2021年3月20日土曜日

契約不適合(瑕疵)には管理会社の属性を理解して対応

 

2021年3月も下旬に入ってきました。緊急事態宣言が解除されようとしていますが、新規感染者数は下げ止まっております。第4派にならないよう感染拡大防止に努めていきましょう。今回は実践編として、契約不適合(瑕疵)を発見した場合の対応方法について説明致します。

マンション竣工から10数年後に予定される第1回目の大規模修繕工事までの間には、どのマンションでも大なり小なり契約不適合(瑕疵)は必ず生じます。その時、管理組合がどのように対応するかによって区分所有者が負担するコストに大きな違いが生じるので注意が必要です。

売主に対して責任を追及する根拠は、アフターサービス契約や住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)が挙げられます。躯体10年、水回り5年、その他2年が一般的な保証期間です。しかし、この期間内に発見できるとは限りません。売主は期間を1日でも過ぎれは責任を回避しますが、売主としての責任が無いわけではありません。売主には完成品を売る義務が有るにもかかわらずそれを果たせていない以上、管理組合は売主に対し責任を追及する必要があります。保証期間が過ぎている場合、満額の請求は難しいかもしれませんが、その場合でも売主に補修費用の一部は負担させるべきです。管理組合と売主(デベロッパー)の交渉事になります。

交渉を進めて行く上で、管理会社のサポートは欠かせません。但し、管理会社の属性によってサポートの仕方が全く異なりますので留意が必要です。

・デベロッパー系管理会社(売主と資本関係あり)

・独立系管理会社(売主と関係なし)

デベロッパー系管理会社は、売主の子会社やグループ会社になりますので、顧客である管理組合より親会社の意向を優先させます。管理組合が売主に責任追及する場合、表向きは顧客の立場で売主に対峙しますが、実際は本気で売主を相手に交渉することはありません。従って、管理組合としては、売主と対峙するのではなく、売主グループとして管理会社に対し責任追及するのが有効です。共用部を管理しているのは管理会社であるため、管理会社は管理組合に対し保証期間内で契約不適合(瑕疵)を報告する義務があります。それを怠ったことが保証期間を過ぎた原因であれば、その責任は管理会社にあります。管理委託契約の善管注意義務違反を根拠に管理会社に責任を追及し、グループ内で解決させるのが有効です。

独立系管理会社は、売主と資本関係ありませんので、売主に何ら遠慮する必要はありません。顧客である管理組合とともに売主に責任を追及することは可能です。しかし売主の懐に入って交渉することは難しく、管理組合とともに試行錯誤で交渉していくことになります。独立系の管理会社と契約をする際は、契約不具合(瑕疵)への対応姿勢を予め確認し、管理組合の立場に立って一緒に闘ってくれるか確認する必要があります。「保証期間が過ぎているからダメですという」姿勢であればデベロッパー系管理会社と変わりませんので意味がありません。顧客(管理組合)の為に顧問弁護士と伴に売主に対峙する姿勢が求められます。

契約不適合(瑕疵)には、管理会社の属性を理解した上で、売主に責任を追及することで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

2021年3月13日土曜日

機械式駐車場の稼働率を注視する

2021年3月も中旬に入ります。新型コロナウイルス第3波が下げ止まっている状況ですが、第4波を起こさないよう感染拡大防止策を徹底していきましょう。前回は時事問題としてWEB会議システムについてお伝えしました。今回は各地で色々な問題が起きている機械式駐車場について説明します。

機械式駐車場とは、限られたスペースに多くの車を駐車できるようにするための構造物です。可動式の構造物であるため、エレベーター同様、使用するにあたっては、常にメンテナンスが必要であるという特徴があります。点検や部品の交換、本体の更新に多額のコストが必要です。これらのコストは、主に駐車場利用者から徴収する駐車場使用料で賄っております。

1990年代は車を保有する家庭が多く、自治体が附置義務(駐車場数の下限)を定めていたこともあり、分譲マンションには積極的に設置されておりました。2000年代に入ると、高齢化や若者の車離れが進み、車を保有しない家庭が増え、駐車場の契約数が減ってきました。

車の保有台数が減ったことにより、機械式駐車場に空きが増え、駐車場収入の減少する傾向にあります。一方で機械式駐車場のメンテナンスコストは空区画の分も含めて継続して掛かります。機械式駐車場メーカーやメンテナンス業者が淘汰されていることから、メンテナンスコストは増加の傾向が見られます。(また、業者の統廃合により今までと同じサービスが受けられないという問題も出てきております。)

駐車場収入の減少とメンテナンスコストの増加で、管理組合の収支が圧迫されている状況が見られるようになりました。空区画とメンテナンスコストの問題を考えると、今後は、機械式駐車場の一部又は全部を解体し、平置きの駐車場に変更も視野に入れる必要があります。

管理組合としては、駐車場の稼働率に注視し、駐車場収入とメンテナンスコストのバランスを確認する必要があります。駐車場収支が赤字になると一般会計から補填することになり、マンションの資産価値を押し下げてしまいます。メンテナンスコストを確保するためには、最低何台の契約が必要なのかを計算し、契約数がそれを下回った段階で、機械式駐車場の減築を検討しましょう。

稼働率に応じて機械式駐車場を減築することで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

2021年3月6日土曜日

WEB会議システムの有効活用する

2021年早くも3月に入りました。新型コロナウイルスの新規感染者は大分落ち着いて参りました。管理組合として引き続き感染拡大防止策を実施していきましょう。今回は時事問題について説明致します。2021年1月29日に国土交通省で開催された検討会標準管理規約の改正案が議論されました。コロナ禍の総会や理事会の開催方法をを整理する狙いがあります。

昨年の4月から5月にかけて緊急事態宣言が発出されましたが、3月決算の管理組合では総会の開催時期に重なりました。3密を防ぐことが求められる中、標準管理規約42条3項に従って必ず5月中に総会を開催しなければならないのか?が議論になりました。止むを得ず人を集め例年通りのスタイルで総会を開催した管理組合も多かったのではないでしょうか?

標準管理規約を冷静に読んでみると、リアルの会議室で開催することを義務付ける記述はなく、WEB会議システムを用いた会議を禁止する記述もありません。現状の管理規約を変えることなく、WEB会議システムを用いて3密を防止する形で総会を開催することは可能です。

それでも、パソコンや通信回線を所有しておらず、WEB会議システムを使用することができない方(IT弱者)がいる場合は、リアル会議をを併用するなど、IT弱者への配慮も必要になります。一方、リアル会議を併用する場合は、リアル会議散会者数によっては3密を防ぐことが困難であったり、管理組合として新たにIT機器(ビデオ会議システムなど)を準備する必要があるなどの問題が生じます。

そこで、緊急事態宣言下でも総会を延期することができないか?が論点になりました。この点、総会提出議案は理事会で決議するとする標準管理規約54条四号を根拠に、理事会で通常総会の延期議案のみ決議すれば事実上延期することができると解釈することで、状況が落ち着くまで延期した管理組合もあったと思います。但し、総会の延期ができることを示す明確な記述はなく、曖昧さが残る不安定な状況でありました。

今回、国土交通省の検討会で示された標準管理規約改定案では、理事会及び総会は、WEB会議会議システムを用いた会議を含むことを明文化するとともに、感染症拡大防止のために総会を延期できることも明文化しております。いずれも当然のことを敢えて明文化したに過ぎませんが、理事が安心して当然の判断を下せる点でとても優れた案だと考えております。

管理組合としてはこれに留めるのではなく、非居住の区分所有者も容易に参加できる「WEB会議システムを用いた会議」を、理事のなり手不足解決の手段として積極的に活用しましょう。ヤル気のある非居住の区分所有者を理事会取り込むことで、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年2月27日土曜日

管理組合を有効に機能させる

 

2021年2月も終わりになります。新型コロナウイルス感染拡大防止策を引き続き実施頂くようお願い致します。今月は管理組合の構成と関係性について説明してきました。今回は管理組合を有効に機能させるにはどうすれば良いか考えていきます。



管理組合を有効に機能させるためには、その構成と関係性を正しく理解する必要があります。管理組合は全区分所有者から選任された管理会社、理事、幹事によって構成されており、監事からチェックを受ける理事が、管理会社に適切な指示を出すという形で業務執行を行い、管理会社は理事の指示通りに運営することで、管理業務を実行していく関係にあります。


【ポイント】

①区分所有者から信頼を受けた理事が、(利益相反取引をしない)

②自ら主体的に管理業務を執行を行い、(輪番だけでなく立候補)

③管理会社が対価に見合う働きをする。(管理会社へ適切な指示)


区分所有者から信頼を得た理事が自ら主体的に動くこと、管理会社に対価に見合う働きをする能力があることが要件になります。理事と管理会社がキーになることは間違いありません。

管理組合の構成と関係性を正しく理解し、有効に機能させることで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

2021年2月20日土曜日

監事の役割を正しく理解する

 

2021年2月も後半に入ります。一日も早く感染が終息するよう怠りなく対策を続けましょう。今月は管理組合の構成と関係性をテーマにしておりますが、今回は監事の役割について説明致します。マンションの監事の業務にはあまり馴染みがないと思います。一言でいうと、「マンションの業務監査と会計監査」ということになりますが、そもそも監査とは何でしょうか?

監事は理事と同様、マンションの役員ですが、理事長、副理事長、会計担当理事、広報担当理事、風紀担当理事などのようにマンションの管理を行うための具体的な役割はありません。監事は理事会に出席し理事の仕事ぶりをチェックするという役割を担っています。理事が適切に仕事をしているかチェックすることによって、間接的にマンションの管理に携わっています。

年一回開催される総会で、監事は業務監査と会計監査の結果を区分所有者に報告します。

(監査報告書)

業務監査 「理事の業務執行について不正や規約に違反する事実はありません。」

会計監査 「貸借対照表、収支決算報告書は適正と認めます。」

理事は管理会社に指示し、区分所有者から預かったお金を使って日常管理を行う権限と責任があります。理事が権限を適切に行使すれば、マンションの資産価値を維持向上させることができますが、適切に行使しなければ、マンションの資産価値を維持することはできません。監事は、理事が区分所有者から与えられた権限を適切に行使しているかチェックし、区分所有者に報告することで、間接的にマンションの資産価値維持向上に寄与していると言えます。

チェックのポイントは、理事の業務執行がマンションの資産価値を維持向上に資するかどうかです。監事には理事がマンションの利益を犠牲にして自己の利益を追求しているような場合は、それを止める責任があります。理事が自ら経営する工務店にマンションの修繕工事を発注するなど、理事と管理組合の間で利益相反の疑いのある取引(標準管理規約37条の2)については特に注意が必要です。

監事の役割を理解し、正しく機能させることによって、マンションの資産価値を守っていきましょう!

2021年2月13日土曜日

管理組合の活動目的を正しく理解して理事を選任

 

2021年2月も中旬に入っていきます。引き続き感染拡大防止を心掛けて参りましょう。今月は管理組合の構成と関係性についてをテーマにしております。管理組合の業務執行を担う「理事」について説明致します。

理事は、管理会社や監事と同じく総会決議で選任されます。管理組合では、監事から職務執行についてチェックを受ける一方、管理会社に対して適切な指示を出す役割を担っています。理事は総会で決めれた予算の中で、管理業務を執行する権限を持っています。執行権は総会を構成する全区分所有者の信頼がベースにありますので、区分所有者の信頼を損なうような(管理組合の利益を犠牲にして、自己の利益を追求する)行為は慎まねばなりません。

理事は区分所有者が順番で就任する輪番制度や、報酬制度がありますが、先ずは管理業務を執行する上で、管理組合の活動目的を正しく理解する必要があります。管理組合の活動は本チャンネルのテーマでもある「マンションの資産価値の維持・向上させること」にあります。

マンションの資産価値を維持させるためには、理事にはそれに相応しい人が就く必要があります。マンションを自分の大事な資産を考え、その価値を維持するために主体的に行動する人でなければなりません。マンション管理組合の目的を正しく理解している区分所有者は多くはありませんが、マンションの資産価値の維持・向上に関心を持っている人も少なからずおります。総会としては、自薦、他薦によってそのような人の中から選任することが大事です。輪番に固執する必要がありません。輪番表を機械的に適用しているようで良い管理は期待できません。

国土交通省の調査によると、報酬制度があるマンションは全体の23.1%、報酬の平均は3,900円/月になります。(2018年マンション総合調査)目的を正しく理解している管理組合では報酬制度は存在しません。自ら所有するマンションの資産価値の維持向上が何よりの報酬だからです。適切な管理がなされているマンションは購入時とさほど変わらない金額で売却できますが、適切な管理がなされていないマンションは半値でも売れません。月額報酬とは比べ物にならなない大きな額が動きます。理事就任受諾の動機が月額3,900円の報酬では心もとありません。また報酬の原資はマンションの資産価値を維持向上するために区分所有者から預かっているお金になりますので、報酬を支出することは管理組合の目的に逆行することにもなります。

管理組合の目的を正しく理解し、目的達成のために主体的に行動できる人を理事に選任することでマンションの資産価値を守って行きましょう!適任者がいない場合は立候補しましょう。

2021年2月6日土曜日

管理組合の構成と関係性を理解する

 

2021年も2月に入りました。新型コロナウイルスの新規感染者は少しずつ減ってきました。このまま終息に向かうと良いのですがまだ予断は許しませんね。管理組合としては感染拡大防止策を徹底した上で業務をしていきましょう。

1月はマンションの資産価値維持向上に影響を与える3つの要因について説明致しました。そのうち、一番影響を与えるのは「管理会社担当者の能力」ですが、結局は所有者を代表する理事の心構えが重要になることをお伝え致しました。

2月は理事や管理会社をはじめ管理組合を構成する役職とそれぞれの関係について説明していきます。今回は下記の図を使って全体像を把握して頂けれると幸いです。

管理会社・理事・監事は、総会で区分所有者から選任されます。区分所有者は自らの資産価値を維持向上させる目的で、其々を選任します。理事は区分所有者を代表して管理業務を執行します。執行するといっても、実際にフロント業務を行ったり、清掃を行ったりするわけではありません。それらの業務を実施するのは、管理会社の担当者になります。理事は管理会社(各担当者)が適切に管理業務を行うため、管理会社に対し指示を出す役割を担っております。区分所有者に代わって管理会社を指導監督するため、その責任は重大です。マンションの資産価値が維持向上できるよう、管理会社に対して適切に指示を出す必要があります。監事は理事が管理会社に出す指示が適切かどうかをチェックします。

理事が適切に指示し、管理会社(担当者)がそれを的確に実行することができれば、マンションの資産価値を維持・向上させることができます。

理事から管理会社への指示、監事から理事へのチェックを有効に機能させることで、マンションの資産価値を守って行きましょう!

所有者としての主体的に動く

2026年も8月に入りました。今年も盛夏で全国各地で酷暑日が続いております。大気が不安定な状況なので、突然のゲリラ豪雨による冠水がマンションへの浸水に繋がるケースも見られます。地方自治体が発行しているハザードマップを参考にして治水対策を進めていきましょう。今回は、マンションの資産...