2022年3月も中旬に入っていきます。新型コロナウイルス第6波はピークを越えたものの重症者数がなかなか減ってきておりません。ワクチン3回目のブースター接種が進むまで、感染症対策を徹底していきましょう。今回は管理組合を構成する理事について説明致します。
理事は監事と同様、管理組合理事会で選任されます。理事は、監事から業務執行についてチェックを受ける一方、管理会社に対し適切に指示を出す立場にあります。理事は総会で承認された予算の範囲内で業務執行をする権利と義務があります。理事の権利は区分所有者からの信頼に支えられておりますので、区分所有者からの信頼を損なう(管理組合の利益を犠牲にして、自己の利益を追求する)行為をしてはいけません。
理事になったら、管理組合の目的を再確認しましょう。管理組合の目的は、本チャンネルのメインテーマでもある「マンションの資産価値を維持・向上」にあります。
マンションの資産価値を維持するためには、理事にはそれに相応しい人が就く必要があります。理事には、マンションを自らの大事な資産と捉え、その価値を維持するために、主体的に行動することが求められます。管理組合の目的を正しく理解している区分所有者は多くはありませんが、資産価値について興味を持っている区分所有者は少なからずいます。理事は自薦、他薦によってそのような意識を持っている人の中から選任することが重要です。理事を輪番制にしている管理組合もあると思いますが、輪番に固執する必要はありません。輪番を機械的に適用しているマンションに良い管理を期待することは難しいです。
国土交通省の調査によると報酬制度のあるマンションは全体の23.1%、報酬の平均は3,900円/月になります。(2018年マンション総合調査)しかし、管理組合の目的を正しく理解しているマンションでは報酬制度は存在しません。なぜなら、マンションの資産価値が維持されることが何よりの報酬になるからです。適切な管理ができているマンションは購入時と同程度の金額で売却できるのに対し、適切な管理ができていないマンションでは購入時の半額にしても買い手は付きません。月額3,900円の報酬などもらわなくても、十分に元が取れるほど大きな金額が動きます。また、報酬の原資は区分所有者から預かっているマンション管理費です。マンション管理費は資産価値を維持するために徴収しているものなので、そこから報酬を支出すると、資産価値の低下につながります。
管理組合の目的を正しく理解し、目的達成に向け、主体的に行動できる人を理事に選任しましょう。適任者がいなければ、自ら立候補することで、マンションの資産価値を守っていきましょう!
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