2021年5月29日土曜日

役員会を有効に機能させる

2021年5月もいよいよ終わりです。オリンピック(東京2020)を2か月後に控え緊急事態宣言の延長も決まりました。感染拡大防止策を徹底した上で管理組合の活動を行いましょう!今回は役員の選任について説明します。

マンションの役員は理事と監事で構成されており、任期は各マンションの管理規約によって定められており、1年又は2年ということが多く、報酬を定めているケースもありますが、基本的には無報酬のマンションがほとんどです。

毎年3月頃、次期役員をどうするか理事会で話し合われます。まず、立候補者を募り、足りない場合は、輪番表から順番にお声がけしていく方法が一般的です。4月頃迄に理事会で役員選任案を決定し、5月頃開催の総会に上程します。総会で承認を受けて正式に選任となります。

総会での承認受けて、6月頃新メンバーによる最初の理事会が開催されます。第1回目は顔合わせと年間スケジュールを確認する程度で終わってしまうので、実質的な活動開始は夏以降になります。夏から冬にかけて何回か理事会を経た段階でもう次期役員選任の話になります。

任期が1年の場合は、ようやく慣れてきたところで交代ということになります。やり残したことも多く、名残惜しい思いがある一方、夜間や休日に時間を取られることの煩わしさから留任せず1年で退任するケースがほとんどだと思います。

理事の多くがが新任の場合、管理組合の状況を把握するのに時間がかかり、「管理会社に適切な指示を出す」という本来の役割を果たすことが難しい状況になります。管理会社に適切な指示を出すことができないと、管理組合の活動が停滞してしまうので、その点注意が必要です。

任期が2年で、毎年半数を改選する方式にすると、管理組合の事情に通じた2年目の理事が1年目の理事に引継ぎをしながら、管理会社に適切に指示を出すことができます。管理組合の運営という観点からは理想的ですが、任期が長いことで就任頂けない可能性があります。

多くの方に役員を受けてもらえるよう任期は1年としつつ、留任を推奨する方法も一つです。理事会が活性化させ良い雰囲気で運営できると、留任に応じる役員も増えてきます。理事会活動を充実させることで、好循環を作っていけるよう心がけましょう。

理事会を有効に機能させることによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年5月22日土曜日

マンションの会計を理解する

2021年5月も下旬に入ります。新型コロナウイルスは変異株の影響で緊急事態宣言の解除が、予定通り5月末に実施されるかは難しい情勢です。マンション管理組合では総会及び最初の理事会を行う時期になります。感染拡大防止策を徹底した上で準備を進めてください。今回はマンションの会計について説明致します。

理事会や総会の資料には、「貸借対照表」や「収支報告書」という書類が必ず付いています。管理組合の活動を数字の面から示す重要な資料であるため、会議では、管理会社が時間をかけて説明しますが、勘定科目や会計用語が良くわからないこともあると思います。ポイントをおさえて理解を深めて頂ければと思います。

区分は、「一般会計」と「積立金会計」の2つに分かれていることが多いです。一般会計は、管理会社(管理委託費)や、業者(日常修繕費)への支払を管理する区分、積立金会計は、長期修繕計画に基づき、大規模修繕工事の支払を管理する区分になります。

会計期間は一般的に4月1日から3月31日であることが多いです。

貸借対照表は、3月31日時点のマンションの財産の状態を示しています。

収支報告書は、1年間のお金の流れ(収入と支出)が記載されています。

貸借対照表のポイントは現金預金と未収入金になります。現金預金は不正が起こりやすい科目になりますので、銀行の預金残高と一致していることを確認していください。区分所有者が管理費の滞納をしている場合ここに表示されます。3月31日時点で未収入金がある場合、内容と現在の状態を確認してください。総会前最後の理事会時点で回収ができていなければ、遅くとも総会までには回収し、総会出席者に「期末時点での未収入金はすでに回収済みです。」と報告できるようにしましょう。収支報告書のポイントは区分所有者からの管理費収入、駐車場収入、管理会社への管理委託費になります。これら金額の大きい項目が前期と比較して数値に大きな差が無いか確認し、差があればその内容を管理会社に確認するようにしてください。

貸借対照表と収支報告書は管理会社が作成し、監事が監査をした後、総会前最後の理事会に提出されます。理事会で承認後総会に上程され、最後は総会で区分所有者が承認をします。

会計資料(貸借対照表・収支報告書)のポイントをおさえることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年5月15日土曜日

修繕積立金を適切な金額に設定する

2021年5月も半ばです。新型コロナウイルスは変異株の影響で感染者が拡大しております。管理組合は、総会後初めての理事会を迎える時期です。リモート会議を併用するなど、感染拡大防止策を万全に活動を進めていきましょう。今回は修繕積立金の設定について説明します。

【修繕積立金の積立㎡単価/月】

平均積立額 166円/㎡(東日本不動産流通機構調べ

必要積立額 202円/㎡(国土交通省調べ

月額36円/㎡の不足、70㎡の部屋で2,520円/月不足するので、平均的な大規模修繕工事の周期を15年として試算すると、45万円/戸(2,520円×12か月×15年)不足する計算です。不足したままの状態で放置すると、大規模修繕工事実施時の区分所有者が一時金として不足額を負担するか、管理組合で借入を行い将来の積立額を値上げして賄うことになります。一時金の徴収や借入実施が総会で否決されると十分な修繕工事を行うことができなくなり、マンションの資産価値を押し下げる原因になります。

毎月の積立額が平均より低い場合は、積立金不足の可能性が高いです。大規修繕工事までの長期修繕計画を策定(又は更新)し、工事に必要な金額と、工事までの年月から必要な月々の積立額を試算してください。実際に不足している場合は、毎月徴収する積立額を改定する必要があります。

それでは何故、積立額が大規模修繕工事に必要な金額より低く設定されるのでしょうか?マンション竣工後、最初の積立額を設定するのは、売主(デベロッパー)です。買主が月々負担する積立額を高く設定すると販売が難しくなるため、売主はマンションの販売を最優先し、積立額を低く設定します。従って、竣工時に設定された積立額では実際に工事で必要となる金額に満たないケースが多くなります。理事会はできるだけ早い段階で、次回以降の大規模修繕工事で必要となる額に到達するよう、月々の積立額案を総会へ上程することが求められます。区分所有者は総会でそれを速やかに承認可決し、修繕積立金が不足する状況を解消しましょう。これで一時金徴収や借入を免れることができます。

修繕積立金が不足していると、買い手が付きにくくなり、マンションの資産価値下落の原因になります。

月々の積立額を適切な金額に設定することでマンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年5月8日土曜日

マンションの資産価値とは?

2020年5月もゴールデンウイークが終わり、中旬に入るところです。新型コロナウイルスは変異株が猛威を振るっています。管理組合としては感染防止策を徹底して活動を行いましょう。

今回は、このチャンネルの1丁目1番地でもある、「マンションの資産価値」について改めて考えます。資産価値で一番わかりやすいのが、中古販売価格です。築年数や駅からの距離が中古販売価格に影響を与えますが、これらは新築時の分譲価格に織り込まれています。「マンションの資産価値を維持する」とは、築年数が経っても分譲価格を維持するとを意味しています。(中古で購入された方は、購入価格の維持が目標になります。)

Q)分譲価格を維持するにはどうすればよいのでしょうか?
A)管理を適切に行うことで、分譲価格は維持されます。

具体的な項目としては、以下の5つが挙げられます。

・管理組合(理事・監事)が適切に機能している(区分所有者の意識が高い)
・管理会社へ支払う管理委託費に見合ったサービスの提供を受けている
・近隣のマンションに比べ、㎡あたりの管理費や修繕積立金が高くない
・大規模修繕工事が適切に実施されている(設計監理会社の力量が適切)
・長期修繕計画が定期的に見直されている(管理会社の力量が適切)

区分所有者が管理組合の意義を正しく理解し、積極的に活動に参加することが最も大事です。自分の資産を自分で守る。極めて単純なことですが、自分の資産に関心が薄かったり、他人任せにしている人が多いのも現実です。分譲マンションは自らの生活を支える大事な資産であることを再認識し、中古販売価格を下落させることが無いよう、活動に積極的に参加しましょう。

管理組合の役員になって、活動に積極的に参加するというと、面倒と考える方もいますが、実際に面倒なことを実施するのは、マンション管理会社、設計監理会社(大規模修繕工事のコンサルタント)及び、それらの関連会社になります。区分所有者は毎月管理費支払って、彼らに業務を委託しているのですから、自ら面倒なことをする必要はありません。自らは、役員会での決めたことを彼らに任せ、適切に実施されているかチェックするだけです。

分譲価格(購入価格)の維持を目標に活動することで、マンションの資産価値を待っていきましょう!

2021年5月1日土曜日

大規模修繕工事の周期を延長を検討する

2021年も5月に入りました。新型コロナウイルスは第4波が勢いを増し、3回目の緊急事態宣言に入っております。管理組合は総会の時期になりますので、感染拡大防止策を徹底して臨みましょう。

今回は大規模修繕工事の周期について考えます。大規模修繕工事とは、マンションの外側に足場を組む必要がある大掛かりな工事で、長期修繕計画で一般的に10年から15年周期組まれています。国土交通省の調査では、大規模修繕工事1回あたり、100万円/戸程度かかると言われており、第1回目の工事をいつ行うかは、第2回目以降の工事スケジュールにも影響を及ぼすため、慎重に検討する必要があります。

第1回目の工事は外壁(タイル)の補修や、防水工事が中心になります。タイルの浮きや、水漏れがある場合は、長期修繕計画を前倒し、竣工後10年未満でも行う必要がある一方、タイルや防水の状態が良い場合は、竣工後20年程度まで引き延ばすことができます。前者の場合は10年周期、後者の場合は20年周期となり、工事費総額は2倍近くも差が出ます。

タイルの浮きや、水漏れがあり、長期修繕計画を前倒しを余儀なくされる場合は、その原因は引き渡し前の施工不良に原因があると考えられます。設計監理会社(大規模修繕のコンサル会社)の協力を得て、売主に責任を追及しましょう。このような場合に区分所有者の皆さんからお預かりしている修繕積立金で工事費用を賄うと、将来の財政が枯渇してしましますので注意が必要です。

一方、タイルの浮きや防水の状態が良い場合は、長期修繕計画通りに工事を進めるはありません。設計管理会社(大規模修繕のコンサル会社)の協力を得て、工事周期の延長を検討しましょう。近年の技術革新により工事素材の質が向上しており、素材の耐用年数は想像以上に伸びています。長期修繕計画策定時は15年周期と想定していたものの、実際には20年周期に伸ばすことが可能な場合もあります。細かな不具合を日常修繕で積極的に補修することで、大規模修繕工事を先に延ばし、工事費総額を大幅に削減することができます。

そのためには、管理会社や設計監理会社に対し、「不要不急の工事を行わず、修繕積立金を充実させる」という管理組合の基本的な考え方を日頃から伝えておくことが重要です。

可能な限り大規模修繕工事の周期を長くし財政を充実させることでマンションの資産価値を守ってい行きましょう!

エレベーターのメンテナンスコスト

2025年3月も終わりです。いよいよ新年度ですね。希望に胸を膨らませ新しい環境に進まれる方も多いと存じます。管理組合の活動も心機一転積極的に前に進めていきましょう!今回はエレベーターのメンテナンスコストについて説明いたします。 エレベーターはほとんどのマンションに設置されています...