2020年10月17日土曜日

ペットの飼育

2020年10月も半分が過ぎました。新型コロナウイルス感染者数も再び増加傾向にあり、第3波の到来が心配されます。感染予防対策を十分取った上で、組合活動を行っていきましょう。今回はペットの飼育について説明致します。

近年ペットを飼う人が増えてきていることを受け、マンションでも対応が少しずつ変わってきています。国土交通省のマンション総合調査(2018年)(163ページ参照)によると、飼育を容認しているマンションが49.3%に対し、禁止しているマンションが40.3%となっております。1999年迄は飼育禁止のマンションの方が多数派でしたが、2000年を飼育を容認するマンションの方が多くなっております。

このような社会情勢の変化を受け、マンションの資産価値維持・向上の観点からは、使用細則でルールを定めた上で、管理規約でペットの飼育を容認することが望ましいと考えます。

・飼育条件⇒犬、猫、観賞用の小鳥・魚類など種類と、1住戸あたりの飼育数を定める。

・遵守事項⇒飼育場所は専有部分内のみとし、専有部分を出る際は専用の容器に入れる。

・飼育届出⇒「ペット飼育承認申請書」を管理組合に提出し、理事会の承認を得る。

・罰則⇒他の居住者に迷惑を及ぼす場合は、警告・指示・勧告・承認取消を行う。

このような運用することで、ペットを飼いたい人、動物が苦手な人、其々が安心して居住できる環境を整えることができます。

マンションの資産価値を維持するためには、動物が苦手な居住者に配慮したルールを制定し、飼育者にルールを遵守してもらうことが必要となります。

2020年10月10日土曜日

インターネット掲示板

 

2020年10月も中旬に入り気温が大分下がって来ました。新型コロナウイルスが終息しない中、インフルエンザの流行期が近づいています。早めにワクチンの予防接種を行い対策を強化して下さい。今回はインターネット掲示板について説明致します。マンションには多くの連絡・注意・周知があり、印刷物をエントランスやエレベータ内に掲示したり、各戸に投函することで行っています。

掲示は詳細を把握することが難しく、投函は全戸分を印刷する手間とコストがかかるという欠点があります。これを補完するためのコミュニケーションツールがインターネット掲示板です。掲示を直ちに廃止することは難しいですが、インターネット掲示板を併用することで、効率的かつ効果的に連絡・注意・周知の目的を達成することができます。

インターネット掲示板の主な機能

掲示板⇒区分所有者や賃借人が掲示物をインターネット上で確認することでより詳細を把握することが可能となり連絡・注意・周知の効果が上がる。紙資料が減りコストを削減できる。

意見箱⇒区分所有者や賃借人から管理組合へ要望や質問がしやすくなる。(意見収集)

書庫⇒管理規約・議事録を必要な時に確認することができ、紙資料の保管整理が不要になる。

スケジュール⇒年間行事や大規修繕工事の流れをいつでも確認することができる。

「必要な情報を必要な時に確認できる」のがインターネット掲示板の最大の特徴になります。また、インターネット掲示板を介して情報をやり取りすることで、電話番号やメールアドレス等の個人情報を管理会社や他の区分所有者に公開する必要も無くなるので、プライバシーやセキュリティ保護の観点でもメリットがあります。

インターネット掲示板の具体的なサービス事例としては、国土交通大臣指定のマンション管理適正化推進センターが運営する「マンションみらいネット」(年間使用料2万円)の他、ニュースビット社が運用する「マンボー」(使用料無料)が挙げられます。

マンションの資産価値を維持するためには、プライバシーやセキュリティに配慮しつつ、効率的かつ効果的な情報伝達(連絡・注意・周知・意見収集)が求められます。

2020年10月3日土曜日

管理委託契約書

 

2020年も残り3ヵ月になりました。Withコロナの新しい生活様式を取り入れて行きましょう。今回は管理委託契約書について説明します。これは管理組合と管理会社の間で結んでいる契約書になります。管理組合が管理会社に委託している業務の内容が記載されております。管理組合は管理会社に対し、毎月定額の管理委託費を支払っております。毎月どれほどの金額が支払われているのか?支出に見合ったサービスの提供を受けているか?確認しましょう。

国土交通省がマンション標準管理委託契約書を公表しています。殆どのマンションではこれを雛型に作成しておりますので、先ずは、標準管理委託契約書を確認し、その上で自分たちのマンションの契約書の写しを取り寄せ内容を比較するとより理解が深まります。標準管理規約と内容が異なる部分があれば、管理会社にその理由を確認しましょう。

管理事務の内容及び実施方法(第3条)として、事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物・設備管理業務の4つの内容が別表にまとめられています。契約書の内容通りに実施されているか一つづつ確認しましょう。実際には実施されていない業務が含まれている場合は、必ず実施してもらうか、管理委託費の減額を要求しましょう。

緊急時の業務(第8条)として、災害又は事故時は管理組合の承認を受けることなく業務を実施することができる(事後報告は必要)旨規定されています。「理事と連絡が取れなかったので適切な対応ができませんでした」などの言い訳がでできないようになっているので、理事会から管理会社に対し、緊急時は管理委託契約に基づいて適切に対応頂くよう日頃から確認しておくことが重要になります。

有害行為の中止要求(第11条)として、規約に反する行為や他の区分所有者に迷惑をかける行為については、管理組合に代わって注意喚起できる旨規定されています。ペット、騒音、タバコなどマンションでは様々な迷惑行為が発生します。これら一つづつについて理事会の承認が無ければ注意喚起できないとすれば、対応が遅れ大きな問題になります。理事会から管理会社に対し、迷惑行為については管理委託契約に基づいて適切に対応頂くよう日頃から確認しておくことが重要になります。

管理規約の情報提供等(第14条)として、宅地建物取引業者の求めに応じて管理規約や滞納情報、修繕情報を提供できる旨が規定されています。これは区分所有者がマンションを売却する際必要なことですが、この情報はマンションの資産価値に影響を与えるため、注意が必要です。管理会社が宅建業者にどのような情報を提供しているのか管理組合としてきちんと把握する必要があります。宅建業者に提供する情報は理事会で予め確認しておきましょう。

マンションの資産価値を維持するためには、理事会が管理委託契約書の内容を正しく理解し、管理会社に対し適切に運用して頂くよう求めることが重要です。

2020年9月26日土曜日

管理書類の電子化

 

2020年9月も最終週に入りました。雨や曇りの日も多く気温は大分下がって来ました。コロナ禍少しずつ通常の活動を再開されている管理組合もあると思います。感染拡大防止策は万全に行って下さい。今回は管理書類の電子化について説明致します。

マンションには多くの管理書類が存在します。マンション内に正式な書類保管倉庫があることは珍しく多くの場合は、集会室や管理員室の戸棚、管理会社内、理事長宅に保管されているのではないでしょうか?このような必要な時に必要な書類を直ぐに探し出すことは難しいと思われます。特に竣工から10年以上経っているマンションでは相当な量になっていると思います。

管理組合関係者(区分所有者、監事、理事、管理会社など)が其々必要な資料を必要なときに直ぐに閲覧できる体制を整えておく必要があります。

※主な管理書類

・議事録類(総会議事録、理事会議事録、委員会議事録)

・周知文(注意喚起、案内など)

・管理規約、使用細則(最新のもの)

・長期修繕計画書、図面など

・契約書類(管理委託契約書、重要事項説明書など)

今後、署名押印の電子化が一般に普及すれば、原本そのものを電子化することも可能ですが、現段階では紙原本をPDF化したものを「事実上の原本」とし整理保管するのが現実的です。電子化(PDF化)することでWEB上に保管することが可能になり、区分所有者、監事、理事、管理会社が其々の立場で必要な書類を必要な時に使用することができるようになります。

セキュリティや権限設定をどのようにするかが問題になりますが、電子掲示板を安価(場合によっては無料)で提供するサービスも出てきておりますので、先ずはこれらのサービスを理事会のメンバーで試用しては如何でしょうか。管理会社に電子化(PDF化)した書類をWEB上にアップして貰い、理事各位が実際に利用することで、セキュリティや権限設定の問題点を洗い出し、特に問題が無い状態で一般の区分所有者に開放する方法で進めるのが良いと思います。

マンションの資産価値を維持するためには、管理に必要な書類を必要な時に閲覧できる体制を整える必要があります。

2020年9月19日土曜日

騒音苦情対策

 

2020年9月も中旬に入りました。少しずつ気温も下がって来ましたので避難訓練などを企画しては如何でしょうか?動画も併用するなど、新型コロナ感染拡大にも配慮しながら通常の生活を取り戻していきましょう。今回はマンションの騒音苦情対策について説明致します。理事会に持ち込まれる苦情のうち、騒音(子供・ペット・楽器・スピーカーなど。)に対するものは多くありますが、音の発信源が特定できないことも多く、どのように対応すればよいか理事会でも対応に苦慮することが多いと思います。

マンションで発生する音は、大きく分けると空気伝搬音と固体伝搬音に分かれます。

・空気伝搬音⇒ペットの鳴き声、話し声、管弦楽器・室外からの騒音・スピーカーからの音

・固体伝搬音⇒歩行音・ドアを閉める音・換気扇の音・打楽器・スピーカーからの重低音

空気伝搬音は「音」、固体伝搬音は「振動」というイメージです。空気伝搬音は隣室に届く程度ですが、固体伝搬音は建物の構造(床・天井・壁・梁・配管など)を伝わり、隣室を超えた先まで届くという特徴があります。音の発信源が特定できない理由はここにあります。隣室からの騒音と思っていたところ、実際は想像を超えるほど遠くから伝わっていたということもあります。(配管が糸電話の糸の役割を果たし遠くから音が伝わる)

隣室からの音だとの思い込みが無用な誤解を生み、トラブルに発展する可能性がありますので、先ずは、区分所有者の皆さんに「マンションの構造による音の伝わり方」を理解して頂く必要があります。理事会に苦情が持ち込まれた場合、直ぐに隣室に注意を促すのではなく、区分所有者全員に対し、音の伝わり方を周知するところから始めましょう。これにより被害者・加害者とも新たな気づきがあり、この段階で解決することも十分考えられます。

これで解決しない場合、区分所有者全員に対する注意喚起に移行してください。それでも解決しない場合初めて、対象を近隣住戸に絞って注意を促す形にします。この段階ではマンション全体で騒音に対する意識た高まっているので、自覚がある方はプレッシャーを感じ自発的に止める可能性が高いです。多少時間は掛かりますが、手順を踏んで対策をすることが重要です。

マンションの資産価値を維持するためには、騒音等の苦情に対し適切に対応し、快適な住環境を整えることが必要になります。

2020年9月12日土曜日

専門委員会

 

2020年9月も中旬に入ろうとしています。新型コロナウイルス第2派はようやく落ち着いてきましたが、今後インフルエンザの流行と第3派が同時に来ることが予想されます。マンション内クラスターを防ぐため、引き続きWithコロナの対策を行って下さい。今回は専門委員会について説明致します。専門委員会は理事会の諮問機関と位置付けられており、マンション管理の業務執行を行う理事会をサポートする役回りとされております。(マンション標準管理規約55条)

理事の任期は1~2年であるため、3~5年の長期に渡るプロジェクトの場合、途中で理事会のメンバーが入れ替わってしまうという不都合が生じます。また、輪番で就任する理事には其々のテーマに対する専門知識が十分ではないため、意思決定を行う上で支障が出ます。

これらの問題を解決するために、「大規模修繕工事」「管理規約改定」「駐車場の存廃」といった高額なお金が動くテーマや、区分所有者間に大きな利害が絡むテーマについては、其々のテーマに関心・専門知識・利害がある区分所有者を「委員」とした、「専門委員会」を立ち上げることがあります。(大規模修繕委員会・管理規約改定委員会・駐車場検討委員会など)

日常管理は、理事会で意思決定すれば足りますが、このような「金額的又は質的に重要性の高い」テーマについては、日頃からできる限り多くの区分所有者に関与頂くことが望ましいので、理事会という閉鎖的な場で決めるよりも、委員会というより開かれた場で議論を重ねる方が良いです。但し、委員会と理事会が対立するようなことがあっては意味がありませんので、委員会のメンバーには理事も名を連ね、一緒に進めていくことが重要です。

どこのマンションでも毎年総会の場で鋭い質問をする区分所有者が数名いると思います。これら問題意識が高い方に委員会へ参加頂くと総会対策としても有効に機能します。

区分所有者の立場からすると、金額的又は質的に重要性の高い案件が突然総会の議案に上程され賛否を迫られると戸惑います。専門委員会を立ち上げることは、区分所有者に対する周知という意味でも有効に機能します。(総会に専門委員会の立ち上げを上程し、以降、専門委員会での活動を区分所有者に周知する形で進めてく)

マンションの資産価値を維持するためには、マンション内の金額的又は質的に重要な案件を、区分所有者に開かれた場(専門委員会など)で議論し周知することが必要となります。

2020年9月5日土曜日

管理費滞納

 

2020年9月に入りました。Withコロナの取り組みが功を奏しているようで、感染者の拡大は抑えられているように思います。マンションクラスターを発生させないよう油断せず取り組んでいきましょう。今回は管理費滞納について説明致します。管理費は修繕積立金と一緒に口座引落で管理組合に納めるのが一般的です。残高不足などの理由で口座引落ができないことが、管理費滞納のスタートになります。長期滞留にならないよう適切に対応しましょう。

一般的なマンションでは、管理組合は管理会社との間に管理委託契約を結んでおり、そのうちの事務管理業務には「管理費等滞納者に対する督促」が含まれますので、管理会社が督促を行います。しかし、管理会社が未来永劫督促を引き受け、必ず回収してくれる訳ではありません。管理委託契約では督促期間を6カ月程度に定めていることが多く、期間を過ぎたものは管理組合(理事)が直接行う必要があります。また、管理費債権は5年で時効により消滅しますので、管理組合としてきちんとした対策が必要になります。

2018年のマンション総合調査(国土交通省)によると、3ヵ月以上の滞納者がいる管理組合の割合は24.8%、6カ月以上の滞納者がいる割合が15.2%、1年以上の滞納者がいる割合が16.4%となっております。6か月以上経過すると回収が難しくなること分かります。管理組合としては、早期に発見し、3ヵ月以内での解決を目指すことが重要になります。

管理会社が督促をするのが6か月なので、期間の半分である3ヵ月以内に解決できるよう、管理組合(理事会)で督促業務の具体的内容を決めマニュアル化し、管理会社にはマニュアルに沿って督促業務を実施頂くよう指示するのが効果的です。先ずは、早期発見が大事なので、引落が掛からなかった区分所有者が出た場合、直ちに理事会に報告すること。続いて、電話及び訪問により督促を行いその結果を週1回理事会に報告すること。それでも解決しない場合は、書面や内容証明郵便による督促を行った上、電話及び訪問による督促を行いその結果を週1回理事会に報告すること。3ヵ月間このマニュアルを徹底すれば概ね解決します。

このマニュアル通りに督促をしても解決できない場合は、背景に大きな問題があり、長期化する懸念がありますので、管理会社が対応してくれる期間(一般的に6カ月)内に時効対策も視野に、全力で取り組む必要があります。滞納者に支払計画書を提出させるか、滞納額の1部(極端に言えば1円)でも支払わせれば時効は中断します。どうしても支払えないのであれば、毎月支払計画書を提出させるか、一部支払いをさせ、時効が進まないようにした上で、管理会社に督促及び理事会への報告を徹底させ、6か月以内の解決を目指しましょう。

マンションの資産価値を維持するためには、管理費滞納に対し「早期発見・早期対応」で臨み、6か月以上の長期滞留者を出さないことが必要になります。

契約不適合(瑕疵)を発見したときの対応

2026年も10月に入りました。早いもので今年も残すところあと2ヵ月余りとなりました。夏が終わったかと思えば、年末年始がすぐそこまで来ております。管理組合における懸案事項や、積み残し案件はこのタイミングで解決に向けて少しでも前に進めておきましょう。今回は、契約不適合(瑕疵)を発見...