2021年7月31日土曜日

理事の権限の基盤理解する

 

2021年7月も最終日。新型コロナウイルスは第5波で4回目の緊急事態宣言が発出されている中、東京オリンピック(東京2020)が開幕されております。ワクチンが希望者全員に行き渡るにはもうしばらくかかりそうなので、管理組合としては引き続き感染拡大防止策を徹底していきましょう。今回は理事権限について説明致します。

理事は、理事会で管理会社から多くの判断を迫られます。理事会が2ヵ月に1回のペースで開催されると、2ヵ月間に溜まった諸問題について、まとめて判断をすることになります。区分所有者からの苦情や管理費滞納への対応や、日常修繕への対応など多岐に渡ります。

基本的には、総会で承認された予算の範囲で実施することになりますが、マンション内で生じる問題の多くは其々個別の事情があり、判断が難しいこともあります。これを公平性を考慮しながら解決してくため、理事には大きな裁量が与えらえれおります。

判断が難しい、責任を取りたくないなどの理由で、判断を先送りしてしまう傾向もありますが、判断を遅らせている間に状況は悪化し、問題が大きくなります。マンションの資産価値にも影響が出ますので、そのような対応は好ましくありません。適時に判断することが重要です。

理事は、総会で選任されておりますので、基本的には自信を持って判断頂くことで問題ありません。理事の権限の基盤は区分所有者からの信頼にあります。どうしても判断に困った場合は、「区分所有者の信頼に応えられるか」という観点で判断しましょう。

区分所有者は理事が管理組合のお金を使って「私腹を肥やしているのではないか?」という疑念を持っています。理事が自らの利益のためではなく、管理組合の為に行動していることが明らかにすることで、区分所有者の疑念を解消すれば全く問題ありません。

理事が判断したことについて、区分所有者に報告すれば、問題が起こることはありません。理事会後、主要な議案について報告書を作成しましょう。内容は議事録から抜粋する程度で問題ありません。

区分所有者からの信頼を基盤に、適時適切に判断を行うことによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年7月24日土曜日

管理会社との関係性を築いていく

2021年7月も下旬に入りました。東京オリンピック(東京2020)が1年遅れで開幕しましたが、ワクチン接種が遅れていることもあり、新型コロナウイルスの感染拡大は続いています。管理組合としても、引き続き感染拡大防止策を徹底しましょう。今回は管理会社との関係性構築について説明します。

マンション内では日々いろいろな問題が生じています。どんな問題が生じているか把握し、ひとつづつ解決していく必要があります。但し、理事が直接実務するわけではありません。ほとんどのことは、管理委託契約に基づき、管理会社が実施します。

管理会社は管理組合理事会の決定に基づき管理実務をします。理事が理事会で管理会社に対し適切な指示を出すことが必要になります。「適切な指示」は何を基準に出せばよいのでしょうか?マンション管理組合の目的は、「マンションの資産価値の維持・向上」にありますので、「マンションの資産価値を維持・向上させるためにはどうすればよいか?」という観点から指示を出すのが良いと思います。

管理会社の担当者は複数のマンションの管理を兼務しています。マンションの規模にもよりますが、7棟から10棟程兼務しているといわれています。1週間のうち自分のマンションの業務に割けるのは1日あるかないかです。このような状況の下、管理会社は自ら積極的に問題解決に動くことはありません。問題を解決していくためには、理事会が積極的にアプローチする必要があります。

マンション内で生じている問題を把握し、解決していくためには、管理会社担当者とのコミュニケーションが重要になります。日々、電話やメールで密接に連絡を取り合い、現在マンションで生じていることを話し合い、マンションの資産価値を維持・向上させるためにはどうすればよいか?について共通認識を持つことが重要です。

2ヵ月に1回程度開催される理事会で、管理会社に適切な指示を出すためには、次回理事会までの間に管理会社に管理組合としての意向を伝え、管理会社からアドバイスを貰い、適切に下準備を行う必要があります。

管理会社とコミュニケーションを密にし、関係性を築いていくことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年7月17日土曜日

1年間の流れを確認する

 2021年7月も中旬に入り、東京オリンピック(東京2020)の開幕があと1週間を切りました。新型コロナウイルスは第5波が本格化し、第4回目の緊急事態宣言が発出されております。管理組合としても引き続き感染拡大防止策を徹底していきましょう。今回は管理組合の1年間の流れについて説明致します。

3月決算のマンションでは最初の管理組合理事会が開かれたころだと思います。これから1-2ヵ月に1回の頻度(年6回~8回程度)で理事会が開催されます。マンションでは日々様々問題が生じます。前回の理事会終了後に生じた苦情(騒音・タバコ・ペット)や、劣化に伴う不具合への対応をまとめて協議して、注意喚起文の掲示や、日常修繕の実施等を決めていきます。

※管理組合の年間スケジュール

5月 定時総会で、決算・予算が承認され、役員が選任される

6月 第1回定例理事会で、前任者からの引継を受け、役職を互選で決める

8月 第2回定例理事会で、夏祭り等を企画し、区分所有者の交流を深める

10月 第3回理事会で、防災訓練などを企画し、有事や災害に備える

12月 第4回理事会で、クリスマス会など交流を深めるイベントを企画する

2月 第5回理事会で、自薦他薦で次期役員候補者を募る

4月 総会前最後の理事会で、決算案、予算案、次期役員案を決める

苦情や不具合は定期的に発生しますので、上記のようなスケジュールを組んで、理事会を定期的に開催していく必要があります。特に、竣工後10年以上経つマンションでは、劣化に伴う不具合が高い頻度で発生しますので、その点留意が必要です。また、近年では気候温暖化に伴う水害が全国的に発生しいるため、自然災害への備えや対応も重要になっております。

適切な頻度で理事会を開催し、絶えず生じる諸問題へ適切に対応することで、マンションの資産価値を守っていきましょう。

2021年7月10日土曜日

理事の役割を理解する

2021年7月も中旬に入り、東京オリンピック(東京2020)の開幕も2週間を切りました。新型コロナウイルスは第5波に入ったいわれており予断を許さない状況です。管理組合として引き続き感染拡大防止に努めていきましょう。今回は理事の役割いついて説明致します。

総会で選任を受けた理事による、第1回目の理事会が開催された管理組合もあると存じますが、如何でしたでしょうか?監事と一緒に、管理会社から説明を受け、理事長、副理事長、会計担当理事等の役職を決め、なんとなく終わってしまったケースが多いと思います。

理事は「総会での決定事項に基づき業務執行を行う」役割を担っていまが、実際に現場で仕事をするのは、管理会社になります。それを踏まえると業務執行の内容は、同じく総会で選任された「監事のチェックを受けながら、管理会社に適切な指示を行う」ことになります。

理事の役割は、管理会社を通じて業務執行することになります。理事がマンションの管理業務(事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物設備業務など)を適切に執行するためには、管理会社との関係性が大変重要になります。管理会社の担当者(フロント担当)は、複数のマンションの管理組合を担当しています。管理組合と関係性が薄く、疎遠になると、自分たちのマンションに対して時間を割いてもらうのは難しくなります。すべて管理会社任せにして放っておくと、他のマンションの業務を優先され、自分たちのマンションの業務が後回しになり、気付いたら前回の理事会以降、何の仕事もしていなかったということも考えられます。

理事の一番の役割は、管理会社の担当者と良好な関係を築くことにあります。良好な関係を築いた上で、管理会社の担当者から適切なアドバイスを受けるとともに、適切に指示を出すことで、マンション管理業務が円滑に進んていくことになります。

理事には管理会社から対価に見合ったサービスを引き出すことが求められています。しかし、管理会社の担当者も人間です。苦情をぶつるだけでは愛想を尽かされてしまいます。良い仕事をしてもらったときは感謝の意を伝え、時には贈り物(もちろん理事個人の自腹ですが)をしてみるとよいと思います。次第に自分たちのマンションの優先順位が上がってきます。

理事の役割を正しく理解し、管理会社に気持ちよく仕事をしてもらうことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年7月3日土曜日

監事の役割を理解する

2021年も7月に入りました。東京オリンピック(東京2020)の開幕が目前に迫る中、新型コロナウイルスの新規感染者は増加傾向にあります。引き続き感染拡大防止に努めていきましょう。今回は監事の役割について説明致します。

今期初めての役員会は既に開催されましたか?3月決算の管理組合では、総会をの選任を経て新メンバーによる役員会が開催されるタイミングです。役員の中には理事長、副理事長、監事などの役職があります。監事はどのような役割を担っているのでしょうか?

監事は総会で行われる「監査報告」の中で、「貸借対照表・収支計算報告書は適正と認めます。理事の業務執行について不正行為や規約に違反する事実はありません。」と述べます。これは、監事の役割である会計監査と業務監査の結果を区分所有者に報告するものになります。

会計監査→決算書(貸借対照表と収支計算書)が適正

業務監査→理事の業務執行が適切

監事は、決算書と理事の業務の適否を区分所有者に報告する義務を負っています。決算が適正であるというのは分かりやすいですが、「理事の業務が適切」とはどういうことでしょうか?

理事は区分所有者から預かった管理費と修繕積立金を使用して日々業務執行を行っています。理事が管理組合のために業務を発注する際、安い金額でできるよう交渉しますが、発注先が理事が経営する会社の場合、「理事が自らの利益を優先させているのではないか?」という疑念が生じます。そのような場合、理事と管理組合は利益相反の関係にあることになります。監事が利益相反取引に気付いた場合は、管理組合の財産を保全するため、一旦、取引を停止する必要があります。

取引に至った経緯や、取引額について精査する必要があります。精査の結果、特に問題が認められなかった場合でも、区分所有者に疑念を抱かせる行為は慎むよう指導することが求められます。管理組合の財産を保全するため、監事は重要な役割を担っています。

監事の役割を正しく理解し、チェック機能働かせることで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

理事会の運営方法を工夫しよう!

2024年11月も最終週に入ります。今年も残り僅かですね。管理組合では常に様々な問題が発生しております。今年のうちに解決すべき積み残し案件については、速やかに進めて参りましょう。今回は理事会の運営方法について説明いたします。 理事会は1~2ヵ月に1回の頻度で役員(理事・監事)が一...