。竣工から日が浅いマンションでは故障することが少ないのでPOG契約で十分ですが、竣工後10年以上経過するマンションではフルメンテナンス契約の方が得な場合もあります。費用総額は部品交換の頻度によりますので、どちらが有利か一概に言うことはできません。
「メーカー系」は競争原理が働かない点が最大の問題点なので、先ずは現在のサービス内容(点検頻度など)で「仕様書」を作成し、複数の「独立系」から見積書を取得することをお勧めします。同じ条件でコストが抑えられるのであれば、変更を躊躇する必要はありません。
マンションの資産価値を維持するためには、コストに見合ったサービスを受ける必要があり、エレベータのメンテナンスについても同じことが言えます。
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